HOME> 試薬> 免疫化学> 免疫染色(免疫組織染色)> 組織切片作製関連製品> Brain Slicer

様々な動物の脳に対応したスライサー Brain Slicer

掲載日情報:2023/09/04 現在Webページ番号:68038

PLA(ポリ乳酸)を素材として用い、3Dプリンターにより作製された脳スライサーです。脳から厚さ1 mmまたは2 mmの断片を容易に作製できます。脳全体をスライスし、各切片を透明化して解析します。得られた画像を再構成することにより、脳全体を観察することができます。また、関連製品としてTissue Slicer(組織スライサー)もあります。

新しい可逆性組織透明化試薬  Visikol HISTO 新しい可逆性組織透明化試薬  Visikol HISTO-M

特長

  • 操作は、お手持ちの標準的なカミソリをセットして、切断するだけです。
  • 使用後、簡単に洗浄することができます。
  • 冠状断切片および矢状断切片作製用の製品があります。
  • 顕微鏡の設定焦点距離に併せ、厚さ1 mmおよび2 mm断片作製用の製品があります。

カミソリは付属していません。別途ご用意下さい。

厚さ1 mmの切片(黒色部分)作製用の製品では、下記のように左右から互い違いにカミソリの刃を入れます(赤色部分および青色部分)。

厚さ1 mmの切片の作製用Brain Slicer

目次に戻る

脳スライサーの形状

■ 冠状断切片(Coronal)作製用

#coronal_section Coronal_1 Coronal_2

■ 矢状断切片(Sagittal)作製用

#sagittal_section Sagittal_1 Sagittal_2

目次に戻る

組織透明化手法を用いたマウス脳全体のイメージングについて

クリックで開閉します

ここ数年間、我々は何百人もの研究者から「組織透明化を試したが、うまくいかなかった」という話を聞いています。我々は、これらの失敗が組織透明化に関する2つの共通した誤解が原因であることに気付きました。「組織透明化はうまくいかない」という通念を払拭するために、「すべての組織透明化の手法は機能する。しかしながら、それぞれの手法には固有の長所・短所・考慮事項がある。」とここでお伝えします。付け加えると、いくつかの組織透明化手法においては、他の手法よりも操作が困難で、プロトコルからわずかに外れただけで結果が悪くなる可能性があります。

組織透明化を試みる多くの研究者は、最初の透明化である2003年のCLARITY論文か、マウス組織全体の透明化に関する最近のuDISCO論文を読んでいます。これらの論文では、非常に大きな組織が透明化され、完全な三次元画像が得られています。これらの画像や動画は信じられないほどに印象的ですが、研究者は自分の具体的な研究課題において、このように大きな組織を透明化処理し、イメージングする必要があるのかを検討する必要があります。それを検討することが非常に重要である理由は、組織中の2 mmより深い位置をイメージングする場合、イメージングおよび組織処理における操作の複雑さと要する時間が劇的に増大するからです。この場合、高価な水浸対物レンズとライトシート顕微鏡のいずれかまたは両方を必要とします。

我々の経験上、研究者が犯す最も一般的な誤りは、実体顕微鏡や組織標識、組織透明化の基礎を習得する前に、直ちに組織イメージングに挑戦しようとすることです。これはしばしば悪い結果につながり、かつトラブルシューティングの方法が分からないという状況をもたらします。

■ そもそもなぜ脳全体のイメージングを行うのか
最先端の研究を探求する上で我々が忘れがちなことの1つは、当初の研究課題を忘れるということです。例えば、我々の目標がマウス脳全体の脈管構造をマッピングし、そのねじれを深く理解するという場合、いくつかの大きな断片ではなくマウス脳全体で三次元イメージングをする必要があるのはなぜでしょうか。この質問が非常に重要である理由は、マウス脳全体を標識、透明化することは、多大な費用と時間を要し、かつ挑戦的なことであるからです。もしその代わりに、マウス脳をいくつかの小さな断片に分割すれば、組織の標識、透明化に要する時間を指数関数的に減少させることができます。これらの断片は、後でデータ上にて1つの組織に再構成することができます。さらに、個々の断片の厚さを2 mm以下にすることにより、脳全体を観察するときに必要な特殊な対物レンズや一般的でないライトシート顕微鏡を用いることなく、実体顕微鏡で脳をイメージングすることが可能となります。

組織透明化を行う場合には、小さく薄い組織切片から始めて、それぞれの厚みの組織において均一に標識できるように、順序だてて習得していくことをお勧めします。研究課題の探求において、厚さ2 mm以上の組織切片が必要となることは極めてまれであり、組織切片の厚みを最小化することは、必要とする費用と時間の削減につながります。また、考慮すべきもう1つの重要な点は、組織透明化に関するこれまでの論文は、一般的には特定の適用のために、それぞれの透明化技術が記載されているということです。それぞれの手法のプロトコルは、組織の種類により大きく異なり、したがって手法の原理の理解やあなたの研究課題に併せてプロトコルを最適化することが重要になります。Visikol HISTOを用いた組織透明化のプロトコルはこちらをご確認下さい。

HISTO例

目次に戻る

Brain Slicerラインナップ

商品コードをクリックすると価格表をご覧いただけます。

動物(体重) 切断する方向 作製できる切片の厚み 商品コード
マウス 冠状(Coronal) 1 mm BSLM-2
2 mm BSLC-1
矢状(Sagittal) 1 mm BSLM-1
2 mm BSLS-1
ラット(30 g) 冠状(Coronal) 1 mm BSRPC-1
矢状(Sagittal) 1 mm BSRPS-1
ラット(175~300 g) 冠状(Coronal) 1 mm BSRC-1
2 mm BSRC-2
矢状(Sagittal) 1 mm BSRS-1
2 mm BSRS-2
ラット(300~600 g) 冠状(Coronal) 1 mm BSRLC-1
2 mm BSRLC-2
矢状(Sagittal) 1 mm BSRLS-1
2 mm BSRLS-2
背側(Dorsal)/腹側(Ventral) 1 mm BSRLD-1
2 mm BSRLD-2
スナネズミ(70 g) 冠状(Coronal) 2 mm BSGC-2
矢状(Sagittal) 2 mm BSGS-2
モルモット(350 g) 冠状(Coronal) 2 mm BSGPC-2
矢状(Sagittal) 2 mm BSGPS-2
フェレット 冠状(Coronal) 2 mm BSFC-2
矢状(Sagittal) 2 mm BSFS-2
ウサギ(70 g) 冠状(Coronal) 2 mm BSRBC-2
矢状(Sagittal) 2 mm BSRBS-2
イヌ 冠状(Coronal) 2 mm BSDC-2
ブタ(3 kg) 2 mm BSPC-2

目次に戻る

関連製品(Tissue Slicer)

3Dプリンターにより作製された組織スライサーです。PLA(ポリ乳酸)を素材として用いており、使用後は簡単に洗浄することができます。
カミソリは付属していません。別途ご用意下さい。

商品コードをクリックすると価格表をご覧いただけます。

製品外観試料設置部分の形状サイズ(内寸)作製できる切片の厚み商品コード
Tissue Matrix 10x10mmの外観直方体10W×25D×10H mm2 mmTS-10-2
Tissue Matrix 15x15mmの外観15W×25D×15H mm2 mmTS-15-2
Tissue Matrix 20x20mmの外観20W×30D×20H mm2 mmTS-20-2
Tissue Matrix 25x25mmの外観25W×30D×25H mm2 mmTS-25-2
Tissue Matrix 6mm Rodの外観三角柱10W×22D×6H mm2 mmTS-6R-2
Tissue Matrix 4mmの外観半球⌀4×4H mm1 mmTS-4S-1
Tissue Matrix 6mmの外観⌀6×6H mm1 mmTS-6S-1

目次に戻る

おすすめ製品記事

  • Visikol Inc. / 新しい可逆性組織透明化試薬
    Visikol HISTO
  • Bioenno Tech LLC / 迅速にGolgi-Cox(ゴルジ-コックス)染色を行えるキット
    superGolgi Kit

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。