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技術情報:タンパク質精製のフォーマット選び(アフィニティクロマトグラフィー)Vol.1

掲載日情報:2026/01/19 現在Webページ番号:73455

アフィニティクロマトグラフィーを利用したタンパク質精製の原理は、2つの異なる分子間の結合親和性に基づいています。精製の際、リガンドと結合する短いペプチドタグを持つ標的タンパク質は、(ほとんどの場合、レジンに結合した)リガンドと結合することができますが、タグを持たないタンパク質は結合せず、洗い流すことができます。レジンは主にアガロースビーズや磁気ビーズから構成され、どちらもバッファーに懸濁された形で販売されています。また、アガロースビーズはFPLC用カラムや自然落下式カラム、スピンカラムに充填することができます。どの精製フォーマットが目的のアプリケーションに最適かは、精製タンパク質の必要量や、精製前の試料の量に依存します。


精製フォーマットの種類


必要収量や試料量などから適切なタンパク質精製フォーマットをご選択下さい。

必要量から選択

必要収量から精製フォーマットを選ぶ

試料量から選択

試料量から精製フォーマットを選ぶ


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FPLC/HPLC用カラム

試料が大容量の場合は、Äkta(Cytiva社)などの自動化されたFPLC/HPLC装置に対応したカラムを用いることができます。FPLCカラムは、さまざまなレジン容量の製品が販売されており、結合能を増やすために直列に接続することも可能です。また、標準的な10~32コネクターで装置に接続できます。

  • 幅広いpH適応性
  • 優れた圧力耐性
  • 高純度精製
  • さまざまなベッドボリューム(IBA社では1 mlと5 mlのFPLC用カラムをご用意しています)

FPLC/HPLC用カラムの特長

  • 大容量試料でも迅速に対応します。
  • 完全自動化によるタンパク質精製が可能です。
  • 精製装置が自動でバッファーや試料を適量添加するため、精製中の待ち時間がありません。
  • 完全なアフィニティクロマトグラフィーのプロトコルの記録により、精製の質に関する情報が得られます。
  • 事前に用意されたプログラムを用いるため、精製操作の担当者に依存せず、再現性の高い精製結果が得られます。
FPLCカラム

Strep-Tactin XT 4Flow FPLC column
(#2-5023-001

Äktaを用いたFPLCカラムのセッティング


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自然落下式カラム

自然落下式カラムは、中量程度のタンパク質精製に理想的なツールです。レジンを含むバッファーを利用して、目的や条件に応じた任意のカラムに充填できるほか、あらかじめ充填されたカラムを用いることもできます。

自然落下式カラムの特長

  • カラムタイプのアフィニティクロマトグラフィーに最適化されています。
  • 異なる担体を用いたさまざまな容量のカラムが利用できます。
充填済み自然落下式カラムの例

Strep-Tactin XT 4Flow Column
(#2-5011-005

精製レジン(50% Suspension)の例

Strep-Tactin XT 4Flow Resin
(#2-5010-025


自然落下式カラムのパッケージングに関する動画


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磁気ビーズ

磁気ビーズタイプの製品は、プルダウンや免疫沈降、共免疫沈降におけるタンパク質精製のために、チューブや96ウェルプレートでのバッチ精製に利用されます。
磁気ビーズは、磁石で容易に回収できるため、遠心分離が不要で、ピペッティング時に試料をロスする心配がありません。

磁気ビーズタイプの特長

  • 遠心分離が不要です。
  • マグネットセパレーターを用いて分離できます。
  • 2 mlや10 mlなど、さまざまな容量に対応したマグネットセパレーターが販売されています。
マグネットセパレーターの使用例

マグネットセパレーターの使用例

磁気ビーズ製品の例

MagStrep Strep-Tactin XT Beads
(#2-5090-002


Protein Purification with Strep-Tactin XT coated magnetic beads


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スピンカラム

少量の試料を同時に複数処理する場合、必要量の精製用レジンが充填されたスピンカラムを利用することができます。このタイプは、簡単に各試料から目的タンパク質をバッチ精製することができます。

スピンカラムの特長

  • 市販の1.5 mlまたは2.0 mlのチューブに対応しています。
  • レジン充填済みカラムのほか、研究者ご自身で必要なレジンを充填できる空カラムも販売されています。
Strep-Tactin XT 4Flow high capacity Spin Column Kit

Strep-Tactin XT 4Flow high capacity Spin Column Kit(#2-5151-000

Protein Purification with Strep-Tactin XT spin colums


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レジンの再生

タンパク精製に用いたStrep-TactinレジンおよびStrep-Tactin XTレジンは、10回以上再生して再利用できます。性能への影響はありません。レジンの活性は、HABA(2- [4’-hydroxy-benzeneazo] benzoic acid)を用いて簡単に確認できます。黄色のHABA溶液が、Strep-TactinレジンおよびStrep-Tactin XT レジンの工学的に作製されたビオチン結合部位に結合すると、Strep-Tactinレジンは赤色に、Strep-Tactin XT レジンは橙色に変化します。これは、Strep-TactinレジンおよびStrep-Tactin XT レジンが完全に再生されたことを示します。その後、HABAは100 mM NaOHで洗浄することで、レジンから除去できます。レジン上の赤色が見えなくなり、NaOHがBuffer Wによる洗浄でカラムから除去されると、カラムは再使用可能となります。一方、ビオチン結合部位がブロックされる、またはダメージを受けると、上記の色の変化は起こりません。この場合、レジンを再使用することはできません。(理想的な条件下では、50回以上再生できる場合もあります。)

Color Based Functionality check


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各レジンの比較表

各リガンドやマトリックスをクリックすると、製品の詳細をご覧いただけます。

リガンド Strep-Tactin Strep-Tactin XT
マトリックス 4Flow high capacity 4Flow 4Flow high capacity MagStrep Strep-Tactin XT beads
結合能 20 mg/ml resin* 11 mg/ml resin* 31 mg/ml resin* 42.5 mg/ml beads*
ビーズの種類 4%アガロース
高架橋
4%アガロース
高架橋
4%アガロース
高架橋
架橋された6%アガロースでコートされたマグネットビーズ
ビーズのサイズ 50~150 µm
球状
50~150 µm
球状
50~150 µm
球状
30 μm(平均)
球状
排除限界 3×107 Da 3×107 Da 3×107 Da 未測定
推奨の精製方法 FPLC
自然落下式カラム
FPLC
自然落下式カラム
遠心分離
FPLC
自然落下式カラム
遠心分離
バッチ精製
タンパク質の結合可能なpHレンジ 7~8 4~10 4~10 6~10
最大圧力 3.5 bar 3.5 bar 3.5 bar 未測定
保存条件 2~8 ℃、凍結禁止 2~8℃、凍結禁止 2~8℃、凍結禁止 2~8℃、凍結禁止
溶出剤 デスチオビオチン ビオチン ビオチン ビオチン
再生バッファー 100 mM NaOH Buffer XT-R
100 mM NaOH
Buffer XT-R
100 mM NaOH
100 mM NaOH
活性試験用バッファー Buffer R(HABA) Buffer R(HABA) Buffer R(HABA) N/A
特長と推奨用途 ・Strep-Tactin 4Flow high capacityは低濃度のアガロースと圧力安定性を両立。

・複数のタグを持つタンパク質や、多量体を形成するタンパク質など、Strep-Tactin XTレジンからの溶出が難しいタンパク質に対応。

・全てのタイプと分子量のタンパク質に対応。
・Strep-Tactin XT 4Flowは、Strep-tagシステムの使用が初めてのユーザーに推奨。

・全てのタイプと分子量のタンパク質に対応するが、特に存在量が少なく、精製困難なタンパク質に推奨。
・Strep-Tactin XT 4Flow high capacityは、Strep-Tactin XT 4Flowと比較して、3~5倍量のタンパク質に結合。

・高発現のタンパク質やラージスケールでのタンパク質の精製に推奨。
・バッチ精製に最適化。

・磁気デバイスにより分離するため、遠心分離が不要。

・96ウェルプレートでのハイスループット精製に最適。

50 kDaのTwin‐Strep‐Tag融合タンパク質を用いて測定


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使用例

MEXi-293E細胞(24 ml)の細胞培養上清に、C末端側にTwin-Strep-tagを持つ130 kDaの目的タンパク質240 μgを加えた。目的タンパク質の精製は、0.2 mlのStrep-Tactin XT 4Flow high capacity gravity flow column(#2-1251-005)を用いて行った。試料をカラムに添加後、1×Buffer Wを用いてカラムを洗浄した。この試料中のタンパク質は、カラムベッドボリュームに対して0.7、1.5 、0.8量の1×Buffer BXTを用いて3段階で溶出した。精製後の目的タンパク質は、SDS-PAGE(A)およびウエスタンブロッティング(B)により確認した。どちらのデータも、分子量マーカー(Marker*、Marker**)、目的タンパク質を添加した細胞培養上清(S)、フロースルー(FT)、1回目および5回目の洗浄フラクション(W1、W5)、溶出フラクション(E1~E3)を示す。ウエスタンブロッティングでの検出にはStrep-Tactin HRPを1:4000に希釈して用いた。

自然落下式カラムの使用例①
自然落下式カラムの使用例②

Marker*:Precision Plus Protein Unstained Protein Standards、Strep-tagged recombinant(BioRad社)
Marker**: PageRuler Plus Prestained Protein Ladder(Thermo Fisher Scientific社)

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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