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改良版 膜電位感受性色素(Potentiometric Probes 社)

掲載日情報:2021/02/15 現在Webページ番号:65934

Frontiers

Vol. 68 改良版 膜電位感受性色素

Potentiometric Probes 社は、膜電位感受性色素(Voltage Sensitive Dyes;VSD)の合成やアプリケーションに関して数十年の実績を有する、アメリカ コネチカット大学発のメーカーです。
今回はCEO のCorey Acker 氏(写真左から2人目)にお話を伺いました。

Potentiometric Probes 社の皆さん

Potentiometric Probes 社の皆さん

同社の共同創設者であるLeslie Loew 氏( 写真左端、アメリカ コネチカット大学教授)は、膜電位感受性色素として最も広く使用されている色素の一つDi-4-ANEPPS の開発者で、膜電位感受性プローブのエキスパートです。
同社では、この古典的な膜電位感受性色素をベースに長波長の膜電位感受性色素や、フッ素化により光安定性・蛍光特性・S/N 比が向上した改良版膜電位感受性色素を開発・提供しています。

膜電位感受性色素の高いポテンシャル

膜電位感受性色素は、分子量は小さいですが、「取り込まれた細胞内のわずかな電圧(電位差)変化を、蛍光の変化として目に見える形に変換できる」という特長があり、膜電位インジケーターとして使用できます。
光学的手法に基づいて、大量の細胞を一度に、非侵襲的に、リアルタイムでとらえ、細胞間・組織間、さらには器官同士の協調的なシグナル伝達を同時に記録できるようになります。

これらの色素は、活動電位の伝達、筋収縮、細胞シグナル伝達など、膜電位の変化を伴う多くの生理的プロセスを研究するための重要なツールとなっています。心機能研究の分野では、遺伝性・遺伝子変異による不整脈の研究で使用されています。また、神経科学の分野では、例えばてんかんのような脳の疾患の基礎となる電気信号の研究に使用されています。
膜電位感受性色素の使用事例

膜電位感受性色素は基礎研究の場面で使われることが多いですが、創薬研究や、新薬候補化合物の心毒性スクリーニングにおいても非常に有用です(下図)。

使用例:iPS 細胞由来心筋細胞の自発的な拍動による膜電位の計測

使用例:iPS 細胞由来心筋細胞の自発的な拍動による膜電位の計測

ヒトiPS 細胞から分化させた心筋細胞を用いた催不整脈作用のリスク評価に使用することができる。
レシオイメージング(2 波長の蛍光による値の比をとること)によりシグナルを増強し、不均一な染色、ブリーチングによる人為的誤差や自発的な拍動による影響を除去することができる。
色素:Di-4-ANEQ(F)PTEA
【動画あり】Potentiometric Probesウェブサイトはこちら

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今後に向けて

Potentiometric Probes 社は新しい膜電位感受性色素を開発し、アカデミアや製薬関連の研究者に向けて提供しています。現在、NIH(アメリカ国立衛生研究所)からの資金的援助をもとに、電位変化に対するレスポンスがより高速・高感度で、様々な細胞に互換性がある膜電位イメージングアッセイや新規色素の開発に向けて取り組んでいます。
今後も、イメージングや顕微鏡の分野で世界をリードする日本の研究者の皆様とともに、光学的電気生理学の発展に貢献していきたいと考えています。

使用例:モルモット心臓におけるDi-4-AN(F)EP(F)PTEA による活動電位の光学マッピング

モルモット心臓におけるDi-4-AN(F)EP(F)PTEA による活動電位の光学マッピング

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製品の詳細:フッ素化膜電位感受性色素

フッ素化膜電位感受性色素
高い光安定性、良好なS/N比、高感度を有します。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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