特別なノウハウ不要!画期的な細胞収縮力測定ツール(Forcyte Biotechnologies社)
掲載日情報:2020/05/15 現在Webページ番号:69324
Vol. 57 特別なノウハウ不要!画期的な細胞収縮力測定ツール
Forcyte Biotechnologies社は、UCLA(米国)Di Carlo 研究室が開発したFLECS(Fluorescent Elastomeric Contractible Surfaces)技術を活用し、単一細胞レベルでの収縮力を測定するプレート(FLECSplate)を開発・製造しています。製品化までのお話と今後の展望について伺いました。
Forcyte Biotechnologies 社のメンバー
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Forcyte Biotechnologies 社について
Forcyte Biotechnologies社は、細胞の収縮力をハイスループットに定量できる標準的なマイクロプレートベースのアッセイを提供しています。 この製品によって、細胞のメカノバイオロジー研究および関連する疾患に対する新しい治療法の 早期発見・開発を簡単に行うことができます。このアッセイの特長は、特別なノウハウを要せず操作できることと単一細胞の収縮力の測定をハイスループットの系で迅速化、自動化、標準化ができることです。
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製品開発の背景
喘息、高血圧、線維症、早産、がん転移はすべて、細胞の収縮力が調節できなくなること(機械的疾患)によって引き起こされます。しかし、細胞の収縮力に関連した研究やその治療法に関する研究は、実験ツール不足のため困難でした。ほとんどの研究者は機能的観点よりも分子メカニズムの観点から研究してきました。
私たちはこの技術的課題に着目し、すべての研究者や製薬会社が、標準プロトコルによって、簡易的かつ時間をかけることなく細胞の収縮力を分析できるツールの開発に着手しました。
従来の細胞収縮力の測定法では、2つの課題がありました。
①細胞の収縮力の正確な定量化が難しい。
②異なる実験間のデータを比較できない。
従来の測定法では、柔らかい素材上の細胞の張力を定量化するという方法がとられていました。しかしこの方法では、細胞の接着や伸展をコントロールすることができず、実験間で大きなばらつきがあったため、データの取得・比較が困難でした。2013年、UCLAにいたForcyte Biotechnologies社の創設者は、これまで不可能であった柔らかいフィルム上に数百万の均一な蛍光標識済み接着因子をプリントする方法を開発しました。この方法により、細胞の接着や伸展をコントロールすることが初めて可能となり、細胞の収縮力を接着因子のサイズの変化として客観的に測定することができるようになりました。この技術を製品化したのがFLECSplateです。
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ユニークな分析技術
この革新的な技術は、細胞が接着した蛍光標識済みの接着因子を調べ、コンピュー ターアルゴリズムを使用してそのサイズを評価するというとてもシンプルなもので す。蛍光の接着因子のサイズが小さくなるということは、細胞がより大きく収縮し ていることを示します。細胞が接着していない接着因子は、コントロールとして用 います。これにより、数百万の細胞をイメージベースで簡単に分析できます。 |
現在の製品は、1 つの細胞が接着するように設計された小さなマイクロパターンを使用しており、単一細胞レベルの収縮力の解析に 焦点を当てています。将来は、組織レベルの細胞収縮の研究を可能にするため、微小組織が接着できる大きなマイクロパターンを プリントした製品を開発する予定です。
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