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細胞実験で使用できるグルタチオン代謝酵素GGCT阻害物質 Pro-GA <Cell-Permeable GGCT Inhibitor>

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:68050

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

GGCT(γ-glutamyl cyclotransferase:別名C7orf24)は近年同定された、がん細胞に高発現するグルタチオンの代謝関連酵素のひとつで、新規がんマーカーとして注目されています。Pro-GAは、GGCT阻害物質であるN-glutaryl-alanine(GA)に細胞膜透過性を付与した、世界初の細胞実験に使用できるプロドラッグ型GGCT阻害物質です。がん細胞におけるGGCTの機能解析や下流シグナルの解析に有用です。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
本製品は京都薬科大学 臨床腫瘍学分野の研究成果をもとに、フナコシ(株)が製品化し、販売しています。


Pro-GAのGGCT阻害機構とがん細胞特異的な増殖阻害の例

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Pro-GAのGGCT阻害機構とがん細胞特異的な増殖阻害の例

Pro-GAのGGCT阻害機構とがん細胞特異的な増殖阻害の例

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Pro-GAのGGCT阻害機構とがん細胞特異的な増殖阻害の例

Pro-GAは細胞膜を通過し、細胞質に取り込まれた後、細胞内のエステラーゼによりGGCT阻害物質GAに変換され、GGCTの活性を阻害する。GGCTはがん細胞にて高発現し、Pro-GAはがん細胞の増殖を著しく抑制した(詳細は使用データをご覧下さい)。


GGCTとは

γ-Glutamyl cyclotransferase(GGCT)はγ-glutamyl dipeptide(γ-Glu-Xaa:Xaaは任意のアミノ酸)を5-oxoprolineと遊離アミノ酸Xaaに分解する活性を有する酵素です。グルタチオンの代謝関連酵素として1950年代から存在することが知られていましたが、2008年まで遺伝子が同定されず、細胞内におけるその機能解析は未だ十分に行われておりません。
2008年のOakleyらの生化学的な解析より、がん細胞での発現が高い機能未知なタンパク質C7orf24がGGCT活性を示すことが明らかにされました。それ以来、GGCTはがん細胞特異的なマーカータンパク質として注目されていますが、GGCTの生理機能は未だ不明です。

GGCT cycle

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グルタチオンサイクル概略図

正常細胞におけるGGCT発現量は低く抑えられていますが、GGCTを過剰発現すると細胞増殖が著しく促進します。一方、GGCTを高発現するがん細胞において、RNAiでGGCTをノックダウンすると細胞増殖、遊走が抑制されることが明らかになっています。これらの知見より、GGCTはがん細胞の増殖作用に大きく寄与していることが示唆され、GGCTの酵素活性がどのようにがん細胞の増殖促進効果に寄与するか解析するために、特異的阻害物質の開発が期待されています。これまでN-glutaryl-alanine (GA)をはじめin vitroでGGCT阻害活性を示す化合物がいくつか開発されてきましたが、いずれも細胞膜透過性を示さず、細胞実験に使用できるものがありませんでした。
Pro-GAはGAをプロドラッグ化した化合物で、世界初の細胞・動物実験に使用できるGGCT阻害物質です。

参考文献

  • Oakley, et al., J. Biol. Chem., 283, 22031 (2008).
  • Kageyama, et al., Proteomics Clin. Appl., 1, 192 (2007).

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Pro-GAとは

Pro-GAは、京都薬科大学 臨床腫瘍学分野の吉貴教授、中田准教授、飯居助教らの研究グループにより開発された新規プロドラッグ型膜透過性GGCT阻害物質です。高い膜透過活性と細胞内でのGA放出活性を示し、がん細胞特異的に増殖抑制を示します。

原著論文

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特長

  • GGCT阻害物質N-glutaryl alanine(GA)をメチル基およびアセトキシメチル基でジエステル化した化合物です。細胞膜透過性を示し、細胞内に取り込まれた後、細胞内エステラーゼでメチルエステル・アセトキシメチルエステルが加水分解され、阻害物質GAとして機能します。
  • GAは可逆的な阻害物質で、一過的にGGCTの酵素活性を阻害します。
  • がん細胞特異的な細胞増殖阻害活性を示します。
  • in vivoのxenograft実験でも腫瘍形成を阻害した実績があります。

【参考】 GAのGGCT阻害活性

GAのGGCT阻害活性

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GGCT低発現細胞であるNIH3T3細胞およびGGCTを過剰発現したNIH3T3細胞のライセートを調製し、GGCT活性を評価した。過剰発現により向上したGGCT活性がGA(100 μM)添加により著しく抑制されていることがわかる。
上記データはGAのGGCT阻害活性を示すもので、本製品(Pro-GA)の活性を示すものではありません。Pro-GAはGAのプロドラッグのため、細胞内のエステラーゼでGAに変換されることで、はじめてGGCT阻害活性を示します。

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使用データ

Pro-GAによるがん細胞特異的な増殖阻害

乳腺細胞、造血細胞および前立腺細胞について、それぞれ正常細胞およびがん細胞を血清欠乏状態にてPro-GA(80 or 100 μM)の有無の条件下で培養し、各細胞の増殖を、WST-8を用いた細胞増殖アッセイにより定量的に観察した。Pro-GA非存在下では各種がん細胞で特異的に増殖が見られたが、Pro-GAにより増殖が有意に抑制されていた。また、プロドラッグ化していないGAを添加しても増殖抑制効果は確認できなかった。
乳腺細胞、造血細胞および前立腺細胞は、それぞれHMEC / MCF7、PBMC / HL-60、PrEC / PC3を正常細胞/がん細胞として用いた。

Mammary gland Hematopoietic Postate gland
Normal cells がん細胞の増殖阻害 がん細胞の増殖阻害 がん細胞の増殖阻害
Cancer cells がん細胞の増殖阻害 がん細胞の増殖阻害 がん細胞の増殖阻害

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Pro-GAによるin vivo xenograftモデルでの腫瘍抑制効果

xenograftモデル

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PC3細胞(前立腺がん由来)を移植したCB17 SCIDマウスに対して、Pro-GA(5 mg/kg)またはDMSOを週2回ずつ計5週間投与し、腫瘍の大きさを定量した。Pro-GAの投与により腫瘍の成長が有意に抑制されていた。Pro-GAがin vivoでもがん細胞の増殖阻害活性を示すことがわかる。

細胞内におけるGA放出活性

細胞内放出

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MCF7細胞にPro-GA蛍光標識体(100 μM)を0~60分間処理し、PBSにて細胞を洗浄した後、細胞ライセートを調製した。細胞ライセートを蛍光HPLCにかけ、細胞内に取り込まれたPro-GA蛍光標識体からGA放出率を評価した。Pro-GAは速やかに細胞に取り込まれ、細胞内でGAに変換されたことが確認できた。


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Pro-GA <Cell-permeable GGCT inhibitor>
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説明文
γ-glutamyl cyclotransferase(GGCT)の阻害物質であるN-glutaryl-alanine(GA)をプロドラッグ化した化合物。細胞膜透過性を有し,細胞実験に使用できる。がん細胞の増殖を顕著に抑えることが報告されており,GGCTの機能解析や下流シグナルの解析に有用。化学式:C12H19O7N,M.W.:289.28
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.22
ニュース2020年10月1日号 p.17

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Pro-GA <Cell-permeable GGCT inhibitor>

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説明文 γ-glutamyl cyclotransferase(GGCT)の阻害物質であるN-glutaryl-alanine(GA)をプロドラッグ化した化合物。細胞膜透過性を有し,細胞実験に使用できる。がん細胞の増殖を顕著に抑えることが報告されており,GGCTの機能解析や下流シグナルの解析に有用。化学式:C12H19O7N,M.W.:289.28
法規制等
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掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.22
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(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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