フローサイトメーターによるヒト精液の検査キット SpermFlowEx Kit

近年、ヒトの不妊症が問題となっています。夫婦の20％近くが不妊症を患っており、この中の1/3は男性側の原因によるものです。したがって、精子の分析が基本的な非侵襲的検査における役割を果たすべきで、それで不妊症の男性側の原因の実証または否定が可能となります。精子の検査は、主に光学顕微鏡を用いて行われ、2010年以降はWHOの基準に従っています。しかし、そのような検査は主観的であり、かつ検査官の個人的な経験に依存しています。フローサイトメトリーを用いた場合では、はるかに多く精子量を測定でき、公正かつ客観的で、また細胞の検出は特異的な染色によって行われます。

精子の受精能に大きな影響を及ぼす主な要因は、精子数、精子生存能、先体の完全性および先体内タンパク質（IAP：intraacrosomal protein）の存在です。先体には、ヒアルロニターゼやアクロシンなどの消化酵素が含まれています。これらの酵素は、透明帯と呼ばれる卵子の外膜を破壊し、精子の一倍体核が卵子に浸透できるようにします。一方で、精液中の白血球の存在は、炎症または性感染症の指標となります。

※ 測定には光学顕微鏡およびフローサイトメーターが必要です。