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細胞免疫法で得られた立体構造認識抗体 抗ヒトBST2/Tetherinモノクローナル抗体

掲載日情報:2022/03/23 現在Webページ番号:67430

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

おススメ抗体

BST2/Tetherinは幅広い組織・細胞で発現が認められる膜タンパク質で、ウイルスの宿主細胞からの出芽抑制やがん細胞の遊走などさまざまな機能が報告される多機能タンパク質です。本抗体は2種類のヒト腎がん細胞株ミックスをマウスに免疫する細胞免疫法によって、樹立されました。


抗ヒトBST2/Tetherin抗体の膜タンパク質への結合図 抗ヒトBST2/Tetherin抗体のWBとIP像

Mab-C48の概要

細胞免疫法で得られたマウスモノクローナル抗体Mab-C48は2量体BST2/Tetherinの構造を特異的に認識し、2量体構造のBST2/Tetherinの免疫沈降、フローサイトメトリー、免疫染色に有用です。

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BST2/Tetherinとは

BST2(bone marrow stromal antigen-2)は分化B細胞の表面発現マーカーとして1990年代に発見された2型膜貫通タンパク質ですが、現在では幅広い発現分布が確認されています。2008年にはヒト免疫不全ウイルス(HIV)粒子の宿主細胞からの出芽の際に、ウイルス粒子を宿主細胞の細胞表面につなぎとめる(Tethering)ことでウイルス粒子の放出を抑制する機能を有することが明らかになり、その機能からTetherinとして別途命名されました。

成熟したBST2/Tetherinは図のように特徴的な立体構造を有し、N末端側から短い細胞質領域、膜貫通領域、細胞外のコイルドコイル領域およびC末端側のGPIアンカーが同定されています。また、細胞外領域に3か所ジスルフィド結合を有しBST2/Tetherin同士のホモ2量体として発現すると考えられています。BST2/Tetherinはさまざまな機能が報告されており、その機能解析が注目されていますが、機能発現の多くはBST2/Tetherinの特徴的な立体構造に起因すると考えられています。

例えば、レトロウイルス、コロナウイルス、ヘルペスウイルスなどのエンベロープウイルス粒子の宿主細胞からの出芽を抑制することからウイルス感染研究で注目されるほか、さまざまながん細胞で過剰な発現が見られることから、がん悪性化との相関研究も盛んにおこなわれています。このように幅広く研究が進むBST2/Tetherinですが、その構造的な特徴ゆえに成熟した2量体構造の解析や検出が難しいと考えられています。

本製品クローンMab-C48は2種類のヒト腎がん細胞株ミックスをマウスに免疫して樹立されたマウスモノクローナル抗体で、その後の解析でエピトープとしてヒトBST2/Tetherinに高い特異性を示すことが分かりました。2量体構造に対する高い親和性を有し、フローサイトメトリー、免疫組織染色に加え、免疫沈降にも活用が可能です。

BST2/Tetherinの立体構造のイメージ図

図 BST2/Tetherinの立体構造のイメージ図

参考文献

  • Goto, T., et al., "A novel membrane antigen selectively expressed on terminally differentiated human B cells", Blood, 84(6), 1922~1930 (1994). [PMID:8080996]
  • Neil, S.J.D, et al., "Tetherin inhibits retrovirus release and is antagonized by HIV-1 Vpu", Nature, 451(7177), 425~430 (2008). [PMID:18200009]
  • Tiwari, R., et al., "Beyond Tethering the Viral Particles: Immunomodulatory Functions of Tetherin ( BST-2)", DNA Cell Biol., 38(11), 1170~1177 (2019). [PMID:31502877]

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特長

  • 2種類の腎がん細胞株(786-OおよびCaki-1)ミックスをマウス免疫して作製されたマウスモノクローナル抗体です。
  • BST2/Tetherinの二量体構造を認識します。
  • ヒト抗原アレイ(5,300種類)解析により、高いBST2/Tetherin特異性が確認されています。
  • 交差性:ヒト
  • 適用:免疫沈降、免疫組織染色、フローサイトメトリー、ウエスタンブロット(非還元)
  • アイソタイプ:マウスIgG

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参考データ:エピトープの同定と特異性検証

本製品Mab-C48のエピトープは福島医大トランスレーショナルリサーチ機構(当社略称FTR)が提供するヒトタンパク質アレイ受託解析(5,300タンパク質)により同定されました。Mab-C48はBST2/Tetherinに高い特異性を示すことが分かっています。

BST2/Tetherinの立体構造のイメージ図

福島医大トランスレーショナルリサーチ機構が提供するヒトタンパク質アレイ受託解析に関する詳細およびデータの見方は、ヒトタンパク質マイクロアレイ受託サービスをご参照下さい。

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アプリケーションデータ

ウエスタンブロットによる二量体特異性の検証

ウエスタンブロットによる二量体特異性の検証像

腎がん細胞株786-O細胞ライセートを①非加熱・非還元、②加熱・非還元、③加熱・還元の3条件で調製し、SDS-PAGE後、PVDFメンブレンに転写しMab-C48を用いてウエスタンブロットで検出した。
Mab-C48は非還元条件下で二量体構造を認識したが、還元条件下では単量体構造は検出されなかった。

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免疫沈降

免疫沈降による検証像

腎がん細胞株786-O細胞1.0x107をRIPAバッファーで1 mlで可溶化したのち、Mab-C48(5μg)を添加し2時間、さらにProtein Gビーズ(50μl bed vol.)を添加して1時間インキュベートした。ビーズを洗浄後、1×Laemmliサンプルバッファー 50μlで加熱溶出した(インプットに対し20倍濃縮)。免疫沈降によってBST2/Tetherinの二量体相当の分子量位置に濃縮が確認された。

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フローサイトメトリー

腎がん細胞株786-O細胞およびCaki-1細胞に対しMab-C48またはコントロールIgG(1μg/ml)および蛍光標識二次抗体を用いてフローサイトメトリーを行った。いずれの細胞に対しても、Mab-C48は有意な結合が確認できた。

フローサイトメトリーによる786-O細胞検証像 フローサイトメトリーによるCaki-1細胞検証像

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免疫組織染色

マルチ正常組織アレイ、マルチ腫瘍組織アレイに対し、Mab-C48またはコントロールIgG(1μg/ml)を用いて免疫組織染色を行った。複数の正常および腫瘍組織で発現が観察された。

フローサイトメトリーによる786-O細胞検証像

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フローサイトメトリーによる786-O細胞検証像

図をクリックすると拡大します(拡大図

フローサイトメトリーによる786-O細胞検証像


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価格

[在庫・価格 :2025年05月02日 13時55分現在]

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納期 文献数
Anti-BST2/Tetherin, Human, Mouse-Mono(Mab-C48)
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説明文
ヒトBST2/Tetherin(CD317, HM1.24 antigen)の2量体構造を認識するマウスモノクローナル抗体。大規模ヒトタンパク質アレイで特異性が検証されており,非還元条件下のウエスタンブロット,免疫沈降,フローサイト―メトリー,免疫染色に使用できる。
クローン:Mab-C48
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
抗原種 Human 免疫動物 Mouse クラス IgG 標識 Unlabeled
交差性 Human 適用 FCM,IHC,IP,Western Blot
クロナリティ Monoclonal フォーマット 性状 Protein A/G Affinity Purified 吸収処理 なし
掲載カタログ ニュース2022年6月1日号 p.32

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Anti-BST2/Tetherin, Human, Mouse-Mono(Mab-C48)

文献数: 0

説明文 ヒトBST2/Tetherin(CD317, HM1.24 antigen)の2量体構造を認識するマウスモノクローナル抗体。大規模ヒトタンパク質アレイで特異性が検証されており,非還元条件下のウエスタンブロット,免疫沈降,フローサイト―メトリー,免疫染色に使用できる。
クローン:Mab-C48
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
抗原種 Human 免疫動物 Mouse
交差性 Human 適用 FCM,IHC,IP,Western Blot
標識 Unlabeled 性状 Protein A/G Affinity Purified
吸収処理 なし クラス IgG
クロナリティ Monoclonal フォーマット
掲載カタログ ニュース2022年6月1日号 p.32

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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