HOME> 試薬> 細胞培養> 幹細胞> ラミニン研究者とコラーゲン研究者が開発した細胞培養基質(株式会社 マトリクソーム)

ラミニン研究者とコラーゲン研究者が開発した細胞培養基質(株式会社 マトリクソーム)

掲載日情報:2017/08/01 現在Webページ番号:80919

Frontiers

Vol.13 マトリクソームを活用し、細胞研究の新たな地平を拓く


株式会社 マトリクソームは、マトリクソーム研究を応用した製品作りとサービス提供を行うための会社として、大阪大学VC(株)と(株)ニッピの出資によって2015 年12 月に設立されました。



マトリクソームとは?

細胞外マトリックス(ECM)の総体を表す言葉として、大阪大学蛋白質研究所の関口清俊教授によって提唱された術語です。生体内の基底膜はラミニンとⅣ型コラーゲンを主成分としています。ラミニンを研究する関口教授(写真左)とコラーゲンを研究する(株)ニッピ・バイオマトリックス研究所の服部所長(写真右)のECM 研究に対する情熱が、「新会社設立」という形で結実しました。

MAX_80919

目次に戻る

主力製品「iMatrix-511」について

生体内の全長のラミニンは細胞表面のインテグリンと高い親和性を示すことから、細胞培養用基質としての高いポテンシャルがありました。しかし、約800 kDa もある巨大なタンパク質のため、組換えタンパク質として発現・精製することが非常に困難でした。 そこで、細胞培養用基質としての必要十分な機能を持つ、細胞表面のインテグリンとの結合部位(E8 断片)を含む部分のみを組換えタンパク質として作製することで、上記の問題点に対する解決策を見いだしました。 こうして製品化されたiMatrix-511 は現在、ES/iPS 細胞をはじめとする幹細胞の維持培養や、神経細胞、角膜細胞および網膜細胞の分化誘導のための培養基質として広く使用され、多くの使用文献が出ています。


●Hayashi R., et. al., Nature Protocols, 12(4): 683~696(2017).
●Kikuchi T., Journal of Neuroscience Research、(2017). など

MAX_80919

(株)マトリクソームメンバー

MAX_80919

ラミニンタンパク質の機能と物性に関して研究を進める谿口主任研究員

(株)マトリクソームは、今後も、マトリクソームに関する基礎研究と応用研究を融合させた独自の製品開発を行い、多くの研究者に貢献できるよう努めてまいります。


目次に戻る

ラミニン511-E8について

MAX_80919

α5 鎖が β1 鎖と γ1 鎖と会合したラミニン511 は、多数のラミニンの中でもインテグリンに対して非常に強く結合することが知られています。関口教授らは、ラミニン511 のイングリン結合部位を含む組換えフラグメント(分子量15 万)を開発し、このフラグメントがラミニン511 のインテグリン結合活性をほぼ100% 保持していることを見いだしました。
ラミニン511-E8 と呼ばれるこのフラグメントを培養基質として使うと、全長のラミニン511 よりも多能性幹細胞の接着がよく、培養効率も向上することが分かりました。


目次に戻る

(株)マトリクソームのiMatrix-511

幹細胞(ES/iPS 細胞)の培養に最適な基質

iMatrix-511

ラミニン511 のE8 断片を精製した高純度な細胞培養基質です。ES/iPS 細胞のフィーダーフリー培養、シングルセル継代が可能です。

  iMatrix-511

希釈が不要なiMatrix-511

今回新たに、希釈せずに使用できる「Easy iMatrix-511」が発売されました。この製品は、自動培養装置やCPC での使用を想定しており、rHSA(Recombinant Human Serum Albumin)の添加によるiMatrix-511 の安定化と活性増強化という2 つの研究成果が含まれています。これらの研究成果は、(株)マトリクソームの長年の基礎研究への取り組みがあったからこそ発見することができた成果であると言えます。

  Easy_iMatrix-511

目次に戻る

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。