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ATCC® Immune Checkpoint Reporter Cell Lines
免疫チェックポイント研究に有用なレポーター細胞株 ATCC® Immune Checkpoint Reporter Cell Lines
掲載日情報:2024/03/15 現在Webページ番号:70844
PD-L1、CD-155およびB7-H3(B7 homolog 3 protein)などのがんに対する免疫チェックポイント標的因子の内因性発現が高い腫瘍および免疫細胞株にルシフェラーゼレポーターシステムを導入した細胞株です。ブロッキングアッセイや共培養細胞ベースの高度な薬物スクリーニングアッセイに有用です。
※ ルシフェラーゼを構成的(恒常的)に発現し、in vivo腫瘍モデル研究に有用なATCC®のルシフェラーゼ発現レポーター細胞株については☞ Luciferase-expressing Reporter Cell Linesをご覧下さい。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
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免疫チェックポイント阻害物質とルシフェラーゼレポーター細胞の開発
免疫チェックポイント阻害物質研究における課題
さまざまな種類のがんの治療における免疫チェックポイント阻害物質の成功や、市場における免疫チェックポイント阻害物質の持続的な成長によって、この分野のさらなる開発に対する関心が高まっています。一方で、免疫学的モデルの本質的な複雑さ、また異なるがんの種類間での薬物反応のばらつきは、最も大きな課題となっています。
免疫チェックポイント標的化ルシフェラーゼレポーター細胞の開発
ATCC®は、大規模な研究プロジェクトと免疫チェックポイント阻害物質の創薬研究を支援するために確立された新規免疫チェックポイント分子のいくつかについて、ヒト腫瘍および免疫細胞株をまとめた膨大なポートフォリオの包括的なタンパク質プロファイリングを実施しました。そして、このタンパク質プロファイリングデータに基づいて、内因性免疫チェックポイント分子リガンド(PD-L1、CD155およびB7-H3)を高発現する免疫チェックポイントレポーターがん細胞株を作成しました。レポーターシステムには、ルシフェラーゼ遺伝子の上流にINF-γ活性化部位(GAS)応答エレメントが含まれており、免疫チェックポイント分子のリガンドがT細胞媒介抗腫瘍活性を抑制するレセプターに結合することにより、ルシフェラーゼの発現が抑制されます。
まず、IFN-γ-IFN-γR JAK-STAT GAS-Luc2レポーターシステム用いて固形腫瘍細胞株を作製しました。このシステムでは、固形腫瘍細胞の殺傷プロセスにおける活性化CD8+細胞傷害性T細胞からのIFN-γ活性経路が確立されています(上図参照)。そして、固形腫瘍細胞と細胞傷害性T細胞の堅牢なレポーターアッセイシステムを構築し、50以上の細胞株でチェックポイントタンパク質のプロファイリングを実施しました。次にそのプロテオミクスの結果に基づいて、PD-L1免疫チェックポイント阻害物質の高い内因性発現を有するHCC827細胞株(ATCC® CRL-2868™)を選択しました。
免疫チェックポイント標的化ルシフェラーゼレポーター細胞の利点
免疫チェックポイント阻害物質の存在下において、ルシフェラーゼ発現に基づく生物発光シグナルが生成されます。このシグナルを検出および定量することによって阻害物質の有効性、効力、動態を簡便に評価することができます。検証の結果、活性化されたCD8+細胞傷害性T細胞からのシグナル伝達を模倣するIFN-γの刺激に応答して、レポーターがん細胞の用量依存的な生物発光は約100~250倍の増加を示しました。また生物発光は、CD8+初代T細胞馴化培地による刺激に応答して約50~100倍の増加を示しました。特に、抗PD-L1ブロッキング抗体の存在下でのCD8+初代T細胞との共培養では、PD-L1レポーター細胞株からのルシフェラーゼシグナルは用量依存的に最大5倍の増加が観察されました。
ルシフェラーゼ発現および内因性免疫チェックポイント分子リガンド発現は、細胞株が30以上の倍加レベルに達した後も良好に維持されました。これらの結果から、免疫チェックポイント阻害物質によって引き起こされるT細胞媒介免疫応答の評価において、レポーターシステムの堅牢性と応答性を確認することができました。また、これらの免疫チェックポイントレポーターがん細胞株は、人工的な免疫チェックポイントリガンド過剰発現系を用いた同様のアッセイと比較して、優れたin vitroおよびex vivoアッセイの感度と再現性が得られました。そのため、免疫チェックポイント分子リガンドの適切な生理学的発現により、複雑な免疫学的モデルの簡素化が可能になると言えます。
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製品ラインナップ
細胞名をクリックするとメーカーサイトで製品の詳細、商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
細胞名 | ATCC® No. | 関連疾病名 | バイオマーカー | 誘導物質 | 応答エレメント | 製品概要 |
---|---|---|---|---|---|---|
HCC827-GAS-Luc2 | CRL-2868-GAS-LUC2™ | 腺がん | PD-L1 | IFNγ | GAS | PD-L1を高発現するルシフェラーゼレポーター細胞株。IFN-γ誘導性GASシグナル伝達経路の活性のモニタリングに有用。 |
SUP-T1 NFAT-Luc2 | CRL-1942-NFAT-LUC2™ | リンパ腫 | PD-1 | PMA Ionomycin |
NFAT | PD-1を高発現するルシフェラーゼレポーター細胞株。NFAT誘導性IFNγシグナル伝達経路の活性のモニタリングに有用。 |
MG-63-GAS-Luc2 | CRL-1427-GAS-LUC2™ | 骨肉腫 | CD-155 | IFNγ | GAS | CD-155を高発現するルシフェラーゼレポーター細胞株。IFN-γ誘導性GASシグナル伝達経路の活性のモニタリングに有用。 |
NCI-H1650-GAS-Luc2 | CRL-5883-GAS-LUC2™ | 腺がん | B7-H3 | IFNγ | GAS | B7-H3を高発現するルシフェラーゼレポーター細胞株。IFN-γ誘導性GASシグナル伝達経路の活性のモニタリングに有用。 |
SUP-T1 [VB]-NFAT-Luc2 | CRL-1942-NFAT-LUC2™ | リンパ芽球性リンパ腫 | PD-1 | PD-1 |
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特長
- ルシフェラーゼ遺伝子の上流にIFN-γ活性化部位(GAS)応答エレメントを有しており、IFN-γ刺激後に50倍以上のルシフェラーゼが誘導されます。
- in vitroおよびex vivoアッセイにおいて優れた感度と再現性が得られます。
- 共培養では、最大5倍のルシフェラーゼを誘導できます。
- 30回以上の倍化においても、安定したルシフェラーゼの発現を確認しています。
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使用例
HCC827-GAS-Luc2細胞株の評価
C、D. ☞ HCC827-GAS-Luc2細胞のチェックポイント阻害物質レポーター細胞株としての能力を、初代ヒトCD8+細胞傷害性T細胞共培養によって評価した。
HCC827-GAS-Luc2細胞を50 μl (1.0×104 細胞/ウェル) で 96ウェルプレートに添加した。細胞に、5つの異なる濃度(0、1、10、100または1,000 ng/ml)のPD-L1中和抗体(InvivoGen社)またはアイソタイプコントロール(InvivoGen社)を添加した。15分間のインキュベーション後、初代ヒトCD8+細胞傷害性T細胞を比率1:1(図C)または1:10(図D)でそれぞれがん細胞に添加した。共培養の細胞を5%CO2中で、37℃でそれぞれ24時間(図C)または2時間(図D)インキュベーションを行った後、ルシフェラーゼアッセイにより評価した。
SUP-T1 NFAT-Luc2細胞株の評価
in vitroにおけるPMAおよびIonomycinによるNFAT応答エレメントの活性
SUP-T1細胞株(1.0×104 cellsまたは1.0×105 cells)にPMA(50 ng/ml)とIonomycin(10 μg/ml)を添加し、6時間後にルシフェラーゼシグナル強度を測定した。
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技術資料
各画像をクリックすると、それぞれの資料(pdf)をご覧いただけます。
動画 免疫チェックポイント ルシフェラーゼレポーター細胞のアクション
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ウェビナー動画
Immune Checkpoint Reporter Cell Line Based on the Protein Profiling of ATCC® Cell Line for Cancer Immunotherapy Drug Screening
演者
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ご注文方法
ご注文は☞ 専用の分譲依頼書または☞ オンラインオーダーフォームをご利用下さい。
ATCC®製品は、ご所属の研究機関・企業でATCC® Material Transfer Agreement(MTA)にご同意いただいた上で、ご所属部門でユーザー登録書(New Account Application)を提出いただいたお客様が分譲のご依頼・ご購入いただくことができます。
MTAの締結・ユーザー登録の詳細につきましては、☞ こちらをご覧下さい。
※MTAの締結・ユーザー登録がされていない場合、専用注文書/オンラインオーダーフォームをご提出いただいても、ご注文を受け付けることはできませんので、ご了承下さい。
※ ご注文方法及びMTA締結・ユーザー登録についてのお問い合わせはフナコシ(株)☞ ATCC®製品担当(受託・特注品担当)までご連絡下さい。
© 2024 American Type Culture Collection. The ATCC trademark and trade name, and any other trademarks listed in this publication are trademarks owned by the American Type Culture Collection unless indicated otherwise. R&D Systems is a trademark of Bio-Techne Corporation. InvivoGen is a trademark of InvivoGen. Gibco is a trademark of Thermo Fisher Scientific. Miltenyi Biotec is a trademark of Miltenyi Biotec B.V. & Co. KG.
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製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
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