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TR-FRET法による細胞内リン酸化タンパク質検出キット THUNDER TR-FRET Cell Signaling Assay Kit

掲載日情報:2020/12/18 現在Webページ番号:69736

細胞内のリン酸化タンパク質をTR-FRET法によって検出するキットです。 洗浄や分離ステップ不要、低バックグラウンド、高感度なアッセイが可能なため、ハイスループットスクリーニング(HTS)、ELISAおよびウェスタンブロッティングの代替法として使用できます。厳格な検証実験をクリアした高品質な製品です。

BioAuxilium社のTR-FRET法によるサイトカイン測定キットは、THUNDER TR-FRET Cytokine Assay Kitをご覧下さい。
BioAuxilium社の詳細は、フナコシニュース連載企画「FRONTIERS」 細胞内リン酸化タンパク質検出キット(BioAuxilium 社)をご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

TR-FRET法とは

Time-resolved Förster resonance energy transfer(TR-FRET)法は、蛍光共鳴エネルギー移動(Förster Resonance Energy Transfer:FRET)法と時間分解蛍光測定(Time-Resolved Fluorescence:TRF)法を組み合わせた測定方法です。タンパク質間相互作用の解析に用いられています。

原理

ターゲットタンパク質に対するエピトープの異なる2種類の抗体に、蛍光寿命が非常に長い蛍光物質であるユーロピウム(Eu)と近赤外の蛍光物質(far-red fluorophore:FR)がそれぞれ標識されています(下図.右)。試料中にターゲットが存在すると、二種類の抗体はターゲットに結合することで近接します。ドナーの蛍光波長がアクセプターの励起波長に近い場合、ドナーからの光エネルギーを利用してアクセプターが蛍光を発するFRET現象(下図.左)が生じます。ドナー(ユーロピウム)の励起波長で励起し、アクセプター(FR)の蛍光波長を測定することで、ドナーとアクセプターが近接した状態にあるかどうかを判定できます(下図.右)。

FRETおよびTR-FRETの原理図

TR-FRET法に用いられるユーロピウムをはじめとしたランタノイドは、蛍光寿命が非常に長い蛍光物質です。通常の蛍光が消失した後でも蛍光強度を測定することができます(下図.青線:Donor long-lived fluorescence)。この特長を利用したランタノイドキレートによる時間分解蛍光測定では、化合物やタンパク質、アクセプターの蛍光が消光した後に測定を開始することにより、バックグラウンドの影響を最小限に抑えた高感度な蛍光測定が可能となります(下図)。

TR-FRETに使用されるランタノイドの長い蛍光寿命

このFRET法とTRF法の二つの原理を組み合わせたテクノロジーがTR-FRET法です。TR-FRET法を用いたアッセイは、短時間かつ高感度で、洗浄・分離操作が不要であることからハイスループットの実験や基礎研究・薬理研究分野においてELISAや Western Blottingに代替可能な検出法として使用され始めています。


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THUNDER TR-FRET Cell Signaling Assay Kitの特長

  • 細胞ライセートに試薬を添加するのみの簡便な操作
  • 洗浄や分離操作不要
  • バックグラウンドが低く、高S / B比、高感度
    S / B比:singal / background比=アッセイ系の精度を表す指標
  • 偽陽性率が低い
  • シグナルが長時間安定
  • ハイスループットスクリーニングに最適

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製品ラインナップ

各ターゲットタンパク質検出キットに対してPhospho、Total、Phospho+Totalを測定する3種類の製品があります。またキットサイズは、PhosphoもしくはTotalの検出キットは100アッセイ、500アッセイ、2,500アッセイ、5,000アッセイ、10,000アッセイの5サイズ、Phospho+Total検出キットについては500アッセイ(Phospho:400アッセイ、Total:100アッセイ)の1サイズです。
1アッセイは1ウェル分に相当します。

ターゲットAssay Point商品コード
Phospho100KIT-xxxxP-100
500KIT-xxxxP-500
2,500KIT-xxxxP-2500
5,000KIT-xxxxP-5000
10,000KIT-xxxxP-10000
Total100KIT-xxxxT-100
500KIT-xxxxT-500
2,500KIT-xxxxT-2500
5,000KIT-xxxxT-5000
10,000KIT-xxxxT-10000
Phospho+Total500
(400 Phospho+100 Total)
KIT-xxxxPT-500

xxxxは因子により異なります。

ターゲット因子

ターゲット因子をクリックすると価格表が確認できます。

4EBP1 AKT pan BAD CREB
EGFR eIF2α eIF4E ERK1/2
GAPDH GSK3β Insulin Receptor β JNK1/2/3
MEK1 Met NF-Κb p38 MAPK
p38α MAPK14 p53 p70 S6K Ribosomal Protein S6
SLP-76 SMAD2 SRC STAT3
STAT5 STAT6

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THUNDER TR-FRET Cell Signaling Assay Kitが選ばれる理由

  • 最適なキットコンポーネント
    • 慎重に検証された抗体ペア
    • 最適なドナー/アクセプター蛍光色素分子
  • 厳格な検証
    • すべての製品は、活性化された細胞のライセートで検証されています。
    • テクニカルデータシートには検証データが含まれています。
  • ロット間の一貫性
    • キットは自社で開発・検証されています。
    • 新ロットはロット間の一貫性を確認するため旧ロットと比較しています。

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3分でわかるTHUNDER TR-FRET Cell Signaling Assay Kit


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アプリケーション例

リン酸化インスリン受容体量

B細胞におけるリン酸化インスリンレセプターβ(Y1150 / Y1151)の測定
インスリンレセプターに対するアゴニスト(インスリン)とアンタゴニスト(S961)でB細胞を刺激し、リン酸化インスリンレセプターβ(Y1150 / Y1151)を測定測定した。


リン酸化AKTとトータルAKT量

PDGFで刺激をしたNIH3T3細胞におけるリン酸化AKTとトータルAKTの測定


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他社製品との比較

リン酸化AKTとトータルAKT量

EGF刺激によるHEK293細胞内のリン酸化ERK1/2の測定
他社製品と比較してアッセイ系の精度を表す指標:S / B(singal / background)比が高い
赤:BioAuxilium社
青:他社製品

その他の比較データは、「A DIRECT COMPARISON OF THUNDER ASSAY PERFORMANCE WITH TWO EXISTING TR-FRET PLATFORMS」をご確認下さい。


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アッセイワークフロー

すべての製品について以下の3ステップで簡単に測定ができます。また、アッセイは2プレートプロトコル(培養用プレートと検出用プレートを分けて行う)、1プレートプロトコル(すべての工程を一つのプレートで行う)のどちらにも対応可能です

  • STEP1:Cell treatment(5分~一晩)
    • 細胞の播種
    • 細胞処理(刺激/阻害剤など)
  • STEP2:Cell lysis(30分)
    • キットに付属するLysis bufferで細胞を溶解
  • STEP3:Protein detection(60分~一晩)
    • キットの抗体を添加しインキュベート
    • 検出
アッセイワークフロー

2プレートアッセイ

  • 1:培養用プレート
    • →細胞播種、処理、溶解
    • →2の検出用プレートに移す
  • 2:検出用プレート
    • →抗体添加
    • →インキュベート
    • →検出
2プレートアッセイ

1プレートアッセイ

  • 1:検出用プレート
    • →細胞播種、処理、溶解
    • →抗体添加
    • →インキュベート
    • →検出
1プレートアッセイ

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キット内容

  • ユーロピウム標識抗体
  • 近赤外蛍光分子標識抗体
  • Lysis buffer
  • Detection buffer
  • Positive control lysate
  • Phosphatase inhibitor cocktail

別途、検出用のプレート(96 wellもしくは384 well)等が必要です。詳細はUSER MANUAL(MATERIALS REQUIRED BUT NOT SUPPLIED)をご確認下さい。
測定にはTR-FRETの測定が可能なプレートリーダーが必要です。プレートリーダーについてはCompatible Microplate Readersをご確認下さい。


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Check it out!

THUNDER TR-FRET Cytokine Assay Kit

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。