環状RNAをカスタム合成する受託サービス Circular RNA(CircRNA)Synthesis Service
掲載日情報:2024/05/09 現在Webページ番号:71308
独自のCircRNA IVT(In vitro Transcription)製造技術を利用し、環状RNA(CircRNA)を合成する受託合成サービスです。 環状RNAは、RNAの5'末端と3'末端が共有結合して閉じたループを形成する一本鎖RNAです。RNAの環状構造は、mRNAとしての安定性の向上や発現持続時間の延長など、複数の長所があります。
※ GenScript社のGenCircle dsDNA(dsDNA)合成サービスはこちらを、mRNA合成サービスはこちらをご覧下さい。
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GenScript社の環状RNAの長所

独自の環状RNAを発現するベクターの使用と精製方法により、高い環化効率と純度を実現しました。

通常の直鎖状mRNAと比較して、mRNAの安定性が向上し、タンパク質の発現持続時間が長くなりました。

従来のCap 1構造を有する直鎖状mRNAと比較して免疫原性が低いです。
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サービスの概要
コドン/UTRの最適化 | 遺伝子合成 | クローニング/ プラスミド合成 |
CircRNAの合成 |
● タンパク質発現のためのコドン最適化を、あらゆる遺伝子に対して実施いたします。 | ● 100 bp ~ 4 kbの遺伝子インサートを合成可能です。 | ● in vitro転写システムにすぐに使用できる直鎖化プラスミドDNAを調製します。 | ● 独自のRNA環状化プロセスを用いています。 |
● コドン最適化は200以上の因子についてスクリーニング済みです(特許取得済み)。 | ● 品質管理(QC)チェックを行います。 |
* オプションで脂質ナノ粒子(LNP)への環状RNAの内包化も可能です。
その他の特長
- インサート配列長:100 bp ~ 4 Kb
- 合成スケール:200 μg~10 mg
- 純度:80%以上の純度を保証(HPLC精製)
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サービスのワークフロー
Ⅰ. ORFおよびIRESの情報をご連絡下さい
T7プロモーター、PIE、IRES、ORFを含む環状RNAを発現するベクターをデザインします。
※
PIEおよびIRESについてはFAQのQ-4、Q-5をご確認下さい。
Ⅱ. 遺伝子合成からプラスミド調製まで
GenScript社の統合ワークフローは、ご依頼の環状RNAを合成するためのすべての前提条件に対応します。
Ⅲ. IVTによる環状RNA合成
μgからmgオーダーの環状RNAを合成し、RP-HPLCによる高度な精製と品質管理(QC)チェックを行います。
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品質管理の項目、試験方法と規格
品質管理(QC)項目については、標準、アップグレードの2種からご選択いただけます。
カテゴリー | 項目 | 試験方法 | 規格 | QCの対応項目 | |
---|---|---|---|---|---|
標準 | アップグレード | ||||
同定 | 外観 | 目視検査 | 透明で異物がないこと | ◎ | ◎ |
RNAの長さ | アガロースゲル電気泳動 | 予想されるサイズのバンドの検出 | ◎ | ◎ | |
環状であることの確認 | RNase R分解試験 | RNase Rにより分解されない | × | ◎ | |
RNA含有量 | UV吸収率 | 目標 ± 5% | ◎ | ◎ | |
pH | pHメーター | 目標 ± 0.5 | ◎ | ◎ | |
バッファーの仕様 | お客様のご指定による ※ FAQのQ-10を ご参照下さい |
― | ◎ | ◎ | |
純度 | A260/A280 比 | UV分光光度計 | 1.70~2.30 | ◎ | ◎ |
HPLCによる純度検定 | HPLC | ≧ 80% | × | ◎ | |
不純物 | 総タンパク質残留量 | NanoOrangeによる検出 | ≦ 1% | × | ◎ |
プラスミドDNA残留量 | qPCR | ≦ 0.1% | × | ◎ | |
安全性 | エンドトキシン | 半定量的 | < 10 EU/mg | ◎ | ◎ |
定量的 | < 10EU/mg | × | ◎ | ||
残留微生物 | 直接接種法 | 48時間後で生育なし | × | ◎ |
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使用例
環状RNAは、直鎖状RNAと比べ安定性が高く、タンパク質収量も高い
環状eGFP-RNA(非修飾)と直鎖状eGFP-mRNA(N1-me-pseUで100%修飾)を、それぞれ等モル量でA549細胞にトランスフェクトした。コードRNA量をqPCRで、GFPの蛍光強度をフローサイトメトリーで測定した。環状RNAは、IVTで作製した直鎖状mRNAと比較して安定性が高く分解が遅いこと、並びにタンパク質発現量が高く発現持続時間が長いことが示された。
環状RNAは、直鎖状RNAと比べ免疫原性が低い

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A549 Dual cells(InvivoGen, Inc.)に、図中に示したRNAをそれぞれトランスフェクトし、6時間後に各自の測定キットに記載の方法に従いIL-6およびINF-αの放出と、NF-κbの活性化を指標に炎症経路の活性化を検討した。Cap 1(直鎖状RNA、█)と比べ、GS-Cir(環状RNA、█)はサイトカイン放出量およびNF-κB活性化の程度が低いことが示された。
GenScript社の環状RNAは、既存法で調製した環状RNAよりもタンパク質の発現レベルが高い

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Wesselhoeftらの方法*で調製されたmRNAおよび環状RNAよりも、GenScript社の環状RNAは高い初期発現量および累積発現量を示した。A549細胞に、環状RNAとeGFPをコードするmRNAをトランスフェクトした。環状RNAは、GenScript社の方法あるいは論文に掲載された方法を用いて調製した。トランスフェクション後、最長6日間にわたりフローサイトメトリーにより蛍光強度を解析した(各時点で1条件につき10,000細胞を解析)。A549細胞のダブリングタイム=22時間。
* Wesselhoeft, R.A., et al., "Engineering circular RNA for potent and stable translation in eukaryotic cells.", Nat. Commun., 9(1), 2629 (2018). [PMID: 29980667]
GenScript社の環状RNAは、既存法で調製した環状RNAと比較して初期発現量および累積発現量が高い

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A549細胞あるいはHEK293細胞に、上記のWesselhoeftらの方法によるeGFPをコードする環状RNA(Pub)、あるいはGenScript社のeGFPをコードする環状RNA(GS)をトランスフェクトした。eGFPの蛍光強度はフローサイトメトリーで解析した。縦軸は蛍光強度を、横軸は左側から順にモック、Pub_EGFP 環状RNA(粗精製)、Pub_EGFP 環状RNA(HPLC精製)、GS_EGFP(粗精製)、GS_EGFP(HPLC精製)を示す。
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環状RNA合成サービスに関するFAQ
環状RNAについて
Q-2. 環状RNAと直鎖状mRNAの重要な構造上の違いは何ですか?
A-2. 直鎖状mRNAは5'末端と3'末端の両端を有し、通常は5' CAP、5' UTR、3' UTR、およびポリAテールを持ちます。 Q-3. 環状RNAはどのような用途に使用できますか?
一方、環状RNAは5'末端と3'末端の結合により、閉じたループを形成しています。通常、リボソームをリクルートするためにRNA配列中にIRESを含める必要があります。環状形成にPIE(Permuted Intron-Exon、自発的な環状化方法)を利用する場合、最終的なRNA配列中にエクソンとリンカーを含む「scar(余分な配列)」を含みます。
A-3. 環状RNAは、疾患診断用のバイオマーカー、または治療用の次世代mRNAとしての使用が期待されていますが、医薬品開発はまだ発展段階です。
GenScript社の環状RNA合成受託サービスについて
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ご注文方法/価格
ご依頼の内容に応じてお見積りいたします。詳細は、当社受託・特注品担当までお問合せ下さい。
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