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抗体医薬などのプロファイリングを代行します! 薬物動態(PK)/薬力学(PD)受託解析サービス(RayBiotech社)

掲載日情報:2025/03/21 現在Webページ番号:72111

RayBiotech社は、抗体のプロファイリングを行っています。薬物動態(Pharmacokinetic、PK)および薬力学(Pharmacodynamic、PD)の受託解析を通して薬物の体内動態に関する貴重な洞察をご提供します。

薬物動態(PK)/薬力学(PD)受託解析サービスの対象


多段階アプローチにより、薬物の薬理学的特性の理解を深め、有効性と安全性に対する信頼を向上することができます。

  • 生体試料中の薬物代謝物の定量化
  • 薬物の効率を最適化するための定量的用量反応
  • 標的細胞に対する時間経過(time-course)と用量効果(dose-effect)
  • 用量依存的(dose-response)宿主反応の安全性分析
  • EC50
  • 遊離レセプター、占有レセプター、総レセプター分析を含むレセプター占有分析
  • 細胞毒性
  • 作用機序

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薬物動態(PK)解析

薬物動態(PK)受託サービスの概要

RayBiotech社では、治療用抗体の専門的なプロファイリングサービスを通して生物が薬物に与える影響を洞察します。抗体や低分子化合物に関する研究は薬物の設計にとって重要です。体内への薬物の吸収量、分布範囲、分布場所、および薬物の体内での滞留時間は、あらゆる治療において問題となります。また、薬物が体内の免疫系にどのような影響を与えるかを解明するためには、薬物と抗薬物抗体、またはそれ以外の免疫相互作用による薬物免疫原性の試験も重要な情報となります。

RayBiotech社は、幅広い薬物に対するELISA用抗薬物抗体、抗薬物抗体ELISAキット、およびRayPlexキットを有しています。試料中の血清/血漿薬物濃度およびさまざまなin vitroの測定を駆使して、試料において起こっている相互作用を解析する受託サービスをご提供します。また、サポートや技術的な専門知識が必要な場合では、コンサルティングオプションや、必要に応じて包括的なテストオプションもご利用いただけます。標準的なELISAキットやビーズベースのフローサイトメトリーキット(RayPlex)は、以下の用途でご用いることができます。

  • 薬物吸収率
  • 薬物分布
  • 薬物排泄
  • 薬物免疫原性

分析項目


パラメータ 試験内容 分析方法
吸収率 血漿中の抗体薬物濃度 ELISA、RayPlex
薬物分布 血漿中の抗体薬物濃度 ELISA、RayPlex
排泄(半減期) 血漿中の抗体薬物濃度 ELISA、RayPlex
免疫原性研究 抗薬物抗体検査 ELISA、RayPlex

薬物抗体および抗薬物抗体の分析原理


マウス抗薬物抗体(ADA) ヒト薬物抗体(DA)
ヒトモデルに利用する場合 動物モデルを利用した場合
マウス抗薬物抗体(ADA)の薬物動態解析 ヒトモデルに利用するヒト薬物抗体(DA)の薬物動態解析 動物モデルを利用したヒト薬物抗体(DA)の薬物動態解析

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薬物動態解析用RayPlexビーズアレイ(DA/ADA)製品ラインナップ


標的因子 薬物抗体(DA) 抗薬物抗体(ADA) ADAの動物種
CD20 Obinutuzumab/Gazyva Anti-Obinutuzumab Antibody Mouse-Monoclonal
Rituximab/Rituxan Anti-Rituximab Antibody Mouse-Monoclonal
CD38 Daratumumab/Darzalex Anti-Daratumumab Antibody Mouse-Monoclonal
CD274 Durvalumab/lmfinzi Anti-Durvalurnab Antibody Mouse-Monoclonal
Complement protein C5 Eculizumab/Soliris Anti-Eculizumab Antibody Mouse-Monoclonal
CTLA-4 Ipilimumab/Yervoy Anti-Ipilimumab Antibody Mouse-Monoclonal
EGF receptor Cetuximab/Erbitux Anti-Cetuximab Antibody Mouse-Monoclonal
Panitumumab/Vectibix Anti-Panitumumab Antibody Mouse-Monoclonal
HER2 Pertuzumab/Perjeta Anti-Pertuzumab Antibody Mouse-Monoclonal
Trastuzumab/Herceptin Anti-Trastuzumab Antibody Mouse-Monoclonal
Human lgE Omalizumab/Xolair Anti-Omalizumab Antibody Mouse-Monoclonal
IL-4Rα Dupilumab/Dupixent Anti-Dupilumab Mouse-Monoclonal
IL-6 receptor Tocilizumab/Actemra Anti-Tocilizumab Antibody Mouse-Monoclonal
Sarilumab/Kevzara Anti-Sarilumab Antibody Mouse-Monoclonal
IL-12 and IL-23 Ustekinumab/Stelara Anti-Ustekinumab Antibody Mouse-Monoclonal
IL-ⅡA Secukinumab/Cosentyx Anti-Secukinumab Antibody Mouse-Monoclonal
PD-I Nivol umab/Opdivo Anti-Nivolumab Antibody Mouse-Monoclonal
Pembrolizumab/Keytruda Anti-Pembrolizumab Antibody Mouse-Monoclonal
PD-LⅠ Atezolizumab/Tecentriq Anti-Atezolizumab Antibody Mouse-Monoclonal
Avelumab/Bavencio Anti-Avelumab Antibody Mouse-Monoclonal
RANK ligand Denosumab/Prolia Anti-Denosumab Antibody Mouse-Monoclonal
RSV F Palivizumab/Synagis Anti-Palivizumab Antibody Mouse-Monoclonal
TNF-α Adalimumab/Humira Anti-Adalimumab Antibody Mouse-Monoclonal
Etane rcept/Enbrel Anti-Etanercept Antibody Mouse-Monoclonal
Infliximab/Remicade Anti-InfIiximab Antibody Mouse-Monoclonal
VEGE-A Bevacizumab/Avastin Anti-Bevacizumab Antibody Mouse-Monoclonal
Ranibizumab/Lucentis Anti-Ranibizumab Antibody Mouse-Monoclonal

薬物動態解析ケーススタディ

薬物動態評価例

  • 下図左:フローサイトメトリーを用いた抗体薬物(DA)のRituximabとTrastuzumabの検出例
  • 下図右:フローサイトメトリーを用いたRituximabとTrastuzumabに対する抗薬物抗体(ADA)の検出例

データは、標準曲線のMFI値、LOD、および回収率を含む。

ヒト薬物抗体(DA) マウス抗薬物抗体(ADA)
Rituximab 薬物動態評価Rituximab-DA 薬物動態評価Rituximab-ADA
Trastuzumab 薬物動態評価Trastuzumab-DA 薬物動態評価Trastuzumab-ADA

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ラットADA解析例

DAを使用し、薬物投与した3つのラットグループを比較したラット抗薬物抗体モデルの例。

マウスまたは標準物質 ラット血漿試料
マウスまたは標準物質 ラット血漿試料

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薬力学(PD)解析

薬力学(PD)解析受託サービスの概要

薬物動態研究の対となる薬力学(PD)研究は、薬物が生物とどのように、またなぜ相互作用するかを明らかにすることから始まります。これらの研究は通常、生物に対する生化学的効果または生理学的効果を中心に行われます。薬物の研究によっては特定の分析が必要になる場合があり、レセプターの結合、用量反応、薬効評価研究などが含まれることもあります。

RayBiotech社は、複数のフローベースのモデルを使用し、問題の薬物/分子のレセプター占有率を決定します。遊離、占有、および総レセプターの存在比はすべて、シンプルなフローベースの方法によって決定されます。

分析項目


パラメータ 分析方法
レセプター結合 レセプター占有率(Receptor Occupancy、RO)分析
用量反応 細胞毒性分析
薬剤有効性 細胞毒性分析

レセプター占有率(Receptor Occupacy、RO)分析

3種類のRO分析フォーマットの模式図

遊離レセプター分析 占有レセプター分析 総レセプター分析
遊離レセプター分析 占有レセプター分析 総レセプター分析
レセプター占有率(Receptor Occupacy、RO)分析

同じエピトープに対して薬物と競合する蛍光体結合抗体を評価することにより、薬物が結合していないレセプターを測定します。

結合した薬物を検出する抗ヒト二次抗体または抗イディオタイプ抗体を評価することにより、薬物に結合するレセプターを測定します。

異なるエピトープに結合する非競合抗体を評価することにより、細胞上に存在する総レセプターを測定します。


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細胞毒性分析による薬力学(PD)解析の原理

フローサイトメトリーによる細胞毒性分析では、薬物治療後の標的細胞数と生存率を判定できます。治療用抗体は、がん細胞などの標的細胞の表面にある抗原に結合し、病原と闘う分子や免疫細胞を引き寄せて細胞の破壊を促進するための目印として機能します。

抗体媒介標的化のメカニズムには、抗体依存性細胞傷害(Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity 、ADCC)と抗体依存性細胞貪食(Antibody Ddependent Cell mediated Phagocytosis、ADCP)があり、どちらも免疫細胞による細胞死を直接標的とします。一方、補体依存性細胞傷害(Complement-Dependent Cytotoxicity、CDC)は、抗体と補体成分のC1qとの相互作用であり、標的自体を貫通することで補体カスケードを開始し、間接的な細胞死を引き起こします。

抗体媒介エフェクター機能の作用機序

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抗体媒介エフェクター機能の作用機序


ヒトPBMCにおけるRituximab(抗CDモノクローナル抗体)レセプター占有率分析例

ヒトPBMCを、0~100,000 ng/mlまでのさまざまな濃度のRituximabで処理した。24時間処理した後、PBMCを抗ヒトCD20抗体(Rituximabバイオシミラー)で染色した。

さまざまな濃度の抗CD20抗体のヒストグラム 未処理PBMCとRituximab処理PBMCの蛍光シグナルから計算した遊離レセプターの割合
さまざまな濃度の抗CD20抗体のヒストグラム 未処理PBMCとRituximab処理PBMCの蛍光シグナルから計算した遊離レセプターの割合

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Trastuzumab(抗HER2モノクローナル抗体)のADCCによる細胞毒性分析例

BT-474乳がん細胞 (標的細胞) をヒトPBMC (エフェクター細胞) と共培養し、細胞を10 μg/mlのTrastuzumabで処理した。24時間処理した後、細胞をAnnexin ⅤとRayBright Live (#137-08010) で染色した。

LiveマーカーとAnnexin Ⅴのドットプロット Live/DeadマーカーおよびAnnexin Ⅴの陽性率によるアポトーシス細胞
LiveマーカーとAnnexin Ⅴのドットプロット Live/DeadマーカーおよびAnnexin Ⅴの陽性率によるアポトーシス細胞

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RayBiotech社の受託サービスのご案内

この他にもRayBiotech社のさまざまな受託サービスをご利用いただけます。詳細は、下表のWeb記事タイトルをクリックしてご覧下さい。

Web記事タイトル 受託サービスの概要
Single Molecule Array(Simoa)受託サービス サンドイッチELISAよりも高感度なSingle Molecule Array(Simoa)を用いた受託サービスです。1ターゲットあたりわずか100 μlの試料量で、これまで測定が困難・不可能であった濃度のバイオマーカーの検出・測定が可能です。
マルチプレックスパネルを用いて免疫学(サイトカイン)や神経学関連のバイオマーカーの検出・測定も承ります。
アレイ測定受託サービス アレイキットまたはカスタムアレイを用いて、ご提供いただいた試料を測定する受託サービスです。アレイの種類をご指定いただくだけで、アレイ操作から測定・解析まで承る「Array Testing Service」と、アレイ操作はお客様ご自身で行っていただく「Array Scanning and Analysis Service」があります。
Quantitative プロテオミクス測定受託サービス ヒトの因子(~1,000種類)、マウスの因子(~640種類)、ラットの因子(~67種類)などをアレイベースのマルチプレックスELISA システム(Quantibody)により測定する受託サービスです。ELISAの高い特異性、感度および再現性とガラスチップアレイのハイスループット特性の両方の長所を兼ね備えており、関連する複数のバイオマーカー分子を短時間で同時検出、定量できます。
エピトープマッピング解析受託サービス 抗原上の抗体結合部位を同定するためのエピトープマッピング解析受託サービスです。RayBiotech社にて、ご希望の重複ポリペプチドをデザイン・合成し、それを固定化したガラススライドアレイを作製して、レーザースキャナーによる検出および解析を行います。診断アプリケーション、ワクチン開発、タンパク質相互作用の解析、自己免疫疾患の研究などに有用です。
抗サイトカイン抗体アレイ作製受託サービス 種々のヒト・マウス・ラットのサイトカインに対する抗体から、ご希望の抗体のみをガラススライドまたはアレイメンブレンにスポットするCytokine Antibody Arrayの受託作製サービスです。
新型コロナウイルスCOVID-19疑似ウイルスを用いたスクリーニング受託サービス 新型コロナウイルス(COVID-19, SARS-CoV-2)スパイクタンパク質を発現する疑似ウイルスを用いた、相互作用阻害物質のスクリーニング受託サービスです。


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ご注文方法/納期/価格

ご依頼の内容に応じてお見積もりします。詳細は、当社受託・特注品担当までお問い合わせ下さい。

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製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。