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Integral Molecular社lipoparticleに関するFAQ

掲載日情報:2017/09/01 現在Webページ番号:80586

Integral Molecular社lipoparticleに関するFAQ

Q-1. Lipoparticleとはどのようなものですか。

A-1. Lipoparticleは、目的の膜タンパク質を構造的に完全な状態で、表面に保持している感染力のないウイルス様粒子(virus like particle:VLP)です。

Q-2. Lipoparticeの内部には何が含まれていますか。

A-2. Lipoparticleの内部には、ウイルスのpolyproteinとしてよく知られているGagタンパク質が含まれています。Gagタンパク質はLipoparticleを細胞内で産生するために利用されます。通常、細胞質タンパク質はLipoparticle内へ取り込まれることはありません。

Q-3. Lipoparticleには、どのくらいの量のレセプターが保持されていますか。

A-3. 通常、Lipoparticleには50~200 pmol/mgのレセプターが保持されています。これはLipoparticle 1個当たりおよそ50~200個のレセプターが保持されていることになります。Lipoparticleに保持されるレセプターの量は、宿主細胞膜表面でのレセプターの発現量に左右されます。

Q-4. Lipoparticle表面のレセプター構造は完全ですか。

A-4. Lipoparticle上のレセプターは、細胞表面レセプターから直接産生されています。抽出操作やリフォールディングなどがされていないため、その構造は完全であると言えます。Lipoparticleは真核細胞株から産生されているため、レセプターも翻訳後修飾を受けています。レセプター構造の完全性は、構造特異的な抗体を用いた検出やリガンドバインディングアッセイ、機能アッセイなどにより確認できます。

Q-5. Lipoparticleに非特異的な膜タンパク質は含まれていますか。

A-5. Lipoparticleは細胞表面から出芽して産生されるため、目的の膜タンパク質と同様にその他の膜タンパク質も含まれます。しかし、非特異的な膜タンパク質の影響は、目的タンパク質を過剰発現させることによって最小限にされています。また、必要に応じて異なるタイプの細胞を使用したり、ネガティブコントロールとして目的膜タンパク質を含まないNull particleを使用する方法もあります。

Q-6. Lipoparticleに保持できる、またはできないのはどのような膜タンパク質ですか。

A-6. これまで確認した膜タンパク質は、すべてLipoparticleに保持できますが、その量については細胞での発現量に左右されます。また、細胞表面に発現させることができない膜タンパク質はLipoparticleに保持できません。目的の膜タンパク質をLipoparticleに保持できるかどうかは、最初の発現実験を最適化する段階で決まってきます。

Q-7. 膜タンパク質を2種類以上組み合わせてLipoparticleに保持できますか。

A-7. はい、2種類以上の膜タンパク質を同時にLipoparticleに保持できます。

Q-8. Lipoparticleの脂質膜は細胞の脂質膜と異なりますか。

A-8. Lipoparticleの膜は、細胞膜の脂質ラフトドメインに類似しており、コレステロールやスフィンゴ脂質に富んでいます。

Q-9. Lipoparticleの安定性はどのくらいですか。

A-9. Lipoparticleは通常の精製タンパク質と同様に取り扱って下さい。冷蔵または冷凍条件下であれば、少なくとも6か月間は安定です。また、DMSOやエタノールなどの少量(<5%)の添加剤を加えるとより安定になります。ほとんどの脂質構造と同様に、Lipoparticleも界面活性剤により分解してしまいます。また、Lipoparticleの懸濁液は不透明な溶液です。使用前に穏やかに混合し、過度なボルテックスは避けて下さい。希釈やろ過のしすぎはLipoparticleのロスにつながるため避けて下さい。

Q-10. Lipoparticleの安全性について確認していますか。

A-10. Lipoparticleはウイルスではありません。Lipoparticleの産生にウイルスタンパク質を用いますが、ウイルスゲノムやエンベロープタンパク質、LTR領域、その他の酵素を含むウイルスの感染、複製、融合などに必要な構成物質は欠損しています。しかし、Lipoparticleに含まれているレトロウイルス由来のタンパク質について、ヒトへの影響などはよく分かっていません。生物由来成分であるため、取り扱う際は適切な注意を払い、生物実験環境下で実験を行って下さい。研究用としてのみ使用し、臨床用途には使用しないで下さい。

Q-11. Lipoparticle修飾または標識は可能ですか。

A-11. Lipoparticleは生細胞とは異なる生化学的な成分であるため、産生過程や精製後に生化学物質での修飾や蛍光標識が可能です。Integral Molecular社では、未標識製品のほか、ビオチンまたはFITCで標識した製品を取りそろえています。

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(テクニカルサポート 試薬担当)

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