細胞・組織中のDNA、RNA、タンパク質を安定に保存できる試薬 CellCover

ヒト・動物の組織、白血球細胞、培養細胞中のDNA、RNA、タンパク質を安定に保存する試薬です。細胞を固定し、形態やRNAの発現状態を変化させずに、試料を冷蔵または室温で保存できます。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

CellCoverで12日間保存した培養細胞（SKMel-28）を用いて、保存4日目から12日目まで1日ごとのRIN（RNA integrity number）値を測定し、RNAの品質を確認した。
※RINとは、RNAの品質を示す値です。RIN値の範囲は1～10で、10は損傷のないRNA、1は完全分解されたRNAを示します。

RIN：10。前駆体のピークはCellCover保存細胞中の保護された高分子量RNAを示す。

CellCover保存細胞中のRNAは高品質であることが分かる。

ビメンチンのシグナル比較

（左）ホルマリン固定した細胞では、ビメンチンのシグナルがほとんど検出されなかった。
（右）CellCoverを用いて固定した細胞では、ビメンチンのシグナルが明瞭に検出された。

初期タンパク質分析とRNAの単離

CellCoverで処理された細胞は、数日間形態を維持していることがわかる。また、タンパク質分析とRNA分析を組み合わせることができ、すでにタンパク質が免疫標識によって染色されている細胞から、RNAを無傷で単離できる。

※ プロトコルおよび使用文献はそれぞれクリックをして下さい。

ANACYTE CellCover Basic Protocol 1 from Anacyte Laboratories on Vimeo.

ANACYTE CellCover Basic Protocol 2 from Anacyte Laboratories on Vimeo.

ANACYTE CellCover Basic Protocol 3 from Anacyte Laboratories on Vimeo.

⇒そのほか、メーカーウェブサイトの動画はこちら。

Q-1.：組成を教えて下さい。
A-1.：独自組成のため、開示は行っておりません。

Q-2.：保存した細胞は、再培養できますか。
A-2.：できません。

Q-3.：固定液として使用する場合の固定時間の目安を教えて下さい。
A-3.：下記をご参照下さい。

Q-4.：CellCoverで保存した試料を実験に使用する場合、CellCoverを洗浄する必要はありますか。
A-4.：はい、PBSで洗浄して下さい。

Q-5.：使用する際の注意事項を教えて下さい。
A-5.：

■組織の大きさについて
組織の保存に使用する場合、5 mm角以下に組織を切り出してから使用して下さい。 それ以上の大きさの組織の場合、CellCoverが十分に浸透できず、生体内分子の保存ができない可能性があります。

■接着細胞の透過処理について
接着細胞を、スライドやディッシュに付着させたままCellCoverを使用した場合、 透過処理を行うと細胞が剥離してしまう場合があります。その場合は以下の手順をお試し下さい。
1. 界面活性剤の濃度を低くして下さい。
2. 試料の洗浄時間を短くして下さい。
3. CellCoverを使用した後のPBSでの洗浄時間を短くし、試料をよく乾かして下さい。
4. CellCoverを使用する前に培地を除去し、試料をよく乾かして下さい。

Q-6.：細菌、植物や菌類にも使用できますか
A-6.：CellCoverは動物の細胞もしくは組織の固定用試薬です。細菌、植物や菌類での固定については確認していません。動物細胞や組織以外へのご使用は保証の対象外となります。

⇒その他のFAQはこちら