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抗体薬物複合体用PEGリンカー ADC Linker

掲載日情報:2024/07/02 現在Webページ番号:71327

Biopharma PEG Scientific社の抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate: ADC)用PEGリンカーです。ポリエチレングリコール(Polyethylene glycol; PEG)は、エチレングリコールが重合した高分子化合物で、生体物質との特異的相互作用がない(低毒性、低抗原性)などの特性があります。

本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

抗体薬物複合体(ADC)とリンカー

抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate、ADC)は、モノクローナル抗体(mAb)、細胞傷害性を有するペイロード、およびリンカーからなり、がん治療に革命を起こしつつあります。

抗体は腫瘍細胞表面のタンパク質に結合します。次いで腫瘍細胞はADCを取り込み、化学的、酵素的、生物学的プロセスによってリンカーが切り離され、低分子のペイロードを放出して腫瘍細胞を死滅させます。この治療法は、健康な細胞を傷つけることなく、殺傷作用のある薬剤をがん細胞特異的に届けます。

リンカーは、抗体と細胞傷害性ペイロードをつなぐもので、ADCに以下の特性をもたらします。

  1. 循環血中におけるADCの安定性の向上
  2. 標的組織におけるペイロードの特異的放出能力

さまざまなリンカーが開発されていますが、大別すると切断可能なリンカーと切断不可能なリンカーの2種類になります。切断可能なリンカーは反応性の部位を持ち、効率的に切断されて腫瘍内で細胞毒性ペイロードを放出することができます。承認されているADCの80%以上が切断性リンカーを採用しています。


Sacituzumab govitecan(Trodelvy)の分子構造

図. ADCであるSacituzumab govitecanは、モノクローナル抗体として抗TROP-2 mAbを含み、短いPEG鎖を有する切断可能なマレイミドリンカーを介してイリノテカンの活性代謝物である抗腫瘍性物質のSN-38と結合している。


切断可能なリンカーとは対照的に、切断不可能なリンカーの構造には反応性の部位はなく、ペイロードの一部となっています。非切断性リンカーのほとんどは、マレイミドカプロイル(MC)と4-マレイミドメチルシクロヘキサン-1-カルボキシレート(MCC)をベースにしています。最近では、PEGとアルキンやピペラジンを含む親水性の非切断性リンカーが開発されています。しかし、この新技術はまだ臨床的には成熟していません。

参考文献:
  1. Su, Z., et al., "Antibody–drug conjugates: Recent advances in linker chemistry.", Acta Pharm. Sin. B, 11(12), 3889~3907 (2021). [PMID: 35024314]
  2. Joubert, N., et al., "Antibody–Drug Conjugates: The Last Decade.", Pharmaceuticals (Basel), 13(9), 245 (2020). [PMID: 32937862]



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特長

  • 抗体とペイロード間のリンカーとしてPEGを使用することで、薬物ロード量を上げることが可能となります。
  • ADCペイロードを微小環境から包み込む保護シールドを作り、溶解性と安定性を向上させます。
  • 凝集を低減し、免疫原性を低下させます。
  • 循環血中におけるADCの安定性を向上させ、また毒性の低減をもたらします。
  • Biopharma PEG Scientific社のすべてのPEGリンカーは純度95%以上です。

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製品ラインナップ

商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。

品名 化学構造式 M.W. 商品コード
N3-PEG2-NH2 SBAの化学構造式 174.2 MD006005-2
N3-PEG4-NH2 SBAの化学構造式 262.31 MD006005-4
N3-PEG3-COOH SBAの化学構造式 247.3 MD006016-3
N3-PEG4-COOH SBAの化学構造式 291.301 MD006016-4
N3-PEG5-COOH SBAの化学構造式 335.35 MD006016-5
N3-PEG6-COOH SBAの化学構造式 379.41 MD006016-6
N3-PEG8-COOH SBAの化学構造式 467.51 MD006016-8
N3-PEG9-COOH SBAの化学構造式 511.56 MD006016-9
N3-PEG3-SPA SBAの化学構造式 344.3 MD006025-3
OH-PEG8-OH SBAの化学構造式 370.436 MD002002-8
OH-PEG9-OH SBAの化学構造式 414.488 MD002002-9


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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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