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ChIP-Exo-Seq検証済み抗体を用いてエピジェネティックス研究を進めよう ChIP-Exo-Seq検証済み抗体(Atlas Antibodies社)

掲載日情報:2025/10/16 現在Webページ番号:72420

Atlas Antibodies社のChIP-Exo-Seq検証済み抗体です。ChIP-Exo-Seqは、一塩基分解能(塩基対精度)でのタンパク質-DNA相互作用に関するゲノムワイドな知見を提供することができます。正確な転写因子マッピングやヒストン修飾研究など、超高分解能、感度、特異度を必要とする方におすすめです。

Atlas Antibodies社では、抗体の広範な検証および特性評価を行っており、非常に高品質な製品をご提供しています。抗体検証の詳細については、こちらのValidationロゴ「Atlas Antibodies社における抗体検証の取り組み」をご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


ChIP-Exo-Seqとは

ChIP法の比較


ChIP-Exo-Seqは、クロマチン免疫沈降(ChIP)法、エキソヌクレアーゼ処理および次世代シーケンシング(NGS)を組み合わせた検出法です。免疫沈降後に、エキソヌクレアーゼによる分解を行うことで、タンパク質に直接結合したDNA断片のみを残すことができます。このプロセスにより、ChIP-Exo-Seqは、ChIPおよびChIP-Seqと比較して、より高い分解能および鎖特異性を提供する一方で、バックグラウンドノイズを減少させて、タンパク質-DNA相互作用のより正確なマッピングを行うことができます。

ChIP-Exo-Seq法の概略

>ChIP-Exo-Seq法の概略

架橋とDNAの断片化
ターゲットタンパク質をDNAに架橋します。これにより、タンパク質-DNA相互作用が維持されます。DNAはソニケーションなどを用いて、より小さな断片に断片化します。

クロマチン免疫沈降(Chromatin immunoprecipitation、ChIP)
ターゲットタンパク質に対する抗体で免疫沈降を行い、DNA-タンパク質複合体を単離します。

アダプターライゲーション
断片化されたDNA断片の末端にアダプターをライゲーションします。DNA断片の末端は平滑末端になります。

エキソヌクレアーゼ処理
DNA断片を高度に特異的なエキソヌクレアーゼ(一般にλ-エキソヌクレアーゼ)で処理します。このエキソヌクレアーゼはDNAを5'から3'方向に切断します。結合タンパク質がDNAに架橋した部位で消化が停止し、一本鎖DNA末端が残ります。

脱架橋とアダプター付加
脱架橋により、DNAが遊離します。エキソヌクレアーゼで処理した末端にアダプターを連結し、次いでライブラリーをPCRによって増幅します。

ハイスループットシークエンス
プロセシングされたDNAは、タンパク質-DNA結合部位をマッピングするためにハイスループットシークエンシングを行います。得られた配列決定データは、一塩基分解能で正確なタンパク質-DNA相互作用部位を表す鋭いピークを同定することができます。

従来のChIPアプリケーションとの違い

ChIP ChIP-seq ChIP-Exo-seq
概要 抗体を用いてタンパク質-DNA相互作用を検出 ChIPとハイスループットDNAシークエンシングを組み合わせた解析 相互作用の正確なマッピングのためにエキソヌクレアーゼ処理を追加
分解能 低(DNAの広い領域) 中(結合領域±約300 bp) 高(単一塩基解像度結合部位の一塩基分解能1 bp)
解析結果 タンパク質に結合したDNA断片 より広いピークを示すシークエンスデータ タンパク質-DNA接触点の正確なピークとヒートマップ
主な工程 タンパク質-DNA複合体の免疫沈降 免疫沈降およびシークエンス 免疫沈降後、エキソヌクレアーゼ処理およびシークエンス
ノイズ 高(非特異的DNAを沈降する場合がある) 中(シークエンスによるバックグラウンドシグナルが含まれる) 低(エキソヌクレアーゼ消化処理によってノイズの原因となる非結合部位のDNAは除去される)
操作性 シンプルなプロトコル 中程度に複雑 中程度に複雑(エキソヌクレアーゼ処理が必要)
用途 基本的なタンパク質-DNA相互作用の研究 タンパク質-DNA相互作用のゲノムワイドなマッピング タンパク質-DNA結合部位の正確な局在
利点 シンプルで低コスト ハイスループット、ゲノムワイドなデータ 一塩基分解能、ノイズの低減


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特長

  • Human Protein Atlas(HPA)プロジェクトで開発、検証された抗体です。
  • ISO 9001認証を取得した生産プロセスにより、ロットが変わっても一貫した結果が得られます。
  • 既知の結合部位に対して検証を行った信頼性の高い製品を取りそろえています。
  • ChIPやChIP-seqなど従来のChIPアプリケーションでの検証も行っています。
  • 単一塩基レベルの高解像度な結合部位マッピングが可能です。
  • エキソヌクレアーゼ処理により、非結合DNAが除去され、ノイズの低いデータが得られます。
  • 転写因子結合部位やその他のタンパク質-DNA相互作用のより正確なマッピングが可能です。


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他社製品との比較

抗ELF1抗体(HPA001755)と他社製品の比較データ

図1. K562細胞を用いたAtlas Antibodies社製品および他社製品によるターゲットエンリッチメントの比較

アラインメントされたシーケンスリードの5’末端を、対応するモチーフからの距離に対してプロットし、リードはストランド別に青(Forward、5'→3')および赤(Reverse、3'→5')で示した。Atlas Antibodies社の抗ELF1抗体(#HPA001755)は、他社の抗ELF1抗体と比較してS/N比が低く、高精度なターゲットエンリッチメントで、結合モチーフ領域周辺の正確な組織構造を明らかにすることができる。

試料:K562細胞
青(Forward、5'→3')および赤(Reverse、3'→5'):抗TCF4抗体(#HPA001755
黒(Forward、5'→3')および灰(Reverse、3'→5'):IgGコントロール

他社のChIPアプリケーション検証済み抗体との比較

他社のChIP検証済み抗体の多くは、一般的なChIPのバリデーションプロセスが採用されています。これらのプロセスには、統計的堅牢性が欠如しているため、抗体は標準的なChIPまたはChIP-Seq研究に適しており、高度な技術に最適化されていません。それらの中程度の分解能はゲノム領域を定義しますが、塩基対精度を欠いています。一方、Atlas Antibodies社のChIP検証済み抗体は、ChIP-Exo-Seqによるバリデーションを行い、正確な転写因子マッピングやヒストン修飾研究など、超高分解能、感度、特異度を必要とする研究者向けに設計されています。ChIP-Exo-Seq検証は、単一塩基分解能(塩基対精度)でのタンパク質-DNA相互作用に関するゲノムワイドな洞察を提供することができます。

特長 Atlas Antibodies社製品 他社製品
分解能 ChIP-Exo-Seqにより、特異性と正確性を保証するために、タンパク質-DNA相互作用部位の単一塩基の分解能と正確なマッピングを提供する。 ChIPまたはChIP-seqは、より広い結合ピーク領域を提供する。検証はChIP-qPCRまたはモチーフエンリッチメントに依存することがあり、単一塩基分解能をは十分ではない。
再現性 ChIP-Exo-Seqによる検証により高い再現性が得られる。 抗体のロットや検証方法により再現性に欠けることがある。
ノイズ エキソヌクレアーゼにより非結合DNAを除去することで、非特異的DNAシグナルを低減させ、S/N比を改善する。 非特異的結合や非結合DNAも沈降するため、バックグラウンドシグナルが高い。
ゲノムカバレッジ タンパク質-DNA相互作用を高精度(一塩基分解能)でゲノムワイドにマッピングできる。 ゲノムワイドなマッピングは可能だが、結合部位の局在は正確ではない。
用途 転写因子、ヒストン修飾、クロマチン結合タンパク質に対して一塩基分解能で精密な研究に適している。 エピジェネティクスおよびタンパク質-DNA相互作用に関する広範な研究に適しているが、特異性や精度が落ちる。


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製品ラインナップ

製品例

HPA025958を用いた実験手法画像

図2. 抗TCF4抗体を用いたChIP-Exo-Seq

試料:K562細胞
青(Forward、5'→3')および赤(Reverse、3'→5'):抗TCF4抗体(#HPA025958
黒(Forward、5'→3')および灰(Reverse、3'→5'):アイソタイプコントロール
画像提供:Prof. B. F. Pugh´s Lab(Cornell University, Ithaca, NY, USA)

対象製品の検索方法

Atlas Antibodies社の「ChIP-Exo-Seq」検証済み抗体を検索いただけます。
①検索欄へキーワード(抗体のターゲット名)の一部を入力して下さい。
②候補が表示されますので、選択して下さい。
③検索ボタンを押して下さい。
また、キーワードを直接入力して検索することも可能です。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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