血中脂質のトータルプロファイルが可能 リポタンパク質/脂質プロファイル解析サービス「 LipoSEARCH®/LipoCULTURE」
掲載日情報:2025/06/18 現在Webページ番号:654
メンエキセイブツケンキュウジョ /
株式会社免疫生物研究所
[メーカー略称:SLB]
LipoSEARCH®は微量の血液試料、LipoCULTUREは細胞培養上清中試料から高感度ゲルろ過HPLC法を用いて、リポタンパク質の詳細プロファイルデータを解析する受託サービスです。リポタンパク質の主要分画(CM、VLDL、LDL、HDL)および、リポタンパク質の詳細20分画に含まれるコレステロール、中性脂肪の数値を解析し、血中および細胞培養上清中の脂質プロファイルデータを提供します。
LipoSEARCH®は、小動物からヒト臨床検体までの微量の血清および血漿試料で分析可能で、脂質代謝および生活習慣病領域の創薬、機能性食品開発、臨床研究など幅広い分野でおすすめです。また、LipoCULTUREは、脂質代謝改善作用を有する機能性食品素材のスクリーニング、既に絞り込まれた候補素材の機能検証、製品化素材の新たなエビデンスデータの取得におすすめです。
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リポタンパク質とは
リポタンパク質は血液に不溶な脂質の輸送体としてアポタンパク質と脂質より形成される複合粒子です。比重の低い順にカイロミクロン(CM)、超低比重リポタンパク質(VLDL)、低比重リポタンパク質(LDL)、高比重リポタンパク質(HDL)の主要4分画に分類され、比重と粒子サイズには相関関係があります。また、栄養や代謝の状態などによって血中の存在比や脂質含量が変動すると言われています。
カイロミクロン(CM)
超低比重リポタンパク質(VLDL)
低比重リポタンパク質(LDL)
LDLはVLDLの代謝によって生じる内因性リポタンパク質です。LDLは構成タンパク質であるApoB100をリガンドとして、LDLレセプターにより肝臓や末梢組織に取り込まれます。コレステロールは細胞膜の成分として必須であり、ステロイドホルモンの基にもなります。LDLは末梢細胞にコレステロールを供給する重要な役割を果たしています。一方、LDL-Cは、TCよりも動脈硬化と強い相関をもつことが確認されており、動脈硬化性疾患の直接的な危険因子の一つとされています。
sdLDL
高比重リポタンパク質(HDL)
HDLは肝臓と小腸から合成されるApoA1およびApoA2を構成アポタンパク質とする内因性リポタンパク質です。他のリポタンパク質よりも脂質の比率が少なく、アポタンパク質などのタンパク質に富むため比重が大きく、また粒子サイズが小さいのが特徴です。ApoA群にPL(リン脂質)が結合して円盤状のnascent HDL(原始HDL)が形成されます。このnascent HDLにABCA1の作用でFC(遊離型コレステロール)が付与されます。付与されたFCはApoA1を補酵素とするLCATによりエステル化されてCE(コレステロールエステル)となり、HDL粒子の中核部に移行して球状の小型HDLが生成されます。さらにABCG1などの作用で細胞からFCを受け取り、大型HDLへと成熟していきます。
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特長
- 微量の血清および血漿で分析可能(ヒト:100 μl推奨/45 μl以上必須、動物:50 μl推奨/35 μl必須)
- 主要分画のうち、従来は分析が困難だったCMやVLDLも定量評価可能
- 動脈硬化リスクマーカーの小型LDLなどの詳細20分画の分析が可能
- リポタンパク質の粒子サイズと粒子数の分析が可能
- ヒト、マウス、ウサギ、サルなどの動物種を問わず分析可能
- 血液の他、培養上清や脳脊髄液などの低濃度試料も分析可能
- 国内外顧客の論文へのデータ引用は600報以上の実績
- 新薬の非臨床試験、臨床開発試験(PhaseⅡ、Ⅲ)、トクホ試験への採択実績多数
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適用例
- コレステロールとトリグリセリドに注目した脂質代謝研究
- 糖尿病や高脂血症、肥満などの生活習慣病の研究
- 脂質代謝を改善する薬物や機能性食品の研究
- マウスなどの小動物による、同一個体の脂質代謝の経時的解析
- トランスジェニックやノックアウトマウスの表現型解析
- 細胞培養上清や脳脊髄液など低濃度試料のリポタンパク質測定
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測定原理
試料測定 ~リポタンパク質の分離と酵素反応~

データ解析

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操作方法概略

解析アルゴリズム

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解析の一例
クロマトグラム

主要4分画の濃度

細胞培養上清(HepG2)

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解析結果の一例

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応用事例のご紹介
LipoSEARCH®の600報を超える学術論文への掲載実績の中から、それぞれのリポタンパク質を標的とした研究論文をご紹介しています。画像をクリックすると、PDFでご覧いただけます(各2ページ)。
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ご用意いただく試料
- 血清および血漿の場合
ヒト:100 μl推奨、45 μl以上必須
動物:50 μl推奨、35 μl必須
- 細胞培養上清、脳脊髄液:600 μl推奨、350 μl以上必須
その他の試料の場合:当社受託・特注品担当(下記参照)までお問い合わせ下さい。
※ 試料量が足りない場合は事前にご相談下さい。
※ 凍結試料、抗凝固剤を使用した試料での解析を希望される場合は、ご相談下さい。
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基本メニュー
解析項目 | 対象試料 | 詳細20画分 Cho |
詳細20画分 TG |
主要4画分 Cho |
主要4画分 TG |
クロマトグラム (rawデータ) |
価格(税別) (1試料当たり) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
LipoSEARCH® | 血清、血漿(動物種問わず) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ¥16,000 |
LipoCULTURE* | 細胞培養上清、脳脊髄液 | ¥20,000 |
* pHインジケータ含有試料の場合、追加料金あり(追加メニューをご参照下さい)。
- 詳細20分画:主要4分画を粒子サイズにより20分画に細分化・定義したサブクラス
- 主要4分画:CM、VLDL、LDL、HDL(Cho: コレステロール、TG:中性脂肪)
- クロマトグラム(rawデータ):論文やレポートの図表作成にご活用いただけます。
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追加メニュー
追加解析項目 | 内容 | 価格 |
---|---|---|
リポタンパク質粒子サイズ解析 (観測値) |
主要4分画の粒子サイズ(単位:nm)を解析します。小型LDLなど、リポタンパク質の「質の変化」の評価に活用いただけます。(各分画の波形のピークトップのサイズです。波形によってはピークトップを確認できず、値が出ない場合もあります。) | ¥5,000 |
遊離グリセロール | LipoSEARCH®およびLipoCULTUREで検出する遊離グリセロール(単位:mg/dl)を定量します。中性脂肪値のより正確な評価に活用いただけます。 | ¥5,000 |
リポタンパク質粒子数解析 | 詳細20分画データから、20分画の粒子数(単位:nM)を解析します。 | ¥5,000 |
LipoCULTURE追加料金 | pHインジケータ含有試料をご依頼いただく場合の追加料金です。 | ¥10,000 |
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ご注文方法
専用依頼書に必要事項をご記入の上、当社受託・特注品業務担当までemailまたはFaxでお送り下さい。
※ 試料調製、保管、送付先についてはこちらをご参照下さい。
※ 詳細はお問い合わせ下さい。
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参考文献
■ LipoSEARCH®の測定技術に関する論文
- Toshima, G., et al., J. Biol. Macromol., 13 (2), 21~32 (2013). [doi:10.14533/jbm.13.21]
- Usui, S., et al., Clin. Chem., 46 (1), 63~72 (2000). [PMID:10620573]
- Okazaki, M., et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 25 (3), 578~584 (2005). [PMID:15637308]
- Okazaki, M., et al., Clin. Chem., 52 (11), 2049~2053 (2006). [PMID:16990425]
- Okazaki, M., et al., J. Oleo Sci., 65 (4), 265~282 (2016). [PMID:27041512]
■ LipoSEARCH®を使用した論文
- Ikezaki, H., et al., Clin. Chim. Acta., 548, 117521 (2023). [PMID:37597644]
- Tsujita, K., et al., J. Atheroscler. Thromb., 30 (11), 1580~1600 (2023). [PMID:36908150]
- Masuda, D., et al., J. Atheroscler. Thromb., 27 (11), 1183~1207 (2020). [PMID:32435010]
- Yamashita, S., et al., J. Atheroscler. Thromb., 28 (9), 974~996 (2021). [PMID:33536398]
- Tani, S., et al., J. Cardiol., 76 (5), 487~498 (2020). [PMID:32636128]
- Beaufrère , H., Vet. Clin. North Am. Exot. Anim. Pract., 25 (3), 697~712 (2022). [PMID:36122947]
- Uehara, Y., et al., Front. Nutr., 10, 1297008 (2024). [PMID:38260075]
- Nanashima, N., et al., Molecules, 26 (13), 4085 (2021). [PMID:34279425]
- Hata, K., et al., Biomed. Res., 41 (1), 33~42 (2020). [PMID:32092738]
- Sasaki, A., et al., In Vitro Cell Dev. Biol. Anim., 53 (2), 93~95 (2017). [PMID:27612879]
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FAQ
Q1. 超遠心法と相関性は示されていますか?また、論文はありますか?
A1. 超遠心法との相関性を確認しており、下記文献にて報告しています。
- 日本分析化学会機関誌 ぶんせき 12, 723~729 (2000).
- Usui, S., et al., J. Lipid Res., 43 (5), 805~814 (2002). [PMID:11971952]
- Usui, S., et al., Clin. Chem., 46 (1), 63~72 (2000). [PMID:10620573]
- Okazaki, M., et al., Clin. Chim. Acta, 395 (1-2), 62~67 (2008). [PMID:18515083]
- Usui, S., et al., Clin. Biochem., 42 (1-2), 114~117 (2009). [PMID:18996105]
- J. Biol. Macromol., 13 (2), 21~32 (2013).
Q2. サービスの実績について教えて下さい。
A2. 2003年のサービス開始以降、医学、薬学、栄養学、獣医学などの研究領域で活用され、600報以上の学術論文への掲載実績があります。また、新薬の非臨床試験、臨床開発試験での採択実績があります。
Q3. 再現性(日内変動・日間差)、希釈直線性、干渉物質による影響などの検証データは、論文で示されていますか?
A3. 下記文献にてご紹介しています。
- J. Biol. Macromol., 13 (2), 21~32 (2013).
- The Fats of Life (Winter 2004), XVⅢ (1), 64~68 (2004).
Q4. 採取後の検体の保存方法、発送条件を教えて下さい。
A4. 超低温フリーザーにて凍結保存していただき、ドライアイス同梱のうえ冷凍便にてご発送下さい。凍結融解の繰り返しは避けて下さい。検体の凍結融解を繰り返すと、測定数値に影響が出る可能性がございます。
■ LipoSEARCH®凍結融解の影響
Q5. Bufferで希釈した試料を依頼できますか?
A5. 希釈を要する場合、(株)免疫生物研究所にて専用希釈液で希釈します。お客様ご自身による希釈はお控え下さい。
Q6. 試料は測定後に保管・返却してもらえますか?
A6. 試料の保管は原則行っていません。あらかじめご了承下さい。返却をご希望の場合は、依頼書にご入力いただきます。
Q7. 測定できる動物種に条件はありますか?
A7. ヒト以外の動物種でも測定可能です。マウス、ラット、ウサギ、サル、ウシ、オウム、トカゲ、イヌ、ネコ、メダカなどさまざまな動物種にて測定実績があります。
Q8. 抗凝固剤に要件はありますか?
A8. 抗凝固剤に要件はありません。ただし、ヘパリンを静脈投与したあとの血清・血漿ではリポプロテインリパーゼ(LPL)が多く含まれることが考えられます。リポタンパク質の中の中性脂肪の加水分解が進む可能性がありますのでご留意下さい。
Q9. 採血前の実験動物への給餌については、どのようにするのがよいのでしょうか?
A9. 基本は空腹時採血(目安:10時間程度の絶食)が好ましいです。食餌による影響も検討される場合には、通常通りに給餌していただいて構いません。
Q10. 試料中のリポタンパク質分画を分離・回収することはできますか?
A10. リポタンパク質分画を回収することはできません。
Q11. 解析結果報告はどのような形式になりますか?
A11. エクセル・PDFにまとめ、電子データ(E-mail添付)でご報告します。
Q12. クロマトグラムの縦軸のmVとは何ですか?濃度や粒子数に換算することはできますか?
A12. 単位「mV」は、HPLCにおける吸光度の単位(検出強度)です。グラフ縦軸(mV)を濃度や粒子数で示すことはできません。
Q13. 追加メニューで得られる遊離グリセロール濃度はどのように活用できますか?
A13. 遊離グリセロールは主にTG-richリポタンパク質であるCMやVLDLと関連します。例えば、遊離グリセロールの増加は、これらTG-richリポタンパク質の産生増加またはクリアランス減少に伴う血中TGの分解が亢進していることを示すと考えられています。
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