オフ・ザ・シェルフのヒトiPS細胞由来シュワン細胞前駆体 RealSCP（Schwann Cell Precursor）

RealSCPは、ヒトiPS細胞（hiPSC）由来のシュワン細胞前駆体（Schwann cell precursor、SCP）です。このRealSCPは、ヒトiPS細胞由来の感覚ニューロンや運動ニューロンと共培養すると1週間以内に整列し、成熟につれて髄鞘（ミエリン）マーカーを発現します。糖尿病性神経障害やシャルコー・マリー・トゥース病などの疾患研究に有望なモデルを作製できます。

※ ヒトiPS細胞由来の感覚神経細胞「RealDRG」は、「ヒトiPS細胞由来の感覚神経細胞と成熟化培地」をご覧下さい。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

分化後2週間にわたるRealSCPの成熟過程の位相画像
5,000 cells/cm²のRealSCPを播種した。RealSCPは時間経過とともに成熟したシュワン細胞に特徴的な双極性形態を示した。
スケールバー：20 μm

※ Anatomic社のヒトiPS細胞由来のシュワン細胞前駆体を培養する場合は、コート用細胞外基質としてiMatrix-511 silk（（株）マトリクソーム）の使用を推奨しています。

RealSCPの集団は、成熟0日目（in vitroでの培養9日目）と成熟7日目（in vitroでの培養16日目）のいずれにおいてもヒト初代シュワン細胞と同様のクラスター形成を示した。

白矢印：単一のRealSCP、黒矢印：単一の末梢神経細胞、赤矢印：整列したRealSCPと末梢神経細胞。スケールバー：100 μm

スケールバー：100 μm

in vitroでのRealSCPと感覚ニューロンの共培養により髄鞘（ミエリン）が形成された。

シュワン細胞の発達と成熟に関連する主要遺伝子（発達：SOX10、S100b、Oct6、成熟：P0、MBP、PMP22、Krox20）について、qPCRで経時的に発現解析を行った。

5,000 cells/cm²の密度で播種したRealSCPに各種化合物を1週間添加し、細胞形態と増殖量の違いを観察した（上段：免疫細胞染色像、下段：位相差画像）。この結果は、ヒトiPS細胞由来SCPのシュワン細胞への成熟を促進する化合物のスクリーニングに有用であることを示している。スケールバー：200 μm

RealSCPと運動ニューロンを最適な比率でプレーティングし、自発的な神経活動の差を分析した。
A：運動ニューロンの播種から2週間後のラスタープロットは、運動ニューロン単独と比較して共培養条件下でのベースライン活動の増加を示した。
B～D：活性電極の割合、MFRおよびwMFRの定量化。共培養条件下では、活性電極の数と発火率で示されるように活動が増加した。
E：最適なMEA培地に交換後、24時間の培養ではインタースパイク間隔（ISI）で示されるように、バーストスパイク活動が増加した。

P0（myelin protein zero）とTUJ1（β-3 tubulin）の共発現が認められ、RealSCPが成熟し髄鞘（ミエリン）を形成している。

RealDRGとRealSCPの共培養（左）およびRealMOTOとRealSCPの共培養（右）の詳細・操作手順は、以下のクイックガイドをご確認下さい。各画像をクリックすると、PDFをダウンロードいただけます。

RealSCPと運動ニューロンの共培養用培地（MotoSCP-MM）。