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早分かり!Golgi-Cox(ゴルジ-コックス)染色改良キット superGolgi/eliteGolgi/sliceGolgiキットのFAQ

掲載日情報:2019/05/27 現在Webページ番号:63511

superGolgi/eliteGolgi/sliceGolgiキット

品名をクリックすると製品の詳細、商品コードをクリックすると価格表をご覧いただけます。

品名 superGolgi Kit eliteGolgi Kit sliceGolgi Kit
使用例イメージ superGolgi Kit eliteGolgi Kit sliceGolgi Kit
商品コード 003010 006690 003760
製品概要 Golgi-Cox(ゴルジ-コックス)染色を改良し、脳組織ブロックの樹状突起および樹状突起スパインを迅速に染色できるキット。 Golgi-Cox(ゴルジ-コックス)染色を改良し、嗅球、大脳皮質、小脳、脳幹および脊髄の神経を迅速かつ高いコントラストで染色できるキット。 厚さ50~400μmの浮遊切片を、迅速にゴルジ染色するキット。

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superGolgi/eliteGolgi/sliceGolgiキットのFAQ

Q1 免疫細胞染色/ゴルジ染色を行うに当たって、どの対比染色試薬を使用すればよいですか?

A-1. (クリックで開閉します)

Bioenno Tech社のCounterstain Kitの使用をオススメします。詳細はこちらをご覧下さい。


Q2 マウス/ラットの脳で、特定の部位をゴルジ染色したいのですが、どのキットを使用すればよいですか?

A2 (クリックで開閉します)

Bioenno Tech社では下記3種類のゴルジ染色キットを取り揃えています。下記表中の品名をクリックすると、関連記事をご覧頂けます。

部位 superGolgi Kit eliteGolgi Kit sliceGolgi Kit
嗅球 ++ +++ ++
大脳皮質 (前頭皮質、梨状皮質、
嗅内皮質、嗅周皮質、新皮質など)
+++ +++ +++
海馬体 +++ -~+ ++~+++
扁桃体 +++ -~+ ++
線条体 ++ +++
中隔 +++ ++
脳幹の核 +++ +~++
小脳 +++ -~+
脊髄 +~++ +++(immature)
-~+(adult)
+~++

+++ Excellent Staining; ++ Good Staining; + Fair Staining; - Poor Staining


Q3 eliteGolgiキットとsuperGolgiキットの違いは何でしょう?

A3 (クリックで開閉します)

eliteGolgiキットにはエンハンサーが含まれているため、神経細胞の浸透処理を速やかに行うことができます(superGolgiキットが1~2週間に対しeliteGolgiキットは3~6日)。また、eliteGolgiキットに含まれる試薬は脳組織に対する毒性が低いため、浸透処理を行った組織/切片に対するダメージは少なく、断片化されません。


Q4 superGolgi/eliteGolgiキットとsliceGolgiキットの違いは何でしょう?

A4 (クリックで開閉します)

superGolgi/eliteGolgiキットは新鮮、未固定脳組織の染色に最適です。神経細胞の浸透処理は、組織ブロックで、染色はスライドにマウントした切片または浮遊切片で行います。
sliceGolgiキットは、急性スライス標本、器官型スライス培養標本、ACSFを注入した切片の染色に最適です。また、キットに含まれる固定液でかん流した脳組織では、非常に明瞭な染色結果が得られます。かん流した脳は、組織ブロック・浮遊切片のいずれの状態でも浸透を行うことができます。
別売りの専用固定試薬もあります(#003780)。


Q5 superGolgi/eliteGolgi/sliceGolgiキットで網膜、脊髄、培養神経の染色は行えますか?

A5 (クリックで開閉します)

いずれのキットも、ラット・マウスの網膜・脊髄での染色を検証済みです。sliceGolgiキットは培養神経の染色に使用できます。染色される神経の数は少なくなる傾向にありますが、固定時間を延長(2~3日)することで、改善できる場合があります。


Q6 superGolgi/sliceGolgiキットで染色可能なラット/マウス脳の量を教えて下さい。

A6 (クリックで開閉します)

1キットで、12個の成熟ラット脳組織(1×1×2 cm)、または24個以上のマウス脳組織(~1×1×1 cm)の染色が可能です。また、成熟マウスの海馬は全脳の約半分の大きさのため、1キットで約48個の海馬組織の染色を行えます。


Q7 スパイン染色に適した切片の厚さは?

A7 (クリックで開閉します)

大部分の脳領域では200μmで染色できます。スパインにのみ焦点を当てる場合、高倍率での撮影には100~150μmの厚さが最適です。


Q8 数か月~数年間冷凍(-70~80℃)で保存した4%PFA固定試料にGolgiキットは使えますか?

A8 (クリックで開閉します)

使えません。3キットのいずれも凍結組織の染色には適していません。


Q9 superGolgiキットを使用する際に、実験動物を生理食塩水でかん流する必要はありますか?かん流をせずに実験を行った場合、染色結果に影響はありますか?

A9 (クリックで開閉します)

生理食塩水でのかん流をお勧めします。樹状突起スパインの染色性に差は見られませんが、かん流を行った脳は未処理の脳に比べ迅速に浸透し、バックグラウンドも低くなります。


Q10 superGolgi Kitについて:浸透を行い、脳切片作製の準備ができましたが、切片を作る時間がありません。浸透処理した脳の保管方法を教えて下さい。

A10 (クリックで開閉します)

浸透処理した組織ブロックは、post-impregnation solutionに浸した状態で4℃、4週間まで保存可能です。切片の作製を始めてしまった場合は作業を中断せず、封入まで迅速に作業を行って下さい。


Q11 Vibratomeの代わりにCryostatを使って、浸透処理した脳組織ブロックから切片を作製する方法を教えて下さい。

A11 (クリックで開閉します)

浸透組織切片の作製は室温(20~22℃)で行って下さい。VibratomeやMicroslicerを使用した方が素早く切片の作製を行えるため、推奨しています。Cryostatを使用する場合、温度を20~22℃に設定するか、または電源を切ってMicro slicerとして使用するなど、本来の使い方とは異なる操作を行うことになります。組織ブロックはチャック上に接着させます(凍結や包埋は不要)。

ほとんどのCryostatは、1~60μmの厚さの切片作製用にデザインされているため、100, 200 、300μm切片の作製には特殊な操作が必要です。120μm切片の作製を例にすると、まずCryostatを60μmの薄さにカットする状態にセットし、約半周slicing knobを時計回りに回転させ、次に反時計回りに回して元の位置に戻します。これを続けることで120μm切片が得られます。
全機種に適合することは保証しません。機体モデルによっては機械を傷つける可能性があります。


Q12 superGolgi Kitで浮遊切片の染色は可能ですか?

A12 (クリックで開閉します)

はい。浮遊切片の染色・後染色は可能でReaction Solution C、Dを節約できます。しかし切片の貼り付けに時間がかかることがあります。浸透した組織/切片は壊れやすいため、貼り付けた切片で染色を行うことをお勧めします。回収/移動操作時に組織が壊れることを防ぐため、キットには大きいShader paintbrushが含まれています。


Q13 superGolgi Kitで染色/後染色を行う際に、切片がスライドから落ちないようにする方法はありますか?

A13 (クリックで開閉します)

切片はゼラチンコートなどで接着性を高めたスライドガラス上に乗せます。吸水性の紙で切片を優しく押し付けても良いでしょう。切片のマウンティングの際にはグローブを着用して下さい。PBS-Tで洗浄する前に切片をよく乾燥させ、切片/スライドをdH2Oで洗浄するのは避けて下さい。


Q14 ゼラチンコートスライドの作り方を教えて下さい。

A14 (クリックで開閉します)

0.5%ゼラチンと0.05~0.1%の硫酸カリウムクロム十二水塩[CrK(SO4)2・12H2O]を含むコート溶液を準備…5 gのゼラチンを1,000 mlの温めたdH2O(~45℃)に溶解し、その後0.5~1.0 gの硫酸カリウムクロムを添加します。溶液をフィルター処理し、室温または4℃で保存します。フィルター処理した溶液は冷蔵で数日間保管できます。使用前に再度フィルター処理することをお勧めします(フィルター処理前に室温に戻す)。 コーティング…室温で行う。金属ラックに清潔なスライドガラスをセットし、ラックを3~5回(各~5秒)コーティング溶液に浸します。スライドが乾くまでラックを乾燥させます(埃防止のためペーパータオルでカバーしてもOK)。乾燥したスライドはボックスに保管し、使用するまで室温で保存します。


Q15 4%のPFAで脳を灌流固定しなければなりません。Golgi Kitでスパインの染色は可能でしょうか?

A15 (クリックで開閉します)

数日~数週間4% PFAで固定した組織/切片ではGolgi kitは使用できません。もし固定時間が数分~数時間であれば、染色可能な場合もあります。4%PFAで固定した組織/切片をdH2Oで数時間または一晩リンスし、その後浸透処理を行うことをお勧めします。 または、生理食塩水で灌流した動物から摘出した脳を二つの半球に分割し、一方を4%PFAで固定、もう一方もゴルジ染色に使用する方法もあります。


Q16 sliceGolgi Kitの固定液中で、組織はどの程度の期間保存できますか?

A16 (クリックで開閉します)

sliceGolgi KitやFixative Kit (#003780)の固定液は、神経細胞の染色に影響を与えます。長時間(数日から数週間)固定液にさらすと、非常に多くの神経細胞が染色され、樹状突起スパインのラべリングを阻害します。


Q17 sliceGolgi Kitについて、キット付属の固定液で固定した組織ブロックの浸透は可能ですか?

A17 (クリックで開閉します)

はい。浸透は組織ブロックでも浮遊切片でも行うことができます。もし切片ではなく組織ブロックで浸透を行う場合、余分な固定液を取り除くため、組織ブロックを数時間dH2O(dH2Oは何度か交換する)でリンスして下さい。その後、浸透操作に移ります。


Q18 器官型の培養切片でのsliceGolgi Kitの使用方法は?

A18 (クリックで開閉します)

CO2インキュベーターから培養切片を取り出し、メンブレン(培養切片の乗っているメンブレン)を室温で0.1 M PBで数秒間リンスします(冷えたバッファーでのリンスは、スパインの退縮を引き起こします)。次に、キットに含まれる固定液へメンブレンを浸します。一般的に、~350μmの切片であれば2~4時間の固定が良いでしょう。長時間(一晩または数日)の固定は神経細胞の軸索のラベリングを増加する可能性があります。


Q19 sliceGolgi Kitによるゴルジ染色・免疫染色の二重染色の方法を教えて下さい。

A19 (クリックで開閉します)

まず浮遊条件下で固定切片のゴルジ染色を行い、その後免疫染色を行います。長期間組織を固定液や浸透液に浸すと、抗原エピトープが妨げられてしまいます。明瞭な染色結果を得るためには、できるだけ短時間で組織を固定し、2~3日で浸透処理を行って下さい。また、免疫染色には高感度なアビジン-HRP検出システムを使って下さい。Bioenno社のDAB-KitおよびDAB-Co Kitを下記の方法で使用することで明瞭な結果が得られます。

1)実験動物を生理食塩水とBioenno社の固定液(キット構成品または別売りFixative Kit (#003780))で20~25分灌流処理する。脳を摘出し、0.1 MのPB(pH 7.4)で保存した後、室温(~22℃)で切片を作製する(~50μm)。切片は0.1 M PB(pH 7.4)中に回収する。かん流をうまく行えなかった場合は、組織を1~3時間後固定する。

2) 室温で浮遊切片をsliceGolgi Kitを用いてゴルジ染色する。2~3日間浸透処理した切片を0.01 M PBS-Tで洗浄し、染色(2~4分)、後染色(~1分)を行う。
浸透に5~7日間必要な場合は、免疫染色は難しくなります。

3) 切片をPBS-Tで数分洗浄し、H2O2 (30% H2O2 30μl+PBS-T 10 ml)で20分間処理し、再度PBS-Tで洗浄する。

4) 免疫染色の実施:切片を一次抗体とともに一晩インキュベーションした後、PBS-Tで10~15分洗浄し、ビオチン標識二次抗体とアビジン-ビオチン複合体で処理する。H2O2を含むDABまたはDAB-コバルトにより発色させる。
ビオチン標識一次抗体を使用した場合、ビオチン標識二次抗体は不要。

5) 切片をマウント、乾燥、脱水・透徹し、非水溶性の封入剤でカバーする。


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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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