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がんオルガノイド形成などに適した三次元培養用基材(3D Culture Substrate) MatriMix(511)

掲載日情報:2023/10/20 現在Webページ番号:67363

MatriMix logo

MatriMix(511)は、コラーゲンやラミニンE8(511E8)、ヒアルロン酸から構成される新たな三次元培養用基材です。
様々な細胞に適した細胞周囲の微細環境を提供して組織形成を促します。

本製品に関してはMatriMix Webサイトもご覧下さい。プロトコル(テキストと動画)、FAQ、アプリケーション・ノートなど、充実した内容です。


MatriMixを用いた三次元細胞培養

MatriMix(511)を用いた三次元細胞培養

MatriMix(511)に含まれるラミニンは、全長ラミニンと同程度のインテグリン結合活性を有するE8断片を使用しており、細胞の運動性を活発化します。

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特長

  • 生体内に近い細胞環境を創出する三次元基材。
  • 三次元培養ゲルとして、使いやすい。
  • 汎用性が高い(色々な細胞で利用可能)。
  • 細胞の組織化に優れる。
  • 間質のコラーゲンと基底膜成分のラミニンを両方含み、間質、基底膜両方の誘導が可能。
MatriMix logo 基底膜成分
(マウス腫瘍抽出物)
合成ポリマー
ベース製品
ハンギング
ドロッププレート
基材選択バリエーション
(多種のコラーゲン型、
ラミニンアイソフォームの組み合わせ)
× × ×
生体内を模倣した組織化誘導
(間質誘導に難)
× ×
ゲル強度のコントロールが可能 × × ×
細胞外マトリックスの模倣 × ×
構成材料の明確さ ×
成長因子(不純物)不含有 ×
透明性 ×
がん細胞オルガノイドでの間質誘導 × × ×
各臓器オルガノイドでの細胞分化誘導 × ×


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使用例

■例1 MatriMix(511)を用いた各臓器オルガノイド形成

例1 各臓器オルガノイド形成

マウス発生期臓器由来細胞をMatriMix(511)を用いて三次元培養したところ、細胞の集合組織化が観察された(培養7日目、各マーカーによる蛍光染色)。
A. 試料:腎ネフロン、緑:Podocalyxin(糸球体上皮細胞)、赤:PECAM-1(血管)
B. 試料:腸オルガノイド、緑:CDX2(成熟腸細胞)、赤:TypeIVcollagen
C. 試料:肝血管形成、赤:PECAM-1(血管)
D. 試料:肝オルガノイド、緑:CK19(胆管)、赤:Albumin(肝実質)

■例2 MatriMix(511)を用いたヒト患者由来大腸がんオルガノイド形成

例2 ヒト患者由来大腸がんオルガノイド形成

ヒト患者由来大腸がん幹細胞を8日間各基材で三次元培養した。
MatriMix(511)で形成されるオルガノイド:VimentinとCEA両陽性であり、浸潤転移能を持った細胞集団形成が観察された(図A, B)。 基底膜成分で培養したオルガノイド:Vimentin陰性、CEA陽性(図C, D)。

■例3 MatriMix(511)を用いた株化がん細胞の培養

例3 株化がん細胞の培養

各ヒト株化がん細胞を7日間各基材で三次元培養した。MatriMix(511)で形成されたオルガノイドは、転移能を持つ細胞のマーカーであるVimentinと細胞間接着マーカーであるE-cadherinと両陽性であり、浸潤転移能を持った細胞集団形成が観察された(図A, B)。がんオルガノイドの内部は基底膜成分であるⅣ型コラーゲンで染色され、細胞集団外部は間質コラーゲンであるⅠ型コラーゲン網に囲まれている(図C)。一方、基底膜成分基材で培養形成したオルガノイドはVimentin陰性、E-cadherin陽性(図D, E)であり、基底膜形成も見られない(図F)。

■例4 MatriMix(511)を用いた大腸がん細胞のオルガノイド形成誘導

例4 MatriMix511を用いた大腸がん細胞のオルガノイド形成誘導

転移マーカー陽性の細胞集団が形成される
患者由来大腸がん細胞、ヒト株化がん細胞を各基材で7日間三次元培養した。
MatriMix(511)で形成された患者由来オルガノイドは大腸がんマーカーである抗CEA抗体染色陽性であるだけでなく、転移マーカーである抗Vimentin抗体でも陽性観察された。また、MatrxiMixで形成されたオルガノイドは細胞間接着マーカーである抗E-Cadherin抗体で染色観察されるとともに、集団で転移・浸潤する細胞で発現することが知られている抗ZEB-1抗体染色でも陽性観察された。

■例5 MatriMix(511)を用いたがん患者由来細胞のマウス皮下移植実験

MatriMix511を用いた、がん患者由来細胞のマウス皮下移植実験 EHS腫瘍抽出物を用いた、がん患者由来細胞のマウス皮下移植実験

図1. がん患者由来スフェロイドをマウスに移植した。MatriMix (511)を用いた場合も、 EHS腫瘍抽出物と同程度の大きさの腫瘍(赤矢印)が形成された(移植後4週間目のデータ)。

がん患者由来細胞をMatriMix 511で移植し、形成された腫瘍を回収し、切片をマッソントリクローム染色した。

図2. がん患者由来細胞のスフェロイドを、MatriMix (511)を用いてマウスに移植した。形成された腫瘍を回収し、切片をマッソントリクローム染色した。脈管侵襲や異型核を有する細胞が多数観察された。
(左図:弱拡, 右図:強拡)

がん患者由来細胞をMatriMix 511で移植し、形成された腫瘍を回収し、切片を各種マーカーで染色した。

図3. がん患者由来細胞のスフェロイドを、MatriMix (511)を用いてマウスに移植した。形成された腫瘍を回収し、切片を各種マーカーで染色した。(左図:Type IV Collagen, Type I Collagen, CEA、右図:DAPI, αSMA, PECAM-1)。各種マーカーを用いた免疫蛍光染色によって、腫瘍内には大腸がん細胞や血管内皮細胞が局在することが分かった。



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キット内容

  • A液(5 mlチューブ):1.85 x DMEM, ラミニン 511E8断片 /ヒアルロン酸架橋物 3.6 ml
  • B液(1 mlチューブ):2.5% 炭酸水素ナトリウム 1.0 ml
  • C液(4 mlチューブ):5.0 mg/ml コラーゲン 3.0 ml
MatriMixキット内容

培養直前に3液を混合し、その混合液を用いて細胞を懸濁し、37℃でゲル化、ゲル内包埋培養します。
混合液を培養皿上でゲル化、ゲル上培養も可能です。
プロトコル通りに混合した場合、約6.7 ml 分のゲルが作製できます。


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価格

[在庫・価格 :2024年04月26日 00時00分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
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  • 法規制等
納期 文献数
MatriMix(511)
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説明文
コラーゲンやラミニンE8(511E8),ヒアルロン酸から構成される新たな三次元培養用基材。比較的広範な細胞に適した細胞周囲の微細環境を提供して組織形成を促す。
法規制等
保存条件 4℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年3月1日号 p.14

製品記事 三次元培養(3D culture)製品特集
関連記事 細胞外マトリックス(ECM)/細胞培養用ハイドロゲル製品特集

[在庫・価格 :2024年04月26日 00時00分現在]

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MatriMix(511)

文献数: 0

説明文 コラーゲンやラミニンE8(511E8),ヒアルロン酸から構成される新たな三次元培養用基材。比較的広範な細胞に適した細胞周囲の微細環境を提供して組織形成を促す。
法規制等
保存条件 4℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年3月1日号 p.14

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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