ヒトES細胞／iPS細胞の培地交換回数を減らせるFGF-2徐放性ビーズ StemBeads FGF2

StemBeads FGF2は、培地に添加するだけで FGF-2(basic FGF、bFGF、FGF-b)を約3日間安定的に供給し続けることができるFDA認可の生分解性徐放性ビーズです。培地交換の手間やコストを節約でき、また幹細胞培養中の形態や未分化能の維持に効果があります。

※本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

※幹細胞や神経細胞の培養に最適なEGF徐放性ビーズや、多能性幹細胞の培養やがん細胞の細胞死誘導に最適なActivin-A徐放性ビーズもあります。

StemBeadsの特長アニメーション

StemBeadsのバイアル

* StemBeads FGF2は、放出されるFGF2が培地中で10 ng/mlになるよう調製されています。FGF2の濃度を上げる際は、培地に添加するStemBeads FGF2の量を多くして下さい。

StemBeads FGF2の使用によりhPSCの形態と多能性は長期間培養で維持されている。

StemBeads FGF2を添加した培地で3ヶ月以上培養したhPSCは、典型的なhPSCの形態を示している(A)。FACs解析により、分化マーカーであるSSEA-1の発現が無くても、多能性マーカーであるSSEA-4, Tra-1-60は発現している(B)。

StemBeads FGF2の使用によるFGF2濃度の維持

hESC培養における通常の培地交換ではFGF2の濃度は変化するが（左上図）、StemBeads FGF2を添加した場合は3日間経過した後もFGF-2の濃度が一定に保たれていることが分かる（右上図）。
培養中のStemBeads FGF2の直径は平均14.5μm（左右下図　矢印）スケールバー：100μm。

時間経過によるFGF-2の濃度変化

ヒトES細胞（hESC：左）またはマウス神経幹細胞（mNSC：右）を、StemBeads FGF2または可溶性FGF-2を添加して培養し、培地中のFGF-2量の変化を調べた。本製品（青）では、培養72時間経過した後もFGF-2の濃度が一定に保たれていることが分かる。

本製品を用いて培養したヒトES細胞（hESC）における未分化マーカー、核型、コロニー形態解析

本製品を添加した培地を用いて3日に一度の培地交換によりMEFフィーダー細胞上で1か月培養したhESC（赤）と、可溶性FGF-2を添加した培地で培養した細胞（青）をフローサイトメトリーにより解析したところ、両者はほぼ類似したマーカー発現プロファイルを示した。しかし、qRT-PCR解析の結果、本製品を使用した細胞ではNANOGの発現が上昇し、分化マーカーSOX17やBrachyuryの発現は減少した。播種前のhESCと、本製品または可溶性FGF-2で1か月培養したhESCの核型を比較した結果、異常は見られなかった。免疫染色の結果では、本製品を用いて培養したhESCではコロニーの形態や多能性マーカーOCT4、NANOGの発現が、可溶性FGF-2で培養したhESCと類似していた。

本製品を用いて培養したマウス神経幹細胞（mNSC）の未分化状態の確認

マウス神経幹細胞を本製品または可溶性FGF-2を添加した培地で１週間培養し、未分化マーカーと分化マーカーの発現を調べた。本製品で培養したマウス神経幹細胞は、未分化状態が維持されていることが分かる。

FGF-2を用いて培養したヒトES細胞（hESC）のマーカー発現比較

StemBeads FGF2を添加した培地で培養した細胞（赤）と、FGF-2を連日添加した培地で培養した細胞（青）をフローサイトメトリーにより解析した。mTeSR (Stem Cell Technologies)とMatrigel (Corning社)を用いて一週間に二度の培地交換によりhESCを11週間培養した。
両者はほぼ類似した多能性マーカー発現を示したが、分化マーカーSSEA1の発現は低かった。免疫染色の結果では、本製品を用いて培養したhESCにおいて、コロニーの形態や多能性マーカーNANOG、Tra-1-60、 SSEA4の発現が見られた。本製品で培養したhESCの核型には異常は見られなかった。

本製品を用いて培養したヒトES細胞（hESC）の増殖数の比較

StemBeads FGF2を添加した培地で培養した細胞数（青）と、FGF-2を連日添加した培地で培養した細胞数（赤）を比較した。mTeSR (Stem Cell Technologies)とMatrigel (Corning社)を用いて一週間に二度の培地交換によりhESCを11週間培養した。
StemBeads FGF2を用いて培養したhESC数は、FGF-2で連日処理したhESC数を上回り、外胚葉（左図）、中胚葉（中央図）、内胚葉（右図）の3系統へと分化した。

⇒StemBeads FGF2についてFAQはこちら。