m6A（N6-メチルアデノシン）測定キット CELL BIOLABS社 N6-Methyladenosine(m6A) Assay Kit

m6A（N⁶-メチルアデノシン）は、ほとんどの真核生物や一部のウイルスのRNA（またはきわめて低レベルのDNA）で見られるヌクレオチド修飾の一つで、tRNA、rRNA、小核RNA(snRNA)およびいくつかの長鎖ノンコーディングRNA（lncRNA）にも見られます。アデノシンのメチル化は、SAM（s-アデノシルメチオニン）結合サブユニットとしてMETTL3を含む大きなm6Aメチルトランスフェラーゼ複合体によって誘導されます。

最近の研究によって、METTL14、WTAP（Wilms tumor 1 associated protein）およびKIAA1429など、哺乳動物におけるm6Aメチルトランスフェラーゼ複合体以外の重要な成分が明らかにされています。m6Aは、胃の前立腺がん、乳がん、膵臓がん、腎臓がん、中皮腫、肉腫、白血病など、多種のがんとの関連性が確認されています。低酸素状態におけるALKBH5活性の増加は、がん幹細胞数を増加させます。一方で、METTL3レベルの減少は、がん細胞のアポトーシスを引き起こし、またがん細胞の浸潤性を減少させます。別のm6Aメチルトランスフェラーゼ複合体メンバーであるZC3H13をノックダウンすると、結腸直腸がん細胞の増殖が大きく阻害されます。

m6Aはウイルスの感染性にも影響し、SV40、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ラウス肉腫ウイルスおよびインフルエンザウイルスなどのRNAウイルスのゲノムRNAには、m6Aのメチル化が含まれています。m6Aの調節因子は、ヒト免疫不全ウイルス（HIV）、C型肝炎ウイルス（HCV）およびジカウイルス（ZIKV）などのRNAウイルスの感染や複製効率を制御します。m6Aおよびその同族因子は、ウイルスのライフサイクルや宿主-ウイルス間相互作用の調節において重要な役割を果たしています。

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