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Anti-Globotetraosylceramide (Gb4Cer), Mouse-Mono (PA5)
標的糖脂質のみに極めて高い特異性を持つ新規モノクローナル抗体 Anti-Globotetraosylceramide (Gb4Cer), Mouse-Mono (PA5)
掲載日情報:2024/02/28 現在Webページ番号:70684
フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]
抗グロボテトラオシルセラミド抗体(クローンPA5)は、スフィンゴ糖脂質の一種であるグロボテトラオシルセラミド(Globotetraosylceramide, Gb4Cer)を特異的に認識するIgM抗体です。
※ 本製品は国立研究開発法人 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 奥田 徹哉 博士の研究成果を元にフナコシ(株)が製品化し、販売しています。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
免疫細胞染色によるHeLa細胞株の染色像
クローンPA5またはアイソタイプコントロールIgM抗体を一次抗体として用い、Alexa 488を標識した二次抗体を用いて検出を行った。クローンPA5を用いた場合(上段)は細胞表層が蛍光染色されるのに対し、コントロール抗体を用いた場合(下段)には蛍光は検出されなかった。この結果から、クローンPA5が細胞表層に発現する抗原を特異的に認識できていることが分かる。
左:明視野顕微鏡像、中央:蛍光顕微鏡像、右:合成像
※ Okuda, T., et al. (2022) より改変して引用。
追加しました。
グロボテトラオシルセラミド(Gb4Cer)について
クローンPA5が標的としているGb4Cerはスフィンゴ糖脂質と呼ばれる、セラミド(Ceramide, Cer)に単糖あるいは糖鎖が付加した構造を持つ糖脂質の一種です。スフィンゴ糖脂質はその構造によっていくつかのグループに分類されますが、Gb4Cerはそれらの中でグロボ系(Globo-series)と呼ばれるサブクラスに属しています。Gb4Cerは細胞内での4段階の酵素反応により、セラミド→グルコシルセラミド(Glucosylceramide, GlcCer)→ラクトシルセラミド(Lactosylceramide, LacCer)→グロボトリアオシルセラミド(Globotriaosylceramide, Gb3Cer)→Gb4Cerへと順次単糖が付加されることで合成されます。
図. Gb4Cerの合成経路
Gb4Cerはヒト赤血球の主要な糖脂質であり、血液型P抗原として知られています。また、炎症性サイトカインであるTNF-αが血管内皮細胞において、極長鎖型脂肪酸をセラミド骨格に含むGb4Cerの発現を誘導することも報告されています。Gb4CerはTLR4を介したエンドトキシン応答におけるシグナル制御やパルボウイルスB19の感染受容体としての機能、大腸菌や赤痢菌が産生する志賀毒素の受容体としての機能など、感染応答に関与することが報告されています。加えて、近年の研究では骨芽細胞の増殖作用や歯上皮細胞のエナメル芽細胞への分化促進作用があることも報告されており、多様な生理機能に影響を及ぼしていることが明らかになりつつあります。このように、Gb4Cerは研究対象として興味深い分子ですが、その解析手法は質量分析や薄層クロマトグラフィーといった化学分析的な方法が主流でした。より簡便なイムノアッセイ解析には、Gb4Cerを認識するモノクローナル抗体が必要ですが、市販されているものはこれまでありませんでした。論文では数種類の抗体が報告されていますが、これらは免疫染色には利用できないなど、用途が限られています。
産業技術総合研究所の奥田博士は標的糖鎖の免疫原性を高めることで効率よく抗糖鎖抗体を作製する新たな手法を開発し、新規抗グロボテトラオシルセラミド抗体(クローンPA5)の作製に成功しました。クローンPA5は、Gb4Cerに対して極めて高い特異性を示し、前駆体や類似構造に対しては反応しません。免疫細胞染色、TLCイムノブロット、フローサイトメトリーに使用でき、糖鎖解析をより容易にするツールとして有用です。
追加しました。
特長
- Gb4Cerに対して極めて高い特異性を示し、前駆体や類似構造に対しては反応しません。
- 免疫細胞染色、TLCイムノブロット、フローサイトメトリーに使用可能です。
追加しました。
抗体の情報
品名(クローン名) | Anti-Globotetraosylceramide (Gb4Cer), Mouse-Mono (PA5) |
---|---|
商品コード | FDV-0047 |
抗体種 | マウスモノクローナル抗体 |
抗原 | ヒト赤血球由来Gb4Cer |
エピトープ | GalNAcβ1, 3Galα1, 4Galβ1, 4GlcCer |
サブタイプ | IgM(κ) |
性状 | 精製品(0.5 mg/ml)、溶解バッファー:PBS |
適用 | TLC immunoblot、IC、FCM |
特異性 | Gb4Cerに対して非常に高い特異性を示し、前駆体や類似構造は認識しない。 |
※ 略号 Mono:Monoclonal、IC:免疫細胞染色、FCM:フローサイトメトリー
追加しました。
原著文献
- Okuda, T., “PUGNAc treatment provokes globotetraosylceramide accumulation in human umbilical vein endothelial cells.” Biochem. Biophys. Res. Commun., 487(1), 76~82 (2017). [doi: 10.1016/j.bbrc.2017.04.019] [PMID:28392398]
- Okuda, T., “Data on immunoglobulin G antibodies induced by immunization of mice with globoside carrying very long-chain fatty acids.”, Data Brief, 19, 256~260 (2018). [doi: 10.1016/j.dib.2018.05.014] [PMID:29892643]
- Okuda, T., “Isolation and characterization of antibodies induced by immunization with TNF-α inducible globotetraosylceramide.”, Int. J. Mol. Sci., 21(10), 3632 (2020). [doi:10.3390/ijms21103632] [PMID:32455599]
- Okuda, T., et al., "Purification of anti-glycoconjugate monoclonal antibodies using newly developed porous zirconia particles.", Sci. Rep., 11(1), 3233 (2021). [doi:10.1038/s41598-021-82457-0] [PMID:33564002]
- Okuda, T., et al., "A zirconia-based column chromatography system optimized for the purification of IgM from hybridoma culture supernatants.", Anal. Biochem., 657, 114900 (2022). [doi:10.1016/j.ab.2022.114900] [PMID:36122604]
追加しました。
検証例
■PA5抗体の抗原特異性の検定
各種糖脂質をコーティングしたマイクロプレートを用いたELISA法により、クローンPA5(青:ハイブリドーマ培養上清、オレンジ:精製抗体)の抗原特異性を検定した。その結果、Gb4Cerをコーティングしたウェルにおいてのみ、有意なシグナルが検出された。クローンPA5がGb4Cerに対して極めて高い特異性を持ち、前駆体のGb3Cerや類似構造を認識しないことが分かる。
※ Okuda, T., et al. (2021) より改変して引用。
表. 検定で用いた糖脂質の構造
抗原名 | 糖脂質の構造 |
---|---|
LacCer | Galβ1, 4GlcCer |
Gb3Cer | Galα1, 4Galβ1, 4GlcCer |
Gb4Cer | GalNAcβ1, 3Galα1, 4Galβ1, 4GlcCer |
Gg3Cer | GalNAcβ1, 4Galβ1, 4GlcCer |
Gg4Cer | Galβ1, 3GalNAcβ1, 4Galβ1, 4GlcCer |
GM1 | Galβ1, 3GalNAcβ1, 4(Siaα2,3)Galβ1, 4GlcCer |
GM2 | GalNAcβ1, 4(Siaα2,3)Galβ1, 4GlcCer |
GM3 | Siaα2, 3Galβ1, 4GlcCer |
■ELISA法によるクローンPA5と抗原の反応曲線
抗原としてGb4Cerをコーティングしたプレートを用いて、クローンPA5の希釈系列を用いて抗体活性検定を行った。その結果、クローンPA5の濃度に比例してより強いシグナルが検出された。
※ Okuda, T., et al. (2021) より改変して引用。
■TLC-イムノブロットによる抗原の検出
スフィンゴ糖脂質試料を、クロロホルム/メタノール/水(60:35:8, v/v/v)からなる溶媒系を用いてHPTLCプレート上で分離し、オルシノール硫酸(左パネル)またはPA5(右パネル)によって検出した。PA5による染色ではGb4Cerのみが検出されており、PA5がGb4Cerに対して高い特異性を持つことが分かる。
※ Okuda, T., et al. (2022) より引用。
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価格
[在庫・価格 :2024年12月12日 00時01分現在]
詳細 | 商品名 |
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文献数 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Anti-Globotetraosylceramide(Gb4Cer), Mouse-Mono(PA5) |
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[在庫・価格 :2024年12月12日 00時01分現在]
Anti-Globotetraosylceramide(Gb4Cer), Mouse-Mono(PA5)
文献数: 0
- 商品コード:FDV-0047
- メーカー:FNA
- 包装:50μg
- 価格:¥70,000
- 在庫:2個
- 納期:1週間程度 ※※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。
- 法規制等:
説明文 | スフィンゴ糖脂質の一種であるグロボテトラオシルセラミド(Globotetraosylceramide, Gb4Cer)を特異的に認識するマウスモノクローナル抗体。 クローン:PA5 |
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法規制等 | |||
保存条件 | -20℃ | 法規備考 | |
抗原種 | 免疫動物 | Mouse | |
交差性 | 適用 | FCM,IC,TLC immunoblot | |
標識 | Unlabeled | 性状 | Purified |
吸収処理 | クラス | IgM | |
クロナリティ | Monoclonal | フォーマット | |
掲載カタログ |
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製品記事 | Anti-CDw75, Mouse-Mono (クローンFR9) |
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Anti-CDw75, Mouse-Mono(FR9) |
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0 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[在庫・価格 :2024年12月12日 00時01分現在]
Anti-CDw75, Mouse-Mono(FR9)
文献数: 0
- 商品コード:FDV-0046
- メーカー:FNA
- 包装:100μg
- 価格:¥70,000
- 在庫:3個以上
- 納期:1週間程度 ※※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。
- 法規制等:
説明文 | 糖タンパク質のN-結合型糖鎖や糖脂質の糖鎖構造として知られるCDw75 (Neu5Acα2,6Galβ1,4GlcNAc) を特異的に認識するマウスモノクローナル抗体。 クローン:FR9 |
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法規制等 | |||
保存条件 | -20℃ | 法規備考 | |
抗原種 | 免疫動物 | Mouse | |
交差性 | 適用 | FCM,IC,Western Blot | |
標識 | Unlabeled | 性状 | Purified |
吸収処理 | クラス | IgM | |
クロナリティ | Monoclonal | フォーマット | |
掲載カタログ |
ニュース2023年12月1日号 p.28
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製品記事 | Anti-CDw75, Mouse-Mono (クローンFR9) |
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