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新しいバイオコンジュゲーションのプラットフォームを提供します(AlphaThera社)

掲載日情報:2017/01/13 現在Webページ番号:69352

Frontiers

Vol.79 新しいバイオコンジュゲーションのプラットフォーム

#AbdrewTsourkas

左からJoseph Iwasyk 氏(Operations / Business Development)、Feifan Yu 博士(Director of Research)と今回お話を伺ったAndrew Tsourkas 博士(共同創業者の一人)

AlphaThera 社は、アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアに拠点を置く抗体標識試薬を製造・販売しているメーカーです。バイオコンジュゲーション反応において、「簡便性」と「高い再現性」の抗体標識を目指して日々商品開発に取り組んでいます。今回は共同創業者の一人、Andrew Tsourkas博士からお話を伺いました。
AlphaThera社が開発した新しい抗体標識試薬oYo-Link(オヨリンク)は、部位(Fc領域)特異的な抗体標識を可能にし、わずか30秒の操作で2時間以内にお持ちの抗体を標識できる次世代抗体標識技術を提供します。標識した抗体は、高感度ELISA、細胞傷害アッセイ、クリックケミストリー、シングルセル解析などのさまざまなアプリケーションに対応しており、世界中の研究者の方からご好評いただいています。


oYo-Linkの詳しい製品情報はこちら↓↓


AlphaThera社のはじまり

私達AlphaThera社の始まりは、ペンシルベニア大学(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)バイオエンジニアリング学科の私(Andrew Tsourkas博士)が主宰する研究室でした。抗体標識の方法は昔から確立されていましたが、従来の方法では、アッセイやドラックデリバリーにおいて、抗体の性能に悪影響を及ぼす可能性があることから、新しい抗体標識方法が必要だと私たちは考えていました。そこで、当時私の研究室の学生であったJames Hui博士(もう1人のAlphaThera社共同創業者)と一緒に新しい抗体標識方法の開発に取り組み始めました。
その後Hui 博士らが2015年に発表した論文「LASIC:Light Activated Site-Specific Conjugation of Native IgGs」(PMID:26057140)に基づき、タンパク質工学の専門知識を活かした「光反応性リンカー分子を用いた抗体標識」という新しいアプローチを開発するために、私たちは研究者を増員して取り組みました。
そして2016年、ついにoYo-Linkの元となる新しい抗体標識法の開発に成功しました。


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oYo-Linkの発展とこれから

AlphaThera社はこの技術をさらに改良し、oYo-Linkとして製品化しました。 研究開発メンバーたちにより、製品および関連アプリケーションごとにoYo-Linkの有効性を検証し続け、研究者のさまざまなアプリケーションへのニーズに応えた対応が可能になりました。現在では15 種類以上の製品の開発に成功しています。こうしたAlphaThera社の野心的な研究者たちとマーケティングの力に支えられて半年間の間に新規顧客が急増し、私達のビジネスは新たな段階へと移行することができました。 AlphaThera社は、ペンシルベニア大学の研究室で研究開発を続ける一方、oYo-Link技術の新しいアプリケーションの検証も引き続き行っています。今後も世界中のお客様に標識試薬を提供し、信頼される抗体標識キットの開発を目指していきます。



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oYo-Linkの名前の由来

oYo-Link という名前は、oYo-Linkで標識された抗体が「oYo」という文字に似ていることに由来しています。AlphaThera社の創業チームは、創業間もない頃に自分達の技術を説明するため、色々とアイデアを出し合った中から、この名前を採用しました。 oYo-Linkは、低分子量(約8kDa)の高親和性抗体結合ドメイン(+光架橋側鎖+標識物)からなり、光照射によって定常領域(Fc)に光架橋され、抗体結合ドメインは各々の重鎖(Y)に1つずつ(o、o)共有結合します。

absolute antibody

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バイオ医薬品、特に抗体-薬物複合体(ADC)について、従来製品に対するoYo-Linkの強み

不確実性を最小限に抑えた、均一で部位特異的な標識

oYo-Linkによる部位特異的標識は、結合部位を正確にコントロールできるため、均一なADCを作製します。部位特異的標識により、薬物は常にFc領域に結合し、その他の結合可能領域に影響を受けません。さらにこの結合は、1抗体あたり1~2薬物と いう明確な薬物抗体比となるため、予測可能な有効性と毒性プロファイルを持つ一貫したADCを生み出すことができます。

余分な薬物の精製が不要

抗体と結合していない薬物結合のoYo-Linkは、細胞に対して毒性を示しません。そのため、抗体結合後の精製は不要であり、そのまま細胞傷害アッセイに移行することができます。これにより、ADCのプロトタイピングにかかる時間が大幅に短縮され、ハイスループット実験に柔軟に対応できるようになります。

抗体使用量の削減

oYo-Link ADC標識試薬は、わずか1 μgの抗体でも標識できるため、1回の実験に使用する抗体と薬物の量が少量で済み、より多くの実験を行うことができます。これによりコストを削減し、よりハイスループットなスクリーニングを可能にします。

SDS-PAGE で標識抗体を簡単に確認することが可能

oYo-Linkは、8 kDaの小さな光反応性抗体結合ドメインからなり、UV照射により抗体の重鎖を部位特異的に共有結合で標識します。光架橋されると、抗体重鎖の分子量がわずかに増加しますが、SDS-PAGE上ではこれを顕著な上方シフトとして容易に検出することができます。


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AlphaThera 社とフナコシ

日本の研究者に効果的にアプローチするため、フナコシ(株)を通じてAlphaThera社の製品を販売できることを嬉しく思っています。フナコシ(株)が日本でoYo-Link製品を紹介して以来、多くの日本の研究者の方に関心を持っていただきました。我々は、oYo-Linkの部位特異的結合技術を提供し、様々なアッセイの改良に貢献できることを楽しみにしています。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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