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ALS関連SOD1変異体を網羅的に検出する抗体カクテル Anti-SOD1(ALS-related mutants) Cocktail, Human, Rat-Mono (MS785/MS27)

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:67965

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

SOD1変異体に対する抗体2種類のクローンがミックスされています。SOD1変異体は神経疾患の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因の1つと考えられており、そのSOD1変異体に共通して見られる立体構造を特異的に認識します。100種類以上のSOD1変異体を免疫沈降後のウエスタンブロッティングまたは免疫染色などで検出することができます。
また本抗体カクテルは、亜鉛欠乏性のERストレスにおけるSOD1研究にも有用です。詳しくはこちらをご覧下さい。

本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
本製品は東京大学 薬学系研究科 細胞情報学教室の研究成果を元に製品化されました。

免疫沈降

免疫沈降後の変異体SOD1検出の例

HEK293細胞で野生型および各種変異体SOD1を発現させ、細胞を溶解後に各抗体(MS785:5μg/ml, MS27:2μg/ml, MS785/MS27ミックス:1μg/ml)を添加し、10時間反応後、Protein Gビーズを用いて免疫沈降した。MS785、MS27はいずれも免疫沈降操作後、野生型(WT)は認識せず、変異体特異的に結合していることが示された。MS785、MS27は、単独では抗原部位に変異がある場合には認識できないが、MS785/MS27ミックスは補完し、検出できるようになっていることがわかる。

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検出可能な変異体一覧はこちらをご覧下さい。


筋萎縮性側索硬化症(ALS)とSOD1

筋萎縮性側索硬化症(ALS; Amyotrophic Lateral Sclerosis)は、運動神経の細胞死による全身の骨格筋の筋力低下、筋萎縮を主症状とする神経変性疾患です。ALSの90%は非遺伝的に発症しますが、10%程度が遺伝的に発症し、その原因遺伝子として20種類ほどが同定されています。中でも酸化還元酵素SOD1(Cu/Zn Superoxide Dismutase)の変異により発症するケースが最も多く、変異体SOD1を発現するトランスジェニックマウスはALSの動物モデルとして使用されています。SOD1の変異が引き起こすALSの発症機序の解明が期待されています。

SOD1は活性中心に銅イオンと亜鉛イオンを持つ金属酵素で、細胞内に発生した活性酸素を分解する働きを担っています。SOD1は154アミノ酸(ヒト)、24 kDaの比較的小さなタンパク質ですが、100種類以上の変異体が報告されており(図1)、それら変異体のほとんどは本来の活性酸素を分解する酵素活性に影響がないことが知られています。そのため、ALSの発症には酵素活性とは別の要因があると考えられ、変異に伴う獲得毒性(toxic gain of function)が有力視されています。

SOD1変異箇所

図1 報告されているSOD1変異箇所の例

本来、野生型SOD1は二量体を形成しますが、東京大学 一條秀憲教授らは、変異体SOD1について下記の点を明らかにしました。

  • 100種類以上のさまざまな変異体SOD1が、野生型とは異なる共通した立体構造をとる(図2)。
  • 小胞体におけるタンパク質の品質管理機構(ERAD)の構成タンパク質Derlin-1に結合することで、細胞毒性を獲得する。

SOD1野生型と変異体

図2 SOD1の野生型と変異体の構造の違いと抗体認識部位

さらに、変異体SOD1のDerlin-1結合部位をもとに、変異体にみられる立体構造を特異的に認識するラットモノクローナル抗体クローンMS785とMS27の開発に成功しました。これらの抗体は、SOD1変異のALS発症に及ぼす機序解明における優れたツールとして期待されています。

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特長

  • 抗SOD1ラットモノクローナル抗体クローンMS785とクローンMS27をミックスしたカクテル抗体です。
    クローンMS785、MS27はそれぞれ個別でもご購入頂けます。
  • クローンMS785およびMS27は、SOD1変異体に共通して見られる単量体型の立体構造を認識します。100種類以上のSOD1変異体を免疫沈降後に検出した実績があります。検出可能な変異体一覧はこちらからご参照いただけます。
  • 免疫細胞染色法で変異体SOD1を特異的に検出できます。
  • 小胞体ストレスの一原因と考えられる、亜鉛欠乏条件における野生型SOD1の立体構造変化を検出することができます。小胞体ストレス研究やSOD1の基礎研究にも有用です。詳しくはこちらをご覧下さい。
  • 適用:免疫沈降、免疫染色(変異体を検出)、ELISA:変異体を検出(詳しくは原著文献2をご参照下さい)、ウエスタンブロット:変異体・野生型両方を検出

注意:変性状態では変異体SOD1だけでなく野生型SOD1も検出します。実験の際にはタンパク質変性には十分に注意し、SDSなどの変性剤は使用しないで下さい。

クローンMS785とMS27の違いについて

クローン名 MS785 MS27
抗体種 ラットモノクローナル抗体
サブタイプ IgG2b/κ IgG2a/κ
交差性 ヒト
形状 Protein G精製品(0.5 mg/ml)、溶解バッファー:50%グリセロール/PBS
  • MS785はヒトSOD1の6~16アミノ酸配列、MS27はヒトSOD1の30~40アミノ酸配列をそれぞれ抗原に作製したモノクローナル抗体です。
  • いずれも幅広く変異体を検出できますが、それぞれの抗原配列部位に変異がある場合、これを検出することができません。
  • MS785とMS27は相補性があるため、カクテル抗体は抗原部位の変異体の検出を補完することが可能です。

検出可能な変異体はこちらからダウンロードできます。

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使用例

免疫染色による変異体SOD1の検出例

HEK293細胞で野生型およびG93A変異体SOD1(FLAG融合タンパク質)を発現させ、MS785, MS27およびMS785/MS27カクテル抗体()と、抗FLAG抗体()で免疫染色を行った(使用濃度:1μg/ml)。野生型、G93A変異体共に抗FLAG抗体で発現が確認できるが、MS785、MS27およびMS785/27カクテル抗体はいずれも野生型には反応せず、変異体にのみ反応した。

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亜鉛欠乏とSOD1の立体構造変化

SOD1は亜鉛イオンを有する金属タンパク質です。東京大学 一條教授らは、亜鉛欠乏時に野生型SOD1の亜鉛イオンが外れることで、立体構造が変化し、変異体SOD1に類似した単量体構造をとることを明らかにしています。この構造変化により、本来は結合しない小胞体における品質管理機構(ERAD)タンパク質Derlin-1に対する結合能を獲得し、ERストレス(小胞体ストレス)を誘導すると考えられています。本製品は、野生型SOD1であっても、亜鉛欠乏時の立体構造変化を認識し、亜鉛が欠損したSOD1を検出することが可能です。SOD1の基礎研究やERストレス研究にも有用です。

亜鉛欠乏時

参考文献

  1. Fujisawa, T., et al., "A novel monoclonal antibody reveals a conformational alteration shared by amyotrophic lateral sclerosis-linked SOD1 mutants.", Ann. Neurol.,72(5), 739~749(2012). [PMID:23280792]
  2. Homma, K., et al.,"SOD1 as a Molecular Switch for Initiating the Homeostatic ER Stress Response under Zinc Deficiency.", Molecular Cell, 52(1), 75~86 (2013). [PMID:24076220]
  3. Fujisawa, T., et al.," A systematic immunoprecipitation approach reinforces the concept of common conformational alterations in amyotrophic lateral sclerosis-linked SOD1 mutants.", Neurobiol. Dis., 82, 478~486(2015). [PMID:26297318]

亜鉛欠乏時の野生型SOD1の検出例

本抗体は亜鉛欠乏時の野生型SOD1のダイナミックな構造変化を検出できます。ALS研究のみならず、SOD1の基礎研究にも有用です。

  • 血清欠乏条件、および亜鉛キレーターTPEN処理時に内在性の野生型SOD1の検出実績があります。
  • MS785、MS27およびカクテルのいずれでも検出可能です。
亜鉛欠乏時使用例

HEK293細胞に亜鉛キレーターであるTPEN 10μMを添加し8時間処理した。細胞を破砕後、MS785、MS27およびMS785/MS27ミックス抗体により免疫沈降した。亜鉛欠乏により、内在性の野生型SOD1は変異体SOD1と同様にMS785、MS27により検出されるようになった。

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原著文献

  1. Fujisawa, T., et al., "A novel monoclonal antibody reveals a conformational alteration shared by amyotrophic lateral sclerosis-linked SOD1 mutants.", Ann. Neurol.,72(5), 739~749(2012). [PMID:23280792]
  2. Fujisawa, T., et al.," A systematic immunoprecipitation approach reinforces the concept of common conformational alterations in amyotrophic lateral sclerosis-linked SOD1 mutants.", Neurobiol. Dis., 82, 478~486(2015). [PMID:26297318]

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Anti-SOD1(ALS-related mutants)Cocktail, Human, Rat-Mono(MS785/MS27)
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説明文
SOD1変異体に共通して見られる立体構造を特異的に認識する2種類の抗体カクテル。非変性条件では免疫沈降・免疫染色で野生型を認識せず,神経疾患ALSの原因とされる100種類以上のSOD1変異体を検出した実績がある。
クローン:MS785/MS27
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
抗原種 Human 免疫動物 Rat クラス IgG 標識 Unlabeled
交差性 Human 適用 IP,IC,ELISA,Western Blot
クロナリティ Monoclonal フォーマット 性状 Apu 吸収処理
掲載カタログ ニュース2022年6月15日号 p.33
ニュース2021年5月15日号 p.36

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クローン:MS785
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クローン:MS785/MS27
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クローン:MS785
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クローン:MS27
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抗原種 Human 免疫動物 Rat
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(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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