脂質や酵素類の検出／骨組織などの免疫染色標本を作製 凍結切片標本／非脱灰凍結切片標本作製受託サービス

凍結切片標本
Oil red O染色（ラット肝臓　脂肪肝）

非脱灰凍結切片標本
Oil red O染色（両生類　骨）

凍結切片標本

脂肪染色、ATPase、NADH, 酵素染色など、通常の固定・包埋・薄切を行うと検出できないような脂質や酵素類の検出などに用います。薄切に使用する器機をクリオスタットといいます。凍結切片、特にATPase染色などは、pHで敏感に染色性が変化するため、解剖後の凍結保存(OCTコンパウンド）するまでの迅速な凍結包埋(液体窒素は不可）がその後の標本作製に影響してきます

凍結非脱灰標本(川本法）

これまで骨組織など脱脂・脱灰後パラフィン切片で染色を行うことが主流でした。しかしながら抗体によっては、脱灰液が原因で免疫染色がうまくいかないことが多々ありました。凍結非脱灰標本作製法により、未固定の骨など脱灰液を使用することなく、免疫染色標本作製を行うことが可能になりました。
骨などの硬い組織・有機溶媒に通したくない組織に有効です。抗原性が低い抗体、および皮下組織に埋植した硬い物質（骨レベルの硬さまで）などに適用できます。欠点は、パラフィン切片での染色に対し、凍結非脱灰標本は質が落ちます(切片の厚さは厚くなります）。細胞の発現は確認できますが、形態的な発現の特定はやや困難です。
凍結非脱灰標本での作製は、骨以外にも大動物の眼球など、パラフィン切片ではなく凍結切片でないと作製できない条件（蛍光物質を投与など）で実施されることもあります。