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標的細胞に選択的な細胞死を誘導するサポリン標識二次抗体 セカンドイムノトキシン

掲載日情報:2021/03/19 現在Webページ番号:5113

二次抗体にサポリン(ZAP)を標識したセカンドイムノトキシン(Ab-ZAP)および、一次抗体のスクリーニングに必要なすべての試薬をセットにした☞ ZAP Antibody Internalization Kitがあります。お手持ちの未標識一次抗体を用いて標的細胞に選択的な細胞死を誘導できます。


ZAP Antibody Internalization Kitの概要


セカンドイムノトキシンとは

セカンドイムノトキシンは、各種二次抗体にサポリンを結合させた製品です。未標識一次抗体を用いた☞ ターゲットトキシン実験が可能です。
サポリンはサボンソウ(Saponaria officinalis )の種子に含まれる毒素タンパク質で、直接リボソームを不活性化することでタンパク質合成を阻害し、極めて低濃度で細胞死を引き起こします。

標的細胞に選択的な細胞死を誘導するセカンドイムノトキシン

抗体またはリガンドとサポリンが結合した☞ ターゲットトキシン(イムノトキシン)は、標的細胞膜上の抗原またはレセプターを介して細胞内に取り込まれ、サポリンの作用によりリボソームを不活性化します。これによりタンパク質合成阻害が起こり、その結果、標的細胞のみに細胞死を誘導します。

ターゲットトキシンの原理1
ターゲットトキシンの原理2
ターゲットトキシンの原理3

ターゲットトキシンの原理

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特長

  • 抗ニワトリ、ヤギ、モルモット、ヒト、マウス、ウサギ、ラット抗体の製品があります。お手持ちの一次抗体に適した製品をご選択下さい。
  • セカンドイムノトキシンは一次抗体と結合した後、細胞内へ取り込まれます。その後、遊離したサポリンが細胞内リボソームを不活性化します。これにより特定の細胞のみに細胞死を引き起こすことができます。
  • 一次抗体にサポリンを直接標識する必要がありません。

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製品ラインナップ

セカンドイムノトキシンは、以下の3つの製品群より構成されます。各製品群をクリックすると、詳細をご覧いただけます。

☞ ZAP Antibody/ZAP Antibody Internalization Kit
サポリン標識二次抗体
☞ Streptavidin ZAP Antibody Kit ☞ Streptavidin ZAP Peptide Kit

ZAP Antibody/ZAP Antibody Internalization Kit

二次抗体にサポリンを標識したセカンドイムノトキシン(Ab-ZAP)です。キットにはそれに加え、細胞毒性評価試験に必要なブランクコントロール(BIg-SAP、Ab-ZAPと同一動物種・同一アイソタイプのサポリン標識イムノグロブリン),サポリン、PMS/XTTが含まれます。商品コードをクリックすると各製品の価格表、使用例をクリックすると各製品の使用例をご覧いただけます。

二次抗体の種別 IgG(IgY)(二価)
Whole IgG
IgG Fab(一価)
Whole IgG
標的とする一次抗体の認識部位 全IgG分子
Whole IgG
全IgM分子

Whole IgG
VHHドメイン
Whole IgG
全IgG分子
Whole IgG
Fcドメイン
Fcドメイン
IgMのFcドメイン
Whole IgM Fcドメイン
一次抗体の動物種 製品種別 商品コード
Human Ab-ZAP IT-22 使用例 IT-43 IT-51 使用例 IT-65 使用例 IT-78
ZAP Ab Kit KIT-22 KIT-43 KIT-51 KIT-65 KIT-78
Mouse Ab-ZAP IT-04 使用例 IT-30 IT-48 使用例
ZAP Ab Kit KIT-04 KIT-30 KIT-48
Rabbit Ab-ZAP IT-05 使用例 IT-57 使用例
ZAP Ab Kit KIT-05 KIT-57
Rat Ab-ZAP IT-26 使用例 IT-55 使用例 IT-88
ZAP Ab Kit KIT-26 KIT-55 KIT-88
Goat Ab-ZAP IT-36 使用例
ZAP Ab Kit KIT-36
Checken (IgY) Ab-ZAP IT-62
ZAP Ab Kit KIT-62
Guinea pig Ab-ZAP IT-64
ZAP Ab Kit KIT-64
Alpaca Ab-ZAP IT-87
ZAP Ab Kit KIT-87

Streptavidin ZAP Antibody Kit

in vivoにおける内在化アッセイにおいて、セカンドイムノトキシンとして使用されるサポリン標識二次抗体(Ab-ZAP)に対応したブランクコントロール(BIg-SAP、非標的サポリン標識イムノグロブリン)とサポリン標識ストレプトアビジン(Streptavidin-ZAP, #IT-27)のセットです。ご使用される二次抗体の免疫動物種に対応した製品をご選択下さい。商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。

標的物質 結合物質 セカンドイムノトキシンのタイプ 商品コード
細胞膜表面
抗原タンパク質
抗原特異的
一次抗体
サポリン標識二次抗体(Ab-ZAP) 25μg each 100μg each 250μg each
一次抗体の
免疫動物種
Human KIT-27-Ahu25 KIT-27-Ahu100 KIT-27-Ahu250
Mouse KIT-27-Amu25 KIT-27-Amu100 KIT-27-Amu250
Rabbit KIT-27-Arb25 KIT-27-Arb100 KIT-27-Arb250
Rat KIT-27-Ara25 KIT-27-Ara100 KIT-27-Ara250
Goat KIT-27-Agt25 KIT-27-Agt100 KIT-27-Agt250

Streptavidin ZAP Peptide Kit

in vivoにおける内在化アッセイにおいて、ビオチン標識ペプチドをセカンドイムノトキシンとして使用する場合のブランクコントロール(Blank-Strep-SAP, #IT-27B)とStreptavidin-ZAP(#IT-27)のセットです。Blank-Strep-SAP(#IT-27B)は、結合するレセプターが存在しない非標的のビオチン標識ペプチド(G-タンパク質結合レセプターのアミノ酸残基を有するメラノサイト刺激ホルモンからランダムに混合した11aaのペプチドであり、NCBI/BLASTにより相同配列がないことを確認済み)とサポリンを結合したものです。商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。

標的物質 結合物質 セカンドイムノトキシンのタイプ 商品コード
25μg each 100μg each 250μg each
レセプタータンパク質 ビオチン標識リガンド(ペプチド) サポリン標識ストレプトアビジン
(Streptavidin-ZAP)
KIT-27-B25 KIT-27-B100 KIT-27-B250

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キット内容

キット種別 ZAP Antibody
Internalization Kit
Streptavidin ZAP
Antibody Kit
Streptavidin ZAP
Peptide Kit
キット
内容
サポリン標識二次抗体
(Ab-ZAP)*1
ブランクコントロール
(BIg-SAP)*1
ブランクコントロール
(Blank-Strep-SAP)*1
サポリン
PMS*2
XTT*3
サポリン標識ストレプトアビジン
(Streptavidin-ZAP)

*1 キットにより内容は異なります。
*2 PMS:N-methyl dibenzopyrazine methyl sulfate
*3 XTT:Sodium 3'-[1(-phenylaminocarbonyl)-3,4-tetrazolium]-bis(4-methoxy-6-nitro) benzene sulfonic acid hydrate

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関連製品:ビオチン標識サポリン(#BT-ZAP

ストレプトアビジン標識抗体やリガンドと結合させ、標的毒素(ターゲットトキシン)として使用することができます。



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使用例

ZAP Antibody/ZAP Antibody Internalization Kit

Hum-ZAP(#IT-22)による細胞毒性効果

Hum-ZAP(#IT-22)による細胞毒性効果

PC12細胞を96ウェルプレートに播種(5,000 cells/90μl/well)し、一晩インキュベートした。コントロール用サポリン(#PR-01)、OX7-SAP(#IT-02)、抗OX7抗体(#>AB-N08)+最終濃度4.5 nM Hum-ZAP(2種類のロット)を各ウェルにそれぞれ10μlずつ添加し、72時間インキュベートした後、MTS/PMS(テトラゾリウム塩/電子輸送試薬)で細胞毒性効果を検証した。


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Mab-ZAP(#IT-04)による細胞毒性効果

Mab-ZAPによる細胞毒性効果

PC12細胞を96ウェルプレートに播種(5,000 cells/90μl/well)し、一晩インキュベートした。コントロール用サポリン(#PR-01)、OX7-SAP(#IT-02)、抗OX7抗体(#AB-N08)+最終濃度4.5 nMMab-ZAP(2種類のロット)を各ウェルにそれぞれ10μlずつ添加し、72時間インキュベートした後、MTS/PMS(テトラゾリウム塩/電子輸送試薬)で細胞毒性効果を検証した。

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Rab-ZAP(#IT-05)による細胞毒性効果

Rab-ZAPによる細胞毒性効果

サポリン標識抗NGFレセプター(p75)抗体:mu p75-SAP(#IT-16)、または抗NGFレセプター(p75)抗体(#AB-N01AP)+Rab-ZAPを用いて、細胞毒性効果を調べた。いずれも同程度の細胞毒性効果を発揮することが確認できた。

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Rat-ZAP(#IT-26)による細胞毒性効果

Rat-ZAP(#IT-26)による細胞毒性効果

HT-2細胞を96ウェルプレートに播種(2,000 cells/90μl/well)し、一晩インキュベートした。コントロール用サポリン(#PR-01)、抗CD25-SAP(#IT-24)、抗CD25抗体(#AB-19)+最終濃度で50 ng/10μlのRat-ZAP(2種類のロット)を各ウェルにそれぞれ10μlずつ添加し、72時間インキュベートした後、MTS/PMS(テトラゾリウム塩/電子輸送試薬)で細胞毒性効果を検証した。

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Goat-ZAP(#IT-36)による細胞毒性効果

Goat-ZAPによる細胞毒性効果

3T3細胞を96ウェルプレートに播種(1,000 cells/90μl/well)し、一晩インキュベートした。コントロール用サポリン(#PR-01)または抗EGFレセプター抗体+Goat-ZAPを各ウェルにそれぞれ10μlずつ添加し、72時間インキュベートした後、MTS/PMS(テトラゾリウム塩/電子輸送試薬)で細胞毒性効果を検証した。

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Fab-ZAP Rabbit(#IT-57)による細胞毒性効果

Fab-ZAP Rabbitによる細胞毒性効果
  1. NG6細胞を96ウェルプレートに播種(1,000 cells/90μl/well)し、一晩インキュベートした。
  2. コントロール用サポリン(#PR-01)、mu p75-SAP(#IT-16)、抗NGFレセプター(p75)抗体(#AB-N01AP)+Rab-ZAPまたはFab-ZAP Rabbitを各ウェルにそれぞれ10μlずつ添加し、72時間インキュベートした。
  3. 培地を取り除き、細胞を氷冷した10%TCAで固定(4℃、1時間)し、蒸留水で洗浄後、風乾した。
  4. 0.4%スルホローダミンB(1%酢酸溶液)を50μlずつ加え、室温で30分間インキュベートした。
  5. 1%酢酸で3回洗浄した後、風乾した。
  6. 10 mMトリス塩基を100μlずつ加え、5分間穏やかに撹拌し、564 nmの吸光度を測定した。

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Fab-ZAP Rat(#IT-55)による細胞毒性効果

Fab-ZAP Ratによる細胞毒性効果

HT-2細胞を96ウェルプレートに播種(2,000 cells/90μl/well)し、一晩インキュベートした。コントロール用サポリン(#PR-01)、抗CD25-SAP(#IT-24)、抗CD25抗体(#AB-19)+Rat-ZAPまたはFab-ZAP Ratを各ウェルにそれぞれ10μlずつ添加し、72時間インキュベートした後、MTS/PMS(テトラゾリウム塩/電子輸送試薬)で細胞毒性効果を検証した。

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Fab-ZAP human(#IT-51)による細胞毒性効果

Fab-ZAP humanによる細胞毒性効果

SK-BR-3細胞を1,000cells/90μl/wellで播種し、一晩インキュベートした。Trastuzumabとサポリンを細胞培地で希釈し、各ウェルに10μl添加した。また、Trastuzumabを最終濃度4.5 nM/10μlのFab-ZAPを含む細胞培地で希釈し、各ウェルに10μlを添加した。次に、プレートを72時間インキュベートした後、XTT/PMSで細胞毒性効果を検証した。

Fab-ZAP humanによる細胞毒性効果

サポリンによる生育阻害(%)
抗体濃度は25 mMで一定とし、Fab-ZAP humanの濃度は50 nMおよび100 nMを用いた。

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Fab-ZAP Mouse(#IT-48)による細胞毒性効果

Fab-ZAP Mouseによる細胞毒性効果

  1. PC12細胞を96ウェルプレートに播種(5,000 cells/90μl/well)し、一晩インキュベートした。
  2. コントロール用サポリン(#PR-01)、OX7-SAP(#IT-02)、抗OX7抗体(#AB-N08)+最終濃度 4.5 nM/10μlのFab-ZAP Mouse(2種類のロット)を各ウェルにそれぞれ10μlずつ添加し、72時間インキュベートした。
  3. XTT/PMSを加え発色させ、吸光度 564 nmを測定した。

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FabFc-ZAP human(#IT-65)による細胞毒性効果

FabFc-ZAP humanによる細胞毒性効果

ヒトB細胞を扱う場合に、FabFc-ZAP human(#IT-65)を用いる必要性を検証するため、内因性の細胞表面のIgGによる非特異的細胞死の誘導を示した。一次抗体は不使用だが、FabFc-ZAPとFab-ZAP humanの有効性は、非B細胞ヒト細胞タイプで一次抗体の存在下で使用した場合と同様である。
Daudi細胞を3,000 cells/90μl/wellで播種し、一晩インキュベートした。希釈はすべて細胞培地を用い、各ウェルに10μlを添加し、72時間インキュベートした。プレートは、標準的なスルホローダミンB法を用いて発色し、吸光度564 nmを測定した。

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Streptavidin-ZAP(#IT-27)による細胞毒性効果

Streptavidin-ZAPによる細胞毒性効果

KNRK細胞を2,500 cells/wellで播種し、一晩インキュベートした。事前にStreptavidin-ZAPとビオチン標識IB4を等モル濃度で混合したもの、およびBlank-Strep-SAP、IB4-SAPの各10μlを添加した。プレートを72時間インキュベート後に、XTT/PMS試薬50μlを各ウェルに添加し、吸光度450 nmを測定した。

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ビデオチュートリアル

ZAP Antibody Internalization Kit

ZAP Antibody Internalization Kit

プレートの準備

一次抗体へのセカンドイムノトキシンの結合

コントロールの使用

プレートの発色

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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