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多能性幹細胞の安定した培養を可能にするFGF2徐放性ハイドロゲル FGF2 DISCs

掲載日情報:2022/08/26 現在Webページ番号:67475

FGF2 DISCsはStemBeads FGF2が埋め込まれた生体適合性のハイドロゲルで、約1週間にわたり培地中に一定濃度のFGF2(塩基性線維芽細胞増殖因子、basic fibroblast growth factor)を徐放します。培地中のFGF2が一定濃度に維持されるので、幹細胞の自発的な分化が抑制され多能性が維持されます。DISCsは培地に添加するだけなので取り扱いが簡単で、特別な洗浄操作を必要とすることなく容易に取り除くことができます。DISCsは1週間に1回、継代の際に交換するだけ(培地交換は2~3日に1回)なので時間とコストを大幅に削減できます。


製品外観
使用時イメージ
原理

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従来の幹細胞培養における問題点

幹細胞の未分化性を維持するために用いられるFGF2は培地中での半減期が約4時間です。そのため毎日の培地交換が必要となります(下左図)。しかし、この毎日の培地交換による成長因子の濃度変動(下右図)は細胞内のシグナル伝達のパターンを変化させ、細胞を不均一な集団にしてしまいます。

通常の培地交換スケジュール
通常の培地中FGF2濃度の変動

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特長

  • 1週間にわたって一定濃度のFGF2を培地に徐放します。
  • 培地交換は週に2~3回、DISCsの交換は1週間に1回で済むので労力と培地のコストが削減できます。
  • DISCsは簡単に追加したり取り除くことができます。洗浄操作も不要です。
  • 高品質(自発的分化の抑制、多能性の向上)な細胞を維持できます。
  • 様々な幹細胞用の培地と互換性があります。

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FGF2徐放能

培地中のFGF2濃度

図1:FGF2 DISCを添加した培地(2 ml)中のFGF2濃度
7日間にわたり安定して一定濃度のFGF2が徐放されていることが確認された。

FGF2 DISCsの数と、培地量とFGF濃度の関係

図2:FGF2 DISCsの数と、培地量とFGF濃度の関係
2 mlの培地に対してDISCsを1つ加えることで、FGF2濃度は10 ng/mlになる。

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培地コストと手間の削減

通常法との培養スケジュールの比較

通常法との培養スケジュールの比較

培地コストと手間の削減

培地コストと手間の削減

FGF2 DISCsは1週間に1回、継代の際に交換するだけ(培地交換は2~3日に1回)なので(図B)、通常の培養スケジュール(図A)と比べて1週間に使用する培地量は約半分となり培地交換の手間も削減されます(図C、D)。

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多能性の向上、自発的分化の抑制

多能性の向上、自発的分化の抑制

図4:FGF2 DISCsを使用して培養したiPS細胞のマーカーおよび核型の解析結果

  • A. FGF2 DISCsを用いて培養したiPS細胞(7継代)において各種幹細胞マーカー(OCT4, SOX2, NANOG)の発現が確認できる。
  • B. FGF2 DISCsを用いて培養したiPS細胞(15継代)において核型異常は見られない。
  • C. 従来法(毎日培地交換)に比べて、FGF2 DISCsを用いて培養したiPS細胞では多能性マーカーSSEA-4の発現が高い。
  • D. 従来法(毎日培地交換)に比べて、FGF2 DISCsを用いて培養したiPS細胞では分化マーカーであるSSEA-1の発現が低い。

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操作方法概略

多能性幹細胞培養の推奨プロトコル

  1. DISCsの容器を70%エタノールで拭き、開封する前にバイオセーフティキャビネットに入れます。
  2. 細胞を継代し、培地をウェルに加えます。
  3. 滅菌したピンセットを用いて、必要なFGF2徐放量に応じたDISCsを培養ウェルに加えます。

    培地へのDISCs添加

    DISCsは再水和すると膨潤して透明になります。DISCsに埋め込まれたStemBeadsを顕微鏡で観察することができます。
  4. 2~3日ごとに培地のみを交換し、DISCsはウェルに残します(低い吸引力のアスピレーターまたはピペットを使用)。

    培地交換

  5. 培養7日後、細胞を新しい培養皿に継代し、新しいDISCsを追加します。
    DISCsは低吸引力のアスピレーター用チップを使用して取り除き、バイオハザード用のゴミ箱に捨てることができます。

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動画 FGF2 DISCs

FGF2 DISCsによる細胞培養法が改善する理由や、イメージを含む一般的な製品情報について解説しています。

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FAQ

Q-1. FGF2 DISCsを使用する際は特別な培地が必要ですか?

A-1. いいえ。通常ご使用の培地をお使い下さい。DISCsを使用する際の変更点は培地交換の頻度を少なくすることです。これは幹細胞の多能性維持に良い影響を与えると共に、使用する培地の量を削減することができます。


Q-2. FGF2 DISCsはその後の実験系に影響を及ぼしますか?

A-2. 影響があるとすれば、それは多能性の維持と、想定外の細胞分化の減少による良い面での影響になります。


Q-3. FGF2 DISCsの取扱いは難しいですか?

A-3. いいえ。培地に添加する際は滅菌したピンセットを使用し、培地から取り除く際は低い吸引力のアスピレーターかピペットを使用して下さい。


Q-4. FGF2の濃度を変更したいときはどうすれば良いですか?

A-4. FGF2の濃度はFGF2 DISCsの数で調整します。上記の図2を参照して下さい。


Q-5. 継代後の多能性幹細胞の増殖が良くない場合はどうすれば良いでしょうか?

A-5. 継代時の細胞密度を上げて下さい。


Q-6. 培養中にpHの変化が見られた場合はどうすれば良いでしょうか?

A-6. 必要であれば培地交換を実施して下さい。特に細胞密度が高い場合には培地交換の頻度を増やすか、炭酸水素ナトリウムやHEPESといったバッファーを培地に加えて下さい。


Q-7. 細胞のデブリス(残渣)が多く見られる場合はどうすればよいでしょうか?

A-7. 培地交換の頻度を減らすことでデブリスが蓄積する傾向がありますが、これが弊害をもたらすという報告はありません。


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価格

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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