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ULTRARIPA®KitのFAQ

掲載日情報:2017/09/25 現在Webページ番号:80891

ULTRARIPA®KitのFAQ

Q-1. Bバッファー単独で使用しても可溶化効率はRIPAバッファーよりも向上しますか?

A-1. BバッファーはRIPA(Aバッファー)よりも高い可溶化活性を有しています。本キットではRIPA不溶性画分を一度回収した後にBバッファーで溶解することで,RIPA不溶性画分に含まれる脂質ラフトタンパク質を濃縮・簡易精製することを目的に2段階のプロトコールを組んでいますが,試料を直接Bバッファーで処理した場合,RIPAよりも高い可溶化率を確認しています。



Q-2. ULTRARIPA®Kitを使用すると脂質ラフトタンパク質だけを抽出できますか?

A-2. 脂質ラフトと考えられているカベオラや神経シナプスに含まれる構成タンパク質の多くはTritonX-100などの温和な界面活性剤で可溶化できないため,界面活性剤不溶性画分(DRM)は生化学的な脂質ラフト画分と考えられています。本製品はRIPA不溶性画分に脂質ラフトタンパク質が多く含まれることに着目したもので,Bバッファーでさらに可溶化することで主として脂質ラフトのタンパク質を非変性状態で可溶化することを目的としています。そのため脂質ラフトでなくても,RIPAバッファーに不溶であれば,本キットで検出される可能性があります(核タンパク質のコンタミについてはQ-3を参照)。本キットでは可溶化能力の高いRIPAバッファーをAバッファーとして用いておりますが,RIPAバッファーの代わりに1% TritonX-100など他の可溶化バッファーに置き換えることも可能です。



Q-3. プロトコルには破砕としてホモジナイザーやソニケーションを推奨されていますが,ボルテックスやピペッティングだけでは不十分でしょうか?

A-3. 本製品ではRIPA不溶性画分の回収はAバッファーで可溶化後に遠心分離するだけの簡単なプロトコルを採用しています。そのため,細胞・組織の未破砕物や核が残存すると,RIPA不溶性画分にコンタミしてしまう可能性があります。特にRIPAバッファーは核可溶化効率が弱いため,物理的な破砕を加えない場合,核がRIPA不溶性画分に多量に残存してしまう恐れがあります。一方Bバッファーは核可溶化効率が高いため,核が残存するとゲノムDNAが放出され,溶液がドロドロになります。Aバッファーで可溶化する際にソニケーションを用いると核の破壊、ゲノムDNAの断片化が可能です。核のコンタミはその後のアプリケーションに悪影響を及ぼす可能性がありますので,ホモジナイザーやソニケーションの使用を強く推奨しています。



Q-4. Bバッファーの成分はどのような種類の界面活性剤ですか。界面活性剤の種類によっては電気泳動に影響を及ぼすと聞いたことがあり、組成を知りたいです。

A-4. 大変申し訳ございませんが、Bバッファーの組成は非開示になっております。界面活性剤の種類についてもお答えできません。ただし、諸検討から電気泳動に影響を及ぼさないことを確認しています。



Q-5. A不溶性画分がほとんど見えません。Bバッファーを添加してもほとんどタンパク質量が得られません。どうしたらよいでしょうか?

A-5. RIPAバッファーは全タンパク質のうち膜タンパク質も含め約90~95%程度可溶化することができます(組織・細胞種によって多少異なります)。そのため,タンパク質総量で考えるとRIPA不溶性画分に含まれるタンパク質は試料全体の10%以下と極微量です。RIPA不溶性画分が目視で観察できない場合,細胞数・組織量を増やす必要があります。Bバッファー可溶化画分のタンパク質濃度を向上したい場合は,RIPA不溶性画分に添加するBバッファーの量を減らすことで改善できます。条件検討として下記のポジディブコントロールを実施することを推奨します。

スタート試料量の検討におけるポジティブコントロール実験
用意するもの:2% SDS バッファー(50 mM Tris-HCl(pH 8.0), 150 mM NaCl, 2% SDS)
プロトコル:RIPA不溶性画分を回収後,2%SDSバッファーを添加し,タンパク質定量アッセイを実施することで,RIPA不溶性画分に含まれるタンパク質総量を見積もることができます。



Q-6. 脂質ラフトマーカーがAバッファー可溶性画分に観察されます。何か改善策はありますか?

A-6. 他の手法で脂質ラフトマーカーとして検出されたタンパク質がAバッファー不溶性画分に得られることを保証できません。特に脂質ラフトマーカーによっては細胞種や組織,外部シグナルの有無によっても変動する可能性があります。下記にケースに応じて改善策を記載しますので,ご参照下さい。

例1:1% TritonX-100に対して不溶性だが,RIPAバッファーで可溶性画分に検出される
改善プロトコル:1% TritonX-100より抽出力の強いRIPAバッファー(1% NP-40, 0.1% SDS, 0.5% sodium deoxycholate)で可溶化できる可能性があります。その場合,Aバッファーの代わりに1% TritonX-100バッファーを用いることで,目的タンパク質の濃縮・および可溶化がおこなえる可能性があります。

例2:遠心条件が不十分な場合で,不溶性だが沈殿にならない
改善プロトコル:遠心条件は10,000×g以上を推奨しておりますが、目的のタンパク質によって遠心条件が10,000×gでも不十分な場合があります。その場合,遠心条件を20,000×g程度にすることで改善が見られたケースがありますので、遠心分離の条件を検討することを推奨いたします。



Q-7. Bバッファーで溶出したタンパク質は質量分析に利用することはできますか?

A-7. Bバッファーで可溶化したタンパク質は一度SDS-PAGEで分離後,一般的なプロテオミクス解析の手順(ゲル切り出し・ゲル内トリプシン消化・ペプチド抽出および脱塩操作)で解析可能です。



Q-8. Bバッファーで抽出後,アッセイに適切なバッファーに置換したいです。Bバッファーの界面活性剤は透析で除去できますか?

A-8. Bバッファーに含まれる界面活性剤は透析で除去可能です。透析膜は5 kDa程度のポアサイズをご使用下さい。ただ,タンパク質によっては界面活性剤を取除くことにより凝集したり変性したりする可能性があり,別の界面活性剤を透析バッファーに加える必要があるケースがあります。アッセイの前に透析の予備検討実施を推奨します。

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