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歯幹細胞の多分化能を持つSCAP由来細胞株 ATCC® DSCS(Dental Mesenchymal Stromal Cells, Human)

掲載日情報:2026/03/18 現在Webページ番号:73477

ヒト歯根尖乳頭由来幹細胞(SCAP:Stem Cells from the Apical Papilla)を、SV40 large T抗原により不死化して樹立した細胞株です。紡錘形の線維芽細胞様形態を示す接着性細胞であり、複数の細胞系統への分化能力を持つ多分化性細胞株として、歯科組織再生研究や幹細胞研究に利用されています。
SCAPは未成熟永久歯の歯根尖部に存在する間葉系幹細胞の一種です。歯根の発生や成熟に関与する細胞として知られており、これらの細胞は歯科再生医療や組織工学分野において有望な研究対象とされています。

本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

歯根尖乳頭由来幹細胞(SCAP:Stem Cells from the Apical Papilla)について

歯根の発生過程において、歯根尖乳頭(Apical Papilla)由来の間葉系幹細胞(SCAPs)および歯小嚢(Dental Follicle)由来の間葉系幹細胞(MSC)は、厳密に制御された系統特異的な分化経路に従って分化します。未成熟永久歯の歯根尖乳頭領域(下図参照)に存在するSCAPsは、特異的かつ高い再生能力を有するMSC集団です。2006年に発見されて以来、SCAPsは、適切な誘導培地による刺激により、象牙芽細胞(歯根象牙質形成を担う細胞)、骨芽細胞、および神経系細胞系譜へ分化する能力について研究されてきました1-4。このような多分化能により、SCAPsは歯科組織再生の研究モデルとして有用であるだけでなく、より広範な治療応用を探る上でも重要な細胞集団と位置付けられています。

Blocking of Biotin in Cell Lysates and Culture Media

Created with BioRender.com

成熟過程にある歯の断面模式図
SCAPは歯根の成長部位に局在し、歯根の伸長に伴って根尖乳頭は進行性に縮小する。歯根が完全に成熟すると、根尖乳頭は認められなくなる。

近年の研究では、ヒトSCAPsが神経損傷に関連する合併症の治療において治療的可能性を有することが示されており、ミエリン損傷の回復への関与も報告されています5。また、その再生能力は線維筋痛症(Fibromyalgia)のような慢性疾患にも応用できる可能性が示唆されています6。さらに、SCAP由来エクソソームは、生理活性分子を運搬して組織再生を促進する能力を持つことから注目されています。これにより、幹細胞を直接移植する際に伴うリスクを回避しながら再生効果を得る可能性があり、骨、神経、歯髄の再生医療において有望なアプローチと考えられています7


参考文献

  1. Sonoyama, W., et al., PLoS One, 1(1), e79(2006). [PMID:17183711]
  2. Achilleos, A. and Trainor, P. A., Cell Res., 22(2), 288-304(2012). [PMID:22231630]
  3. Chen, Y., et al., PeerJ, 11, e14550(2023). [PMID:36620748]
  4. Zhang, J., et al., Exp. Cell Res., 332(2), 259-266(2015). [PMID:25668322]
  5. Dagnino, A. P. A., et al., Stem Cells Dev., 29(23), 1479-1496(2020). [PMID:32988295]
  6. Dagnino, A. P. A., Brain Res. Bull., 222, 111257(2025). [PMID:39952442]
  7. Zhuang, X., et al., Stem Cells Int., 2020, 5816723(2020). [PMID:32565828]
  8. Liu, C., et al., Int. Endod. J., 49(10), 950-959(2016). [PMID:26383494]
  9. Digka, A., et al., Int. J. Dent., 2022, 6004350(2022). [PMID:36606134]
  10. Sanz-Serrano, D., et al., Int. Endod. J., 56(4), 502-513(2023). [PMID:36585930]



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特長

多分化能を有するSCAP由来細胞株

DSCSは多分化能(multipotency)を持ち、以下の細胞への分化能力が報告されています。

  • 脂肪細胞
  • 骨芽細胞
  • 象牙芽細胞
  • 軟骨芽細胞
  • 線維芽細胞
  • 神経細胞

これらの特性により、DSCSは歯の発生や再生メカニズムを解析するin vitroモデルとして利用可能です。


三系統分化能を確認

DSCS細胞株は、以下の三系統分化能が確認されています。

  • 軟骨細胞
  • 骨細胞
  • 脂肪細胞

軟骨分化ではAlcian Blue染色による軟骨基質形成、骨分化ではAlizarin Red染色によるカルシウム沈着、脂肪分化ではOil Red O染色による脂質滴の蓄積が確認されており、DSCSの多分化能が示されています。


歯科再生研究に適した細胞モデル

SCAPは歯根象牙質を形成する象牙芽細胞への分化能力を持ち、歯根形成に重要な役割を担う細胞です。そのため、DSCSは以下の研究用途に適しています。

  • 歯根形成メカニズムの研究
  • 歯科組織再生研究
  • 幹細胞分化研究
  • 組織工学研究

SCAPは骨、神経の再生研究においても利用できる可能性があることが示されています


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アプリケーションノート

下記画像をクリックすると、アプリケーションノート(PDF)をご覧いただけます。

歯幹細胞の多能性

歯幹細胞の多分化能
SV40で不死化したSCAP由来細胞株DSCSは、軟骨細胞・骨細胞・脂肪細胞への三系統分化を示した。


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価格

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品名 ATCC® No.
DSCS; Dental Mesenchymal Stromal Cells; Human (Homo sapiens) CRL-3558™

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関連製品:分化誘導キット

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品名 ATCC® No.
Chondrocyte Differentiation Tool PCS-500-051™
Osteocyte Differentiation Tool PCS-500-052™


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