HOME > 受託サービス・特注品 > ゲノミクス・エピジェネティクス > 空間的遺伝子発現解析 Stereo-seq受託サービス

空間位置情報を保持した遺伝子発現プロファイルが得られます! 空間的遺伝子発現解析 Stereo-seq受託サービス

掲載日情報:2025/11/10 現在Webページ番号:72091

フナコシ /
フナコシ(株)
[メーカー略称:AZT]

Stereo-seqは、サブセルラーレベル(1細胞以下)の超高解像度の空間的遺伝子発現解析を行う手法です。直径0.22 µmという極小のDNA Nanoball(DNB)を、1センチ四方のチップ上に4億個という超高密度に配置することにより、1細胞以下の超高解像度を実現しました。また、DNBはpolyA配列またはランダム配列を捕捉する構造のため、全mRNAを検出対象としており、in situ Hybridizationなどの従来法では難しかった網羅的な発現プロファイルを取得できます。


空間的遺伝子発現解析とは

空間オミクス解析(Spatial Omics)は、空間位置情報を保持しながら組織上のオミクスデータを取得する技術により可能になります。その技術のなかでも、空間的遺伝子発現解析(Spatial Transcriptomics)は、遺伝子発現プロファイリングと免疫組織化学の空間分解能を統合することにより、組織を新たな視点から観察することができます。この技術は、細胞間の相互作用や組織の不均一性、病原性、治療への応答を調べるのに有効です。

STOmics技術による遺伝子発現プロファイリング

STOmics技術による遺伝子発現プロファイリング
本図はStereo-seqチップメーカー提供の資料より引用改変



目次に戻る

特長

  • 全工程を日本国内ラボにて実施します。ご依頼前のプロジェクトのご相談から納品後のアフターサポートまで、一貫して安心の体制で対応します。
  • 超高解像度です。220 nm径のDNBを500 nmのピッチで高密度に配置してmRNAを捕捉します。解析区画はグリッド(20BIN、200BINなど)でもCell segmentationによる細胞区画(Cell BIN)でも可能です。
  • DNBがもつpoly d(T)配列およびランダム配列でRNAを捕捉するため、全mRNAが検出対象です。あらゆる動物種で適用できます。
  • OCT包埋した凍結試料、およびホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料に対応しています。

目次に戻る

デジタル空間プロファイリングの応用例

デジタル空間プロファイリングの応用例1 ・腫瘍の不均一性、微小環境、がん幹細胞のプロファイルを解析
・腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を特定
デジタル空間プロファイリングの応用例2 ・発現プロファイルから多様な免疫細胞腫を同定
・正常時および罹病時の状態における免疫応答をプロファイリング
デジタル空間プロファイリングの応用例3 ・神経細胞や幹細胞を背景状況に応じてプロファイリング
・神経変性疾患における病理の特性を解析
デジタル空間プロファイリングの応用例4 ・正常組織や罹病組織における発現変動を多数の遺伝子について同時解析
・バイオマーカーの発見と特性解析
・治療への応答を確認

目次に戻る

サービスと解析の流れ


サービスと解析の流れ

凍結試料の場合の流れです。FFPE試料の場合は、透過処理の条件検討のステップはございません。


目次に戻る

解析例(凍結試料)

  • マウスP7 右脳 冠状面
  • 切片厚10 μm、組織サイズ約3.5×4.9 mm
  • シークエンス 1.5G PEリード
    DNBSEQ-G400、1 flow cell
  • 検出遺伝子数(各解像度での中央値)
    9,666(Bin200)、448(Bin20 -1細胞相当)
解析例

目次に戻る

納品物の概要

  • 生データFASTQ
  • Stereo-seq Analysis Workflowパイプライン出力一式
    ・解析レポート(リード数、検出遺伝子数などの統計値)
    ・StereoMapに読み込むためのファイル(遺伝子発現・クリスタリング結果など)
  • Stereopy Workflowによる出力ファイル
    ・マーカー探索など(パイプライン検証中)

目次に戻る

試料ご提出ガイドライン

  • 凍結試料の場合:専用のチップスライド(Chip PまたはChip T)に、OCT包埋凍結組織切片を10 μm厚でマウント
  • FFPE試料の場合:専用のチップスライド(Chip N)に、FFPE組織切片を10 μm厚でマウント
  • 輸送方法:凍結試料はドライアイス同梱、FFPE試料は凍結済み保冷剤同梱

包埋は指定の手順に基づきます。すでに凍結保管されている試料については原則対応できません。
ヒト、マウス以外の動物種はご相談下さい(組織タイプにより対応の可否あり)。


目次に戻る

Stereo-seqを利用した主な文献リスト

あらゆる分野、生物種で大きな研究成果を上げています。
タイトル名をクリックすると、該当論文がご覧いただけます。

筆頭著者 ジャーナル Volume/Pages/Year タイトル 研究分野 生物種 組織タイプ
Wu, L. Cell Research Vol. 33, pp. 585–603, 2023 An invasive zone in human liver cancer identified by Stereo-seq promotes hepatocellular crosstalk, local immunosuppression and tumor progression Oncology / Immunology Human Liver cancer tissue, para-tumor tissue, lymph nodes
Gong, Y. Nature Communications Vol. 16, Article 482, 2025 Stereo-seq of the prefrontal cortex in aging and Alzheimer’s disease Neurology / Neuroscience Human Prefrontal cortex (BA10 area)
Chen, A. Cell Vol. 185, pp. 1777-1792, 2022 Spatiotemporal transcriptomic atlas of mouse organogenesis using DNA nanoball-patterned arrays Developmental Biology Mouse Embryonic tissues (multiple organs during development)
Xia, K. Developmental Cell Vol. 57, pp. 1299-1310, 2022 The single-cell Stereo-seq reveals region-specific cell subtypes and transcriptome profiles in Arabidopsis leaves Plant Biology Arabidopsis thaliana Leaf tissue
Liu, C. Developmental Cell Vol. 57, pp. 1284-1298, 2022 Spatiotemporal mapping of gene expression landscapes and developmental trajectories during zebrafish embryogenesis Developmental Biology Zebrafish Embryonic tissues

目次に戻る

ご注文方法・価格

ご依頼内容に応じてお見積りをいたします。ご注文方法、お見積りなどの詳細は、当社受託・特注品担当(下記参照)までお問い合わせ下さい。


目次に戻る

関連した特集記事

NGS特集へのリンク

目次に戻る

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。