HOME > 試薬 > 遺伝子工学 > 核酸の分離・精製 > ゲノムDNAの分離・精製 > 標準品・コントロールを用いたバイアス評価
HOME > 試薬 > 遺伝子工学 > 核酸の分離・精製 > RNAの分離・精製 > 標準品・コントロールを用いたバイアス評価

既知組成のマイクロバイオーム標準品で、解析ワークフローに潜む偏りを可視化 標準品・コントロールを用いたバイアス評価

掲載日情報:2026/08/12 現在Webページ番号:73717

マイクロバイオーム解析では、DNA抽出、ライブラリー調製、シークエンス解析、データ解析などの各工程でバイアスが生じる可能性があります。既知組成の標準品やコントロールを用いることで、ワークフロー全体の偏りを評価し、データの信頼性向上に役立てることができます。

バイオ研究に役立つ基礎知識・技術情報を、研究テーマ別にまとめています。研究に役立つ基礎知識・技術情報まとめをご覧下さい。
ZymoBIOMICSシリーズの標準品、核酸抽出キット、試料保存試薬など、微生物叢研究に有用な製品はこちらをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

バナー

マイクロバイオーム解析に潜むバイアス

マイクロバイオーム研究では、試料の採取・保存、DNA抽出、ライブラリー調製、シークエンス解析、データ解析など、さまざまな工程を経てデータが得られます。しかし、これらの各工程でバイアスが生じる可能性があり、同一試料であっても、処理方法や解析ワークフローの違いによって異なる結果が得られる場合があります。
Human Microbiome Project Phase 1(2007~2012年)を契機に、ヒト腸内マイクロバイオーム研究への関心が高まる一方で、当時はウェットラボおよびドライラボのプロトコルが十分に検証されていなかったこと、またNGSワークフローが複雑でバイアスを受けやすいことから、データ品質が大きな課題となっていました。


目次に戻る

同じ試料でも結果が異なる?

マイクロバイオーム解析で得られる「菌叢プロファイル」とは、試料中にどのような微生物が存在し、それぞれが全体に占める割合(相対存在量)がどの程度であるかを示したものです。
解析結果の再現性に関する事例として、同一の糞便試料に由来する複製試料を、American GutとuBiomeがそれぞれ解析した例があります。その結果、主要な細菌門であるFirmicutesとBacteroidetesの構成比が、両者でほぼ逆の傾向を示しました。この事例だけでは、どちらの結果が真の菌叢組成を反映しているか、また、どの工程が違いを生じさせたかまでは判断できませんが、同じ試料に由来するデータでも、解析機関やワークフローが異なると、菌叢プロファイルが大きく変わる可能性があることを示しています。
こうした違いを生じさせる要因の一つが、DNA抽出工程における菌体破砕効率です。微生物の種類によって細胞壁の構造や壊れやすさが異なるため、十分に破砕されない微生物があると、その微生物に由来するDNAが実際より少なく検出されます。その結果、破砕されやすい微生物の割合が相対的に高く見え、実際の菌叢組成とは異なるプロファイルが得られることがあります。これが、菌叢解析で生じるバイアスの一例です。
Zymo Research社は、Human Microbiome Projectで用いられていた糞便マイクロバイオームプロファイリングのワークフローについて、バイアスが大きいワークフローの一つであったと説明しています。その主な要因として、当時用いられていたキットで使用されていた0.7 mmガーネットビーズは細菌の機械的破砕には大きすぎ、十分な破砕効率が得られなかったことを挙げています。


目次に戻る

標準品・コントロールによるバイアス評価

このようなバイアスを評価するために有用なのが、既知組成のマイクロバイオーム標準品やコントロールです。標準品をワークフローに組み込むことで、DNA抽出、ライブラリー調製、シークエンス解析、データ解析の各工程で、実際の結果が期待値からどの程度ずれているかを確認できます。
Zymo Research社は、標準物質・測定技術の整備を担うNIST(米国国立標準技術研究所)や、微生物株・細胞株などの標準材料を提供するATCCなどと同様に、マイクロバイオーム研究における標準品・コントロールの必要性に着目し、2014年から約2年をかけて、最初のマイクロバイオーム標準品の開発を進めました。その後2017年に、初の商用マイクロバイオーム標準品としてZymoBIOMICS Microbial Community Standardを上市しました。
また、同時期に、バイアスの少ないマイクロバイオームプロファイリング向けに検証された微生物DNA抽出キットとして、ZymoBIOMICS DNA Miniprep Kitも上市しました。


目次に戻る

世界中の研究室で広がるコントロール活用

Zymo Research社は、マイクロバイオーム標準品・コントロールの利用を促進する取り組みとして、Microbiome Standards and Controls Initiative(M-SCI)を立ち上げました。この取り組みでは、世界中の研究室にマイクロバイオーム標準品を無償提供し、各ラボにおいて自分たちのワークフローに含まれるバイアスを評価できるように支援しています。これまでに47か国・460以上の研究室がM-SCIに参加しています。

■ ZymoBIOMICS Microbial Community Standardレビュー大募集
フナコシでは、ZymoBIOMICS Microbial Community Standard(#D6300)を用いてNGSによる微生物叢解析を行い、簡単なグラフまたは表データと使用の感想をご提供いただける方を募集しています。応募条件を満たす方には、同製品を無料でご提供します。詳細は、ZymoBIOMICS Microbial Community Standardレビュー大募集をご覧下さい。


目次に戻る

マイクロバイオーム解析の品質管理に

マイクロバイオーム解析では、試料間の違いだけでなく、抽出方法や解析条件の違いも結果に影響します。そのため、研究データの信頼性や再現性を高めるには、標準品やコントロールを用いてワークフロー全体を評価することが重要です。
ZymoBIOMICSシリーズのマイクロバイオーム標準品やDNA抽出キットは、マイクロバイオーム研究におけるバイアス評価、品質管理、ワークフローの最適化に有用です。


目次に戻る

関連製品

  • ZymoBIOMICS Microbial Community Standard / DNA Standard
    既知組成の不活性化微生物菌体混合物または微生物由来DNA混合物です。微生物菌体混合物はDNA抽出を含むワークフロー全体の評価に、DNA Standardはライブラリー調製、シークエンス解析、データ解析など抽出後工程の評価に有用です。

  • ZymoBIOMICS DNA Miniprep Kit / DNA/RNA Miniprep Kit
    糞便、土壌、環境試料などの広範な試料から核酸を抽出するキットです。DNA Miniprep KitはDNAの抽出に、DNA/RNA Miniprep KitはDNAおよびRNAの共精製または個別精製に使用できます。マイクロバイオーム解析やメタゲノム解析における試料前処理、バイアスの少ない微生物プロファイリングに有用です。

目次に戻る

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。