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免疫アッセイの非特異的結合や夾雑物による干渉を抑制するバッファー LowCross-Buffer

掲載日情報:2021/08/05 現在Webページ番号:70081

ELISAやイムノブロッティングなどの免疫アッセイにおける抗体の非特異的結合、交差反応およびマトリックス干渉を最小化し、検出感度や信頼性を向上することができる試料や抗体の希釈用バッファーです。

CANDOR Bioscience社のその他のイムノアッセイ用バッファーについてはこちらをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

ELISAでの感度の比較

LowCross-Buffer製品外観

特長

  • リン酸塩を含まない調製済みのバッファーで、試料や抗体の希釈バッファーとして使用できます。
  • 抗体の非特異的結合、マトリックス干渉による悪影響、および抗体の低~中程度の親和性による交差反応を最小化します。
  • 血清や血漿試料由来のマトリックス効果を減少し、測定物質の検出には影響を及ぼさないため、検出感度および信頼性を向上することができます。
  • Ready-to-useで、そのまま希釈用バッファーとして使用できます*
  • pH:7.2±0.2
  • 保存料:<0.0014%(w/w) [CMIT/MIT(3:1)の反応質量換算の含有率]

ELISAおよびタンパク質アレイでは、1:2またはそれ以上に希釈して使用することができます。標準試料と試料は、厳密に同じ希釈率で処理する必要があります。一次抗体および二次抗体の希釈に使用する場合は、抗体の製品データシートの推奨希釈率に従って、希釈率を決定して下さい。
本製品はアッセイバッファーとして使用可能ですが、ELISAのウェルやメンブレンなどの表面は別にブロッキング試薬で処理する必要があります。ブロッキング試薬には、The Blocking Solution(#110050/50 ml、#110125/125 ml、#110500/500 ml)のご使用をお勧めします。

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用途

  • ELISA:試料および検出用抗体の希釈
  • 免疫組織染色:一次抗体、二次抗体の希釈
  • ウェスタンブロッティング:一次抗体、二次抗体の希釈
  • タンパク質アレイ:試料および検出用抗体の希釈
  • 洗浄バッファーとしても使用できます。特にイムノPCRなどの困難なアッセイや干渉の影響を受けやすいアッセイには有用です。

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比較例

ELISA

感度の向上

ELISAでの感度の比較

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本製品不使用(左)の場合に比べて、使用した場合(右)では、測定範囲が拡大し、さらにLOD:0.051→0.022、LOQ:0.152→0.065へと低減し、感度の向上を確認した。免疫前血清における交差反応の排除とバックグラウンドの低下が確認できる。

  • A~G:抗原コート(1:50~1:36,450)
  • H:免疫前血清

偽陽性の削減

偽陽性の削減

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本製品不使用(上)の場合のコントロールウェル(A1~A12)とブランクウェル(H1~H12)において偽陽性のウェルの存在が観察されたが、本製品使用(下)の場合では偽陽性はほとんど確認できなかった。

Dr. Ch. Specht(PARA BioScience社、グローナウ)提供

CV(%)の低減

CV(%)の低減

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PBS/BSA Tween(左)と本製品(右)を使用し、ヒト血漿の干渉をCV(%)で比較した(n=96、全測定範囲を通して決定した)。本製品を使用した場合、干渉効果の抑制によるCVの大幅な低減が観察された。このため、FDA(米国食品医薬品局)が、"Guidance for Industry-Bioanalytical Method Validationで規定している、正確性および精度が最大15%の基準を満たすことができた。
Dr. P. Rauch(CANDOR Bioscience社)提供

バックグラウンドの低減

バックグラウンドの低減

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AP標識検出用抗体を使用した場合、試料なしでは捕捉用抗体と非特異的かつ直接的に結合する(左)。本製品を用いることにより非特異的な結合を抑制し、アッセイのバックグラウンドが大幅に低減した(右)。両図は、試料を添加しないブランク値を示している。
M. Braun, PhD. H.-P. Wendel(胸部、心臓、血管外科クリニック,テュービンゲン大学病院研究所)提供

マトリックス効果の排除

マトリックス効果の排除

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ウサギ血清中のCRP(C-reactive protein)の検出におけるマトリックス効果を示した。血漿中のマトリックスタンパク質は、測定試料であるCRPをマスクする。本製品を使用により、測定試料のマスクを除き、感度と検出限界は3倍に向上することがわかる。
A. Zellmer, Dr. P. Rauch(CANDOR Bioscience社)提供

Protein Array

バックグラウンドの低減

Protein Array

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本製品を不使用(左)または使用(右)してスライド上に複数の測定試料に対する抗体をスポットし、それぞれのS/N比を測定した。本製品の不使用の場合のS/N比が3.42に対して、使用した場合のS/N比は17.26となり、著しい向上が見られた。
Dipl. Chem. N. Dankbar(ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学)提供

ウェスタンブロッティング

非特異的結合の抑制

ウェスタンブロッティング

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本製品(左)またはTTBS (右)を使用し、サイトケラチン4、5、および6をウェスタンブロッティングで分析し、非特異的な結合と交差反応を検出した。本製品を使用した場合では、予想されるバンドが明確に検出された。


  • Lane 1、1':肝細胞ライセート
  • Lane 2、2':HeLa細胞ライセート

Dr. D. Sperling (MACHEREY-NAGEL社, ドイツ・デューレン)提供

イムノPCR

非特異的結合の抑制(Lane 5~7)

イムノPCR

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本製品を不使用(左)または使用 (右)し、Staphylococcus属由来のエンテロトキシンAをイムノPCRを用いて検出した。本製品を使用した場合、不使用の場合に見られた非特異的な結合による偽陽性の結果は完全に低減された。


A. Fischer, PhD. K. Becker(医療微生物学研究所, ミュンスター大学病院、ドイツ)提供

HAMA-ELISA

HAMA(Human Anti-Mouse Antibodies)およびRF由来の干渉に対する本製品の有効性を確認するために、市販のHAMAおよびRF陽性のヒト血液試料(in. vent diagnostica社、ドイツ)を試料として、本製品を不使用(左)または使用した場合(右)において、HAMA-ELISA Kit(Medac社、ドイツ、CE認証済み)でHAMA血清およびRF由来の干渉を定量した。

HAMAによる干渉の抑制

HAMAによる干渉の抑制

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リウマチ因子(RF)による干渉の抑制

リウマチ因子(RF)に対する活性

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HAMA陽性ヒト血清パネル

HAMAは、マウスの免疫グロブリンを認識するヒト抗体で、測定において偽陽性や偽陰性の要因となる。
HAMAによる干渉に対する本製品の有効性を確認するために、in.vent diagnostica社(ドイツ)とScantibodies社(米国)のHAMA陽性ヒト血液血清パネルを試料として用いた。下図では、HAMA-ELISAで陽性と判定された血清試料のデータのみを示しているが、本製品を使用して効果を示さなかったHAMA陽性血清はなかった。本製品により、HAMA陽性試料の干渉をバックグラウンドレベル(<40 ng/ml、HAMA ELISAマニュアルに基づく指標)にまで低減した。

CV(%)の低減

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FAQ

Q-1. LowCross-Buffer固有の効能は何ですか?

A-1. LowCross-Bufferは、イムノアッセイ(ELISA、ウエスタンブロッティング、タンパク質アレイ、およびイムノPCRなど)用に新しく開発されたサンプルバッファーです。非特異的結合、交差反応性、およびマトリックス効果などによる干渉の低減に有用です。抗体-抗原間の高い親和性結合は悪影響を受けませんが、交差などの抗体の不要な結合は抑制されます。


Q-2. どうしてLowCross-Bufferはマトリックス効果を低減できるのですか?

A-2. マトリックス効果のほとんどは、マトリックス成分(ヒト血清試料からの血清タンパク質など)の分析物または抗体への望ましくない低~中程度の親和性結合が原因となります。測定物質がタンパク質または試料の他の成分によってマスクされると、抗体は測定物質に結合できません。また、抗体がマトリックス成分でマスクされることもあります。LowCross-Bufferは、この抗体のマスキングを低減します。


Q-3. LowCross-Bufferをどのように使用すべきですか?

A-3. それは干渉の状況によります。非特異的結合または交差反応性が検出抗体に由来する場合は、検出抗体をLowCross-Bufferで希釈することをお勧めします。


Q-4. LowCross-Bufferを希釈する必要はありますか?

A-4. いいえ。LowCross-Bufferは、Ready-to-useでそのまま使用できます。試料または検出抗体は、直接希釈します。競合法、および免疫組織化学の一部のアプリケーションで使用する場合のみ、LowCross-Bufferを水または生理学的バッファーで希釈することが有用です。この場合は、最適混合比をご自身で前もって試験を行い、決定して下さい。


Q-5. LowCross-Bufferはモノクローナル抗体やポリクローナル抗体とともに使用できますか?

A-5. はい。しかし、ポリクローナル抗体を使用する場合、親和性の異なる多くの抗体からなるポリクローナル抗体の組成に注意する必要があります。LowCross-Bufferは、高い親和性結合のみを許容しますが、低~中程度の親和性の結合は低減します。したがって、LowCross-Bufferを使用するにあたりポリクローナル検出抗体の濃度を適度に上げる必要がある場合があります。抗体濃度の増加は高い親和性の抗体濃度も増加させますが、LowCross-Bufferは低~中程度の親和性の抗体の結合を阻害します。アッセイにおいて、抗体濃度を上げる必要があるかどうかは、抗体の品質に依存します。


Q-6. バッファー組成は、酵素的な検出の呈色反応に影響を及ぼしますか?

A-6. LowCross-Bufferは、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼの酵素活性に悪影響を及ぼしません。標識された検出用抗体をLowCross-Bufferでインキュベートすることにより、酵素活性の増加が見られる場合があります。


Q-7. サンドイッチELISAでHRP標識二次抗体を使用する際に高いバックグラウンドが出てしまいます。その理由とLowCross-Bufferが改善に役立つか教えて下さい。

A-7. 二次抗体が他の哺乳動物種の他の抗体に対して前もって吸着されているかどうかを知ることは重要です。ウサギIgGに対する二次抗体は、マウスやヤギなどの他の動物種の抗体に対して精製されていない場合、それらの動物種のIgGと高い親和性で交差反応することがあります。その原因は、哺乳類の抗体の高い配列相同性です。二次抗体は精製(前もっての吸着)がなされていないことが多いため、高い親和性で交差反応します。この場合は、LowCross-Bufferでは改善できません。二次抗体を捕捉用抗体と交差反応しない事前に吸着された抗体に変更する必要があります。


Q-8. タンパク質アレイにおいて蛍光色素とともにLowCross-Bufferを使用できますか?

A-8. はい。タンパク質アレイにおいて、ポジティブな結果が出ています。いくつかの適用においてシアン色素(Cy5, Cy3, Oysterなど)を使用する場合、蛍光の増加が観察される可能性があります。


Q-9. LowCross-Bufferは何回くらい凍結および融解できますか?

A-9. 数回凍結、融解を行っても問題ありません。しかし、使用前に十分に混合することが重要です。


Q-10. ウエスタンブロッティングのメンブレンやELISAプレートなどの表面において、ブロッキング溶液をLowCross-Bufferに変更することは可能ですか?

A-10. いいえ。LowCross-Bufferは表面のブロッキングバッファーではなく、試料や抗体の希釈用バッファーです。ブロッキングには、The Blocking Solution(#110050/50 ml、#110125/125 ml、#110500/500 ml)のご使用をお勧めします。これは、従来のブロッキング試薬よりもはるかに優れています。

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(テクニカルサポート 試薬担当)

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