各種グリカンをガラススライドにスポットしたアレイ 糖鎖マイクロアレイシリーズ（Z Biotech社）

炭水化物は、遊離オリゴ糖、糖脂質、糖タンパク質、その他の複合糖質の形で、事実上すべての生命に存在します。グリカンとして知られる炭水化物のサブセットは、病因、液性免疫、HIVグリカンの遮蔽などのさまざまな生物学的事象に関与しています。また糖鎖は、がん免疫療法の治療標的としても機能します。グリカンを介した細胞シグナル伝達は複雑であり、多くの場合において多価結合です。

特定のグリカン結合タンパク質（GBP、Glycan-binding protein）には、複数の結合部位があると考えられており、それぞれが独自の特異性と結合親和性を持っています。GBPは、外部GBPと内部GBPの2つのカテゴリに分類できます。
植物レクチンなどの外部GBPは、さまざまな生物由来の哺乳動物のグリカンを認識できます。一方、シグレック（siglecs）などの内部GBPは、同じ生物由来の哺乳動物のグリカンを認識します。

糖鎖マイクロアレイ技術は、糖鎖とGBP間の結合相互作用を評価するために開発されました。これによってグリカン結合特異性の包括的な情報を提供しています。

Z biotech社は、GBPの結合特異性を決定するためにグリカンマイクロアレイを開発しました。この技術は、自家蛍光が最小限に抑えられた超高品質のスライドガラスを独自の特許取得済みの基質でコーティングし、表面にグリカンを固定化します。天然由来または化学／酵素合成された個々のグリカンを、基質に共有結合させてマイクロアレイを作製しています。

結合アッセイ中、活性基質を抑制する独自のブロッキングバッファーを使用してアレイをブロッキングします。次に、GBPをアレイに添加し、その後GBPの結合を捕捉するために、検出試薬（蛍光標識抗体など）を添加します。最後に、蛍光シグナルを相対蛍光単位（RFU）で定量化します。また、さまざまなバイオインフォマティクスソフトウェアツールを使用してデータを分析することにより、GBPの結合特異性を決定することができます。