HOME
>
試薬
>
生化学一般試薬/その他
>
蛍光/標識用試薬
>
蛍光および標識試薬
>
細胞のハイスループットスクリーニングに最適な蛍光色素(Saguaro Technologies社)
HOME
>
試薬
>
細胞培養
>
細胞の解析
>
細胞の染色/トレーサー
>
細胞のハイスループットスクリーニングに最適な蛍光色素(Saguaro Technologies社)
細胞のハイスループットスクリーニングに最適な蛍光色素(Saguaro Technologies社)
掲載日情報:2023/06/15 現在Webページ番号:65974
追加しました。
Vol.91 細胞のハイスループットスクリーニングに最適な蛍光色素
Saguaro Technologies 社は、創薬支援のための研究ツールを開発している2020 年設立のスタートアップ企業です。カナダのトップ研究者と提携し、研究者が開発した技術の製品化や細胞培養関連製品の開発を進めています。
細胞培養から創薬プロセスを改善したい
新薬の開発には莫大な費用と時間がかかりますが、製品化まで至るものはほんの一握りです。
Saguaro 社の共同創業者であるLouis とFélix は、そんな創薬のプロセスを改善したいと考えていました。一流大学で学んだ知識と、大手ハイテク企業での勤務経験を武器に、2 人はより具体的に問題を特定するべく調査に奔走しました。数か月にわたる努力の末、「研究者が創薬候補物質の作用機序をよりよく評価するためには、新しい細胞培養技術が必要である」という結論に至りました。2020 年、2 人はフルタイムの仕事を辞め、細胞培養のための厳選された技術を開発・商品化するSaguaro 社を立ち上げました。
左:Louis Turcotte 氏/Co-Founder & CEO
右:Félix Lavoie-Pérus 氏/Co-Founder & COO
社名のSaguaro(サワロ)とは、樹齢200 年にもなる巨大なサボテンのことです。砂漠の厳しい環境の中で、わずかな雨水だけで最大24 m の高さまで成長する、長寿と回復力のシンボルです。私たちの会社設立の理由である「次の世代がずっと健康で長生きできるように」という思いを込めて名付けました。
ChromaLive Dye の発見
トロントにあるサニーブルック研究所のDr. David Andrewsは、候補化合物の細胞への影響を調べるツールに不満を感じていました。彼の研究室には、細胞イメージングによって何千もの化合物をハイスループット解析できるハイエンドな顕微鏡が揃っていたにも関わらず、思うような解析ができていませんでした。蛍光色素は細胞に対して毒性があるため、細胞に取り込まれなかった余分な色素を洗い流す必要があるなどの難点があったためです。
そこでAndrews 博士は、自ら新しい色素の開発に乗り出しました。その結果、低毒性で洗浄操作が不要な蛍光色素の開発に成功しただけでなく、なんとその色素のスペクトルや染色性が細胞の状態によって変化することを発見したのです。これは、細胞の様々な状態を同時に検出できるようになったことを意味します。あまりに出来過ぎた話に思われましたが、Andrews 博士がこの色素を慢性リンパ性白血病(CLL)細胞に添加してみたところ、6 つの集団(コホート)に分類することができました。化学療法のターゲットを絞り込むにあたり、ある薬剤の効果が期待できる患者を見分けるのに役立つことが分かりました。
創薬研究にずば抜けた影響を与える可能性があると感じたAndrews 博士は、この色素を製品化してより多くの研究者へ紹介するためのパートナーとしてSaguaro 社を選んでくれました。Saguaro 社はサニーブルック研究所とライセンス契約を結び、ChromaLive Dye として販売しています。
ChromaLive Dye の実績と今後の展望
ChromaLive Dye は2022 年に製品化・発売されて以来、既に欧米の大手製薬会社8 社に販売実績があり、様々な治療分野や、幹細胞/3D 培養などのモデルでご使用いただいています。異なる細胞状態の定量化、あるいは複数の色で細胞を塗り分けたような「セルペインティング」による形態プロファイリングアッセイ、化合物スクリーニング、毒性スクリーニング、あるいは遺伝子スクリーニングが主な用途になります。培地への添加だけで使用できるため、ハイコンテントスクリーニングにも最適です。現在、適用アプリケーションをさらに拡張するべく、様々なスペクトルや染色性を実現する研究に取り組んでいます。この色素のユニークな特性を生かしながら、蛍光波長を変化させることができるかが課題です。
日本の研究者へメッセージ
日本の創薬研究や研究機関の質の高さは世界的にも有名ですので、日本の研究者を支援する機会を得て、非常に身が引き締まる思いです。ChromaLive Dye が、健康長寿につながる画期的な発見をするためのサポートになることを願っています。
ChromaLive Dye
細胞の状態や細胞のサブタイプによって蛍光特性(強度・波長)が変化するライブセルイメージング対応の蛍光色素です。
ChromaLive Dye
追加しました。
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。