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組換え体GPCRが膜上に提示されたプロテオリポソーム GPCRプロテオリポソーム(Proteoliposome)

掲載日情報:2017/02/15 現在Webページ番号:65498

Synthelis社独自の無細胞系発現システムにより製造した組換え体GPCR(G-protein-coupled receptors)をリポソーム膜上に包埋したプロテオリポソーム(proteoliposome)です。生物活性や純度が検定済み*で、スクリーニング、抗体・ワクチン開発、構造生物学や膜タンパク質のターゲッティング研究などに最適です。

* 一部製品については、現在検定中で未了の製品を含みます。
プロテオリポソームフォーマットのほかに、一部製品には結晶化研究に有用な界面活性剤溶液中で製造した組換えタンパク質もあります。

CXCR4の使用例

CXCR4 proteoliposome (#PL016)の結合特性の検証結果(Horiba Scientific SPRi :Surface plasmon resonance imaging):プラットフォーム使用)
CXCR4 proteoliposomeとリガンドであるSDF1αの特異的相互作用を検出した。ビオチン化CXCR4 proteoliposomeをスポットしたバイオチップ上に、SDF1aを添加した結果、濃度依存的なシグナルが得られた。 ネガティブコントロール(non-relevant proteoliposomes)のスポット上ではシグナルは観察されなかった。

A:SDF1αを注入後にられたセンサーグラム,
B:定常状態で得られた反射率の変化
SDF1aペプチド連続注入量:5 nM、10 nM、20 nM

B2Rの使用例

B2R proteoliposome(#PL080)の結合特性の検証結果

ネガティブコントロールプロテオリポソームまたはB2Rプロテオリポソーム(#PL080)をそれぞれ同一の5点をスポットし、HOE140(選択的B2ブラジキニンレセプターアンタゴニスト)の注入後のプロテオリポソーム表面をSPRiにより観察した。ネガティブスポット上にはシグナルは検出されず、一方B2RスポットへのHOE140の結合が観察された。

GPCRプロテオリポソーム(proteoliposome)製品一覧

商品コードをクリックすると価格表がご覧いただけます。

GPCR
Class
略称 タンパク質名 由来 M.W. Tag 純度 検証項目 商品
コード
Class A B2R Bradykinin receptor 2
#PL080
Human 47 kDa
(完全長)
N-term
His-tag

(SPRi*)
PL080
CXCR4 C-X-C chemokine receptor type 4
#PL016
43 kDa
(完全長)

(SPRi*)
PL016
MT1 Melatonin receptor type 1A
#PL028
40 kDa
(完全長)
>50% PL028
RXFP1 Relaxin receptor 1
#PL068
89.1 kDa >70%
(SPRi*)
PL068
Class B GLP1R Glucagon-like-peptide 1 receptor
#PL067
55.5 kDa
(完全長)

(SPRi*)
PL067

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GPCRプロテオリポソーム(proteoliposome)製品一覧


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Synthelis社の無細胞系タンパク質発現システム

Synthelis社は無細胞系タンパク質発現システム(cell-free protein expression system; CFPS)とリポソーム作製技術を組み合わせ、膜タンパク質をリポソーム膜上に発現させる技術を保持し、特許を有しています。CFPSは細胞外の細胞転写および翻訳機構を利用することにより、in vitro で標的となる1つまたは複数の遺伝子のみを発現させることができ、従来の発現系では困難であった膜タンパク質、細菌・ウィルスタンパク質や毒性タンパク質の作製に有用です。特に膜タンパク質に有効で、Synthelis社の無細胞系発現システムで新たに合成された膜タンパク質の反応混合物中に、平均粒径100 nmリポソームを添加することにより、膜タンパク質を直接リポソームに包埋することができます。この結果、平均粒径600 nm(粒径分布:400~800 nm)プロテオリポソームが生成します。この方法により生成したリポソームの80%以上は、生物学的活性を有することが確認されており、またタンパク質の立体配座の維持にも有用です。

cell-free プロテオリポソームの生成
  • 広範なタンパク質変異体の迅速な発現
  • 完全長タンパク質により、完全に保存された機能性
  • 大容量タンパク(10~100 mg)製造とスケールアップへの適応性
  • タンパク質発現の実行可能性を短期間(最大2~3ヶ月)で検証可能
  • 迅速かつ経済的にタンパク質標識(構造的および機能的目的のため)が可能
  • > 90%の成功率(タンパク質の種類に依存する)
  • 既に発現実績のあるタンパク質の短時間での生産可能(タンパク質1 mgあたり1~2週間)

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タンパク質の機能

(1)Bradykinin receptor 2(B2R)

ブラジキニンレセプターのB2Rは、ホスファチジルイノシトール-カルシウムセカンドメッセンジャーシステムを活性化するGタンパク質と関連します。9 aaのブラジキニンペプチドは、血管拡張、浮腫、平滑筋攣縮および痛みの神経繊維の刺激などの多くの応答を誘発します。 B2Rは、静脈、腸、子宮、気管および肺などの様々な平滑筋の緩徐な収縮も媒介し、動脈および細動脈の内皮依存性弛緩を誘導および腎臓におけるナトリウム利尿を刺激します。 B2RはGqおよびGiに結合し、GqはホスホリパーゼCを刺激して細胞内遊離カルシウムを増加させ、一方でGiはアデニル酸シクラーゼを阻害し、またマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ経路を刺激します。B2Rは、またアンジオテンシン変換酵素(ACE)と複合体を形成し、レニン-アンジオテンシン系(RAS)とキニン-カリクレイン系(KKS)間のクロストークにおいて重要な役割を果していると考えられています。

(2)C-X-C chemokine receptor type (CXCR)

ヒトCXCR4(C-X-C chemokine receptor type 4)は、リンパ球の強力な化学走性活性を有するstromal-derived-factor-1(SDF-1, CXCL12)に特異的なα-ケモカインレセプターの一つです。CXCR4は、胎児の適切な発育に必要で、またヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)のT-tropic株の主な共受容体でもあります。SDF-1およびCXCR4は、がん細胞の移動および転移を媒介します。ケモカインレセプターのほとんどのN末端ドメインはリガンド結合ドメインなので、CXCR4のN末端ドメインはSDF-1の結合部位になっています。

(3)Melatonin receptor type 1A(MT1)

メラトニンに対し高い親和性を有するMT1は、メラトニンの生殖および概日作用を媒介していると考えられます。このレセプター活性は、アデニル酸シクラーゼ活性を阻害する百日咳毒素感受性Gタンパク質により媒介されます。

(4)Relaxin receptor 1(RXFP1)

Relaxin/insulin-like family peptide receptor 1は、ヒトrelaxin-2の同族レセプターです。ヒトRXFP1(LGR7)は、4q32.1染色体上に位置し、Erk1 / 2、チロシンキナーゼ、遺伝子転写および一酸化窒素(NO)シグナル伝達を活性化することが知られており、glucocorticoid receptor(GC)とも相互作用します。hRXFP1は、卵巣、子宮、胎盤、乳腺、前立腺および精巣を含む広範な生殖組織に見出されます。このレセプターは、心臓、腎臓、肺、肝臓および血液細胞、ならびに皮質、椎弓板(OVLT)および下垂体器官(SFO)など脳の多数の領域に存在します。またhRXFP1は、ヒトの心臓に対して、収縮を伴う強力な変時作用を有しています。

(5)Glucagon-like peptide 1 receptor(GLP1R)

Glucagon-like peptide 1 receptor(GLP-1R)は、2型糖尿病治療の主要な治療標的となっているGPCR classBに属します。このレセプターは、インクレチンペプチドGLP-1(グルカゴン様ペプチド)によって活性化され、2型糖尿病の治療に有益となる末梢組織のインスリン感受性の改善、β細胞量の維持および体重減少などのグルコース依存性インスリン分泌および生合成を含む広い範囲の生理学的効果を促進します。


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GPCRプロテオリポソーム(proteoliposome)の特長

  • ほとんどの製品で生物学的活性または機能を検証済みです。
  • 平均粒径600 nm(粒径分布:400~800 nm)

ご案内したカタログ製品以外に、蛍光または同位体標識、非天然アミノ酸の組み込みや切断型または突然変異型など、ご要望に応じたプロテオリポソームの受託製造も可能です。詳細はこちらをご覧下さい。

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GPCRプロテオリポソーム(proteoliposome)の適用

  • スクリーニング&ディスプレイテクノロジー
  • 構造生物学
  • 抗体開発

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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