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フナコシニュース連載企画 「FRONTIERS」 Montana Molecular社の紹介

掲載日情報:2017/10/30 現在Webページ番号:65808

Frontiers

Vol. 19

セカンドメッセンジャーを経時的・動的に測定


Montana Molecular社は2007年に米国モンタナ州に設立された企業で,GPCRの下流シグナルである2ndメッセンジャーの増減をリアルタイムで観察可能な各種蛍光センサーを開発しました。今回は同社CSOで,モンタナ州立大学教授のDr. Thomas E. Hughesに,2ndメッセンジャー応答型蛍光センサーの概要やユーザーフィードバックを基にした製品の改良について話を伺いました。  

Frontiers_MOM_CSO

細胞内のシグナル伝達を担う2nd メッセンジャー

細胞内のシグナルは,スイッチのON/OFFのような単純なものではなく,様々な分子の複雑な相互作用によって伝達されます。例えばGPCRではGタンパク質の種類により異なり,Gs・Gi経路ではcAMPが,Gq経路ではDiacylglycerol(DAG),PIP2,Ca2+が2nd メッセンジャーとして機能します。また,Ca2+やcAMPはアルツハイマー病やパーキンソン病,ハンチントン病などの神経変性疾患でも変動することが知られており,創薬研究において2ndメッセンジャーの増減を観察することが求められています。


生細胞での2nd メッセンジャーの追跡は困難

これまでもFRETセンサーなどの2ndメッセンジャー検出用プローブはありましたが,シグナルが弱く自動プレートリーダーでの検出は困難でした。また,ELISAではエンドポイントでの測定となるため生細胞での動的な解析を行うことはできません。多くの研究者が2ndメッセンジャーの動的な解析や化合物・薬剤のハイスループットスクリーニングを行いたいと考えていましたが,それを可能にする技術が無かったのです。

2ndメッセンジャーの経時的・動的解析を可能にする可逆的蛍光センサー

Montana Molecular社の各種2ndメッセンジャー応答性蛍光センサーは,各種2ndメッセンジャーと特異的に反応することで蛍光強度が変動する特徴があります。 キットには,それらの蛍光センサーを発現する遺伝子をパッケージングした改変型バキュロウイルス(BacMam)が含まれており,哺乳動物細胞に添加するだけで発現させることができます。プロトコルはHEK293細胞に最適化されていますが,その他の哺乳動物細胞株や初代培養細胞にも使用できます(使用実績のある細胞種についてはフナコシWebをご覧下さい)。また,緑色赤色タイプのセンサーがあるため2 種類の2ndメッセンジャーの挙動を同時に解析することも可能です。

センサー 蛍光シグナル 選択基準
Upward 上昇 蛍光バックグラウンドが低い場合に有効
Downward 減衰 蛍光バックグラウンドが高い場合に有効
蛍光色素 測定波長
Green 励起450~490 nm/蛍光510~550 nm
Red 励起550~590 nm/蛍光600~700 nm
Gs/Gqシグナル伝達経路特異的応答の同時測定
Downward 型cAMP センサー(#D0200G)の使用例
Downward型のため,cAMPが存在しない状態で蛍光を発する(A)。β-アドレナリン受容体(β2-AR)に対するアゴニストIsoproterenolを添加すると,β2-ARのGsがAdenylylcyclaseを活性化し,cAMPが産生される(B)。時間経過によるcAMP濃度が上昇に伴って蛍光が減少し(C),cAMPの産生が止まると蛍光の変化も止まる(D)。
Gs/Gqシグナル伝達経路特異的応答の同時測定
Gs/Gqシグナル伝達経路特異的応答の同時測定
cAMP(Upward,#U0200R)とPIP2(Upward,#D0400G)センサーを同時に導入し,GsおよびGqのアゴニストでそれぞれ刺激した際の応答を観察した。GsアゴニストIsoproterenolで刺激するとcAMPのみが応答し(左),GqアゴニストCarbacholで刺激するとPIP2のみの応答が観察された(右)。

欧米で多くのお客様にお使い頂いています

私達の製品をお使い頂いているお客様の多くは,アカデミックや非営利研究機関,CRO,創薬センターの研究者です。細胞内シグナルに関する創薬研究,治療研究,薬理学研究を行う製薬企業にもオススメできる製品です。アメリカやヨーロッパでは,iPS細胞由来の神経細胞,心筋細胞,骨格筋細胞における細胞ストレスと2ndメッセンジャーシグナルを測定するために私達の製品を使用しているユーザーもいらっしゃいます。


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お客様のフィードバックから更なる製品開発を目指す

私達はユーザー様のフィードバックを積極的に入手し,常に新製品の開発や改良に役立てています。

例えば,上皮細胞に見られる極めて小さい細胞膜構造であるPrimary ciliaにおけるcAMP シグナルを研究したいというお客様の声にお応えし,専用のcAMPセンサー(#D0201G)を開発しました。また,神経細胞やCHO細胞でのBacMamの発現を向上させるため,濃縮タイプの製品も開発しました。今後も私達は,お客様が新しい生物学的を発見し革新的な技術を作り出すことを可能にする,最高品質のライブセル用蛍光センサーを提供し続けて参ります。

Customer Feedbackの一例

“The best thing about Montana biosensors has been the ease of use. My lab has already been doing live cell imaging, mostly free Ca2+.All we had to do is to infect the cells and use the same microscope set-up to gather data on PIP2, DAG and cAMP”.
Vladlen Z Slepak, PhD, Professor, Department of Molecular and Cellular Pharmacology, University of Miami School of Medicine

“We are making great strides with the cADDis sensor for cAMP so certainly will move to the 200 ml size. Everyone is impressed with the data we are getting, but there is also 30 years of pent-up demand for measuring cAMP dynamics in live cells. FRET sensors have not filled this need since the signals are small and the technical demands are high. cADDis is a real break through”.
Rennolds Ostrom, PhD, Professor, Department of Pharmacology, Chapman University



Montana Molecular社の2ndメッセンジャー測定用蛍光バイオセンサー製品の種類

商品コードをクリックすると価格表を直接ご覧いただけます。

Target factor 標的経路 プロモーター 細胞種 蛍光シグナル 測定方法 商品コード
Plate Imaging
cAMP Gs CMV Non-neuronal / whole cell Green Upward U0200G
Downward D0200G
Red Upward U0200R
Non-neuronal / primary-cilia Green Downward D0201G
Synapsin* Neuron / whole cell Green Upward U0202G
Downward D0202G
cAMP Gi CMV Non-neuronal / whole cell Green Downward X0200G
DAG Gq CMV Non-neuronal / whole cell Green Upward U0300G
Downward D0300G
Red Upward U0300R
Downward D0300R
PIP2 Gq CMV Non-neuronal / whole cell Green Upward D0400G
Red D0400R
Ca2+ Gq CMV Non-neuronal / whole cell Red Upward U0600R
Voltage - CMV Non-neuronal / whole cell Green Upward U0700G
Synapsin* Neuron / whole cell U0701G

測定方法Plate=プレートリーダー,Imaging=顕微鏡

Synapsinプロモーターを用いた蛍光バイオセンサーは,神経細胞に特異的に感染して発現されますが,発現量が少ないために一般の蛍光プレートリーダーによる測定は困難でありお勧めしません。神経細胞で蛍光プレートリーダーを用いて解析を行う必要がある場合には,高発現が可能なCMVプロモーターの製品をご使用下さい。ただし,CMVプロモーターの蛍光バイオセンサーは神経細胞に対する特異性がないために,同じ神経系を構成するグリア細胞においても発現することにご留意下さい。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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