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長鎖脂肪酸取り込みおよび阻害物質のスクリーニングに有用です! QuantiChrom Fatty Acid Uptake Assay Kit

掲載日情報:2021/07/06 現在Webページ番号:70061

脂肪細胞や他の脂肪酸輸送細胞への長鎖脂肪酸の取り込みを蛍光法により安全、迅速かつ高感度で定量する細胞ベースのアッセイキットです。脂肪酸の輸送におけるリガンドや薬物の影響の評価にも有用です。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

測定例

3T3-L1細胞における脂肪酸取り込みの測定

3T3 L-1細胞を60,000 cells/wellで播種し、飢餓状態でプロトコルに従って処理した。マウス線維芽細胞3T3-L1細胞は、インスリンによって脂肪細胞に分化する。

測定例A

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160 nMインスリン、および競合物質である30μMの2-ブロモパルミテートの非存在下、および存在下での分化および未分化の3T3-L1活性

測定例B

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インスリンにより分化した3T3-L1由来脂肪細胞の脂肪酸取り込みの増加

測定例C

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2-ブロモパルミチン酸の脂肪酸輸送阻害曲線

30分間のプレインキュベーションの代わりに、Working reagentと一緒に阻害物質を添加した。

測定例D

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フロレチンの脂肪酸輸送阻害曲線

阻害物質は、実験前に30分間インキュベートした。

キット品バナー

BioAssay Systems社 アッセイキット Metabolism Research Kitシリーズ Obesity Diabete Research Kits
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BioAssay Systems社では、2018年1月1日より緑化推進のために製品へのプロトコルの添付を廃止しました。各製品のプロトコルについては、BioAssay Systems社ホームページよりダウンロードしてご利用下さい。

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長鎖脂肪酸とは

長鎖脂肪酸(LCFA、Long Chain fatty Acid)は、β 酸化の基質として動物にとって重要な燃料源であり、多くの異なる細胞構造の構成要素として機能します。非エステル化長鎖脂肪酸(uLFCA、Unesterified Long-chain Fatty Acids)は、膜輸送タンパク質を使用して細胞に輸送されます。糖尿病、肥満関連疾患、心血管疾患、および特定の形態のがんにおいては、細胞内のuLCFAレベルの上昇が一般的に見られます。したがって、脂肪酸の取り込みは、代謝障害の治療の重要な標的となっており、代謝研究において注視されています。

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測定原理

本アッセイは、脂肪酸トランスポータータンパク質によって取り込まれて細胞内に蓄積する、蛍光脂肪酸アナログを使用します。培地中の細胞外蛍光シグナルを阻害するために、蛍光消光試薬(Quench reagent)を加えます。接着細胞は脂肪酸アナログを取り込むので、蛍光光度計により励起 488 nm/蛍光 523 nmでその蛍光シグナルの増加を測定します。このハイスループットアッセイは、細胞内の脂肪酸の取り込み活性の評価、および活性化因子または阻害因子のスクリーニングにも使用できます。

長鎖脂肪酸の取り込みアッセイの原理

長鎖脂肪酸の取り込みアッセイの原理

  • A:培養(飢餓または処理細胞)
  • B:基質およびQuenching reagentをウェルに加える。
  • C:細胞は基質を取り込むが、Quenching reagentは取り込まない。
  • D:蛍光シグナルの増加を測定する。

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特長

  • 試薬を加えて、生じる蛍光を蛍光プレートリーダーで測定するだけの簡単な操作です。
  • 洗浄、細胞の溶解、および染色操作は不要です。
  • アッセイフォーマット:96 ウェルプレート
  • 測定動物種:全動物種
  • 測定試料:脂肪細胞や他の脂肪酸輸送細胞
  • 測定方法:蛍光
  • 測定波長:励起 488 nm/蛍光 523 nm
  • アッセイ数:100 tests

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操作方法概略

アッセイ方法

細胞の処理

  1. 透明平底96 well黒色マイクロプレートに3T3-L1細胞 5~8×104/200μlを播種する。37℃で4時間、または一晩、細胞培養用インキュベーター中でインキュベートする*
  2. 培地200μlを取り除き、90μlの無血清培地を加えて細胞を1時間飢餓状態にし、代謝需要を増やす。
  3. 試験物質10μlを飢餓培地に加え、設定した温度と時間でインキュベートする(例:37℃で30分間)。処理液と同じ溶媒(10%DMSOなど)を10μl含むコントロールグループ、および細胞を播種しない培地のみのブランクを別途用意する。

アッセイと同日に播種する場合、ポリ-D-リジンなどの接着促進ポリマーとともに播種することをお勧めします。ウェルに必要な細胞数は、細胞のサイズによって異なります。脂肪酸の代謝需要や、細胞株が異なれば必要な細胞量も異なります。


Working reagentの添加と測定

  1. 製品データシートに従ってWorking reagentを調製し、ウェルに加える前に37℃で10分間加温する。
  2. ウェルから無血清培地を取り除き、Working reagent 100μlを細胞に加える。
  3. 37℃で60分間、蛍光シグナルをEx 488/Em 523 nmで測定する。その際、プレート底面測定モードに設定する。60分後の測定値(F60)を用いる。

これらの波長が利用できない場合、励起波長は470~495 nm、蛍光波長は500~550 nmとすることができます。カイネティック測定モードで1~5分毎に測定することをお勧めします。

阻害物質のスクリーニング

  1. 細胞を播種し、37℃で4時間インキュベートする。培地を除去し、無血清培地90μlを加えて1時間インキュベートする。
  2. 最終濃度の×10濃度の阻害物質溶液を調製する。ウェルに10μlを加えて、ウェル内の阻害物質濃度を×1とする。コントロールとして、試験化合物を溶媒(10%DMSOなど)に溶解した溶液10μlをコントロールウェルに加える。37℃で30分間インキュベートする。
  3. マルチチャンネルピペッターを用いてWorking reagentを加え、37℃で60分間、Ex 488/Em 523の蛍光シグナルを測定する。

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キット内容

  • Assay buffer
  • Substrate
  • Quench reagent

キットには、透明平底96 well黒色マイクロプレートは含まれていません。別途ご用意下さい。測定には蛍光マイクロプレートリーダーが必要です。

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FAQ

Q-1. このキットはどのような細胞に使用できますか?

A-1. このキットは3T3-L1分化細胞で開発されたもので、他の細胞株では試験されていません。ただし接着性があり、脂肪酸を取り込むことができる細胞株もこのキットで使用できます。浮遊細胞株は本キットに使用できません。推奨の播種量(5~8 x104 cells/ml)は細胞株によって異なることにご注意下さい。


Q-2. 前夜に分化した3T3-L1細胞を播種する代わりに、2週間に渡ってプレートウェルの細胞を分化させる論文がいくつかあります。この方法を採用できますか?

A-2. この方法は試験していませんが、理論的には機能するはずです。ただし、ウェルによって取り込みが低くなり分化が少ない可能性があり、これが試験化合物に起因すると誤認する場合もあるため、ウェルあたりの細胞数を正規化する必要があります。


Q-3. 細胞の保存のため96 wellプレートではなく384 wellプレートでアッセイを行いたいと思いますが、このアッセイは384 wellプレートで使用できますか?

A-3. 384 wellプレートでのアッセイは試験していませんが、使用できる可能性はあります。推奨される細胞量は1/4にする必要があるため、ウェルあたり50,000~80,000個の3T3-L1細胞の代わりにウェルあたり12,500~20,000個の細胞を使用する必要があります。試薬も1/4にする必要があるため、0.25μlの基質、2μlのQuench reagent、および25.25μlのアッセイバッファーを使用し、25μlのWorking reagentを試料に加えて下さい。



Q-4. このアッセイで、底面が不透明の96 wellプレートを使用できますか?

A-4. いいえ。本アッセイは、取り込まれた基質からの蛍光の増加を読み取ることによって機能しますが、これはプレートの下部(細胞が付着している場所)からのみ見ることができます。



Q-5. 485/515 nmの励起フィルターはないので、代わりとなる蛍光光度計の設定条件を教えて下さい。

A-5. 励起フィルターは470~500 nmの範囲で、発光フィルターは500~560 nmの範囲で設定できます。フィルターを485/515 nmの以外に設定すると、蛍光強度が低下することにご注意下さい。



Q-6. 試験を数日かけて実行したいと思います。試薬を数回の凍結融解を繰り返しても大丈夫ですか?

A-6. アッセイバッファーは問題ありません。Quench ReagentとSubstrateは感度が高いため、繰り返しの凍結融解を防ぐため、いくつかのマイクロ遠心チューブに分注し、チューブをアルミホイルで覆うことをお勧めします。



Q-7. インスリンで分化した3T3-L1脂肪細胞を使用しましたが、製品データシートのプロトコルに示されているものとは異なる結果が出ています。結果が一致しないのはなぜですか?

A-7. 3T3-L1脂肪細胞は、脂肪酸取り込みタンパク質を発現するために分化する必要があります。そのため、プロトコルに使用されている細胞とは異なるレベルの分化が起こる可能性があります。プロトコルに掲載されたグラフは、キットがどのように機能し、キットを使用して脂肪酸摂取の変化を追跡する方法の一例として掲載されています。


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関連製品

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品名 商品コード 測定試料 測定方法 測定波長 製品概要
EnzyChrom Free Fatty Acid Assay Kit EFFA-100 血清、血漿、尿、唾液、牛乳、培養細胞上清、食品、農作物など 比色 570 nm 試料中の遊離脂肪酸を比色法または蛍光法により簡便、迅速かつ高感度で測定するキットです。
蛍光 励起 530 nm
/蛍光 585 nm
QuantiFluo Cholesterol Uptake Assay Kit DCUT-100 接着細胞 蛍光 励起 485 nm
/蛍光 535 nm
細胞に取り込まれたコレステロール(Cholesterol)の量を、蛍光法により簡便かつハイスループットに定量するキットです。接着細胞によるコレステロールの取り込み、コレステロール取り込み阻害物質のスクリーニング、およびコレステロール取り込みに対する薬物効果の評価に有用です。


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価格

[在庫・価格 :2024年03月30日 00時00分現在]

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納期 文献数
QuantiChrom Fatty Acid Uptake Assay Kit
10日程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ

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QuantiChrom Fatty Acid Uptake Assay Kit

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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