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PromoCell社 凍結細胞の融解~継代培養の方法について

掲載日情報:2022/06/23 現在Webページ番号:80569

凍結細胞の融解から継代培養までのワークフローについて、操作方法と注意事項をまとめました。

動画で見るヒト初代培養細胞の取り扱い方法

Make your cells happy

凍結細胞の融解~継代培養のワークフロー目次

各ステップをクリックすると、それぞれの操作方法概略をご覧いただけます。

凍結細胞の融解と培養

  1. 培地の調製
  2. 細胞の融解
  3. バイアルの消毒と細胞の播種
  4. 細胞のインキュベーション

   

細胞の継代培養方法

  1. 試薬の調製および細胞の洗浄
  2. 細胞の剥離
  3. トリプシンの中和と細胞の播種
  4. 細胞のインキュベーション


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凍結細胞の融解と培養

1. 培地の調製

  • 推奨播種密度を参考に、必要な培養面積を算出する。
  • PromoCell社の培地を培養フラスコに適量(細胞1 vial につき9 ml以上)入れる。
  • インキュベーター(37℃, 5% CO2)内に30分間静置する。


推奨播種密度の計算方法


推奨播種密度 =   バイアル中の生細胞数(cells/vial)*1 播種密度(cells/cm2*2

*1 製品のCoAをご確認下さい。
*2 製品データシートをご参照下さい。

計算例

Cell type Recommended
media
Plating dencity
cells/cm2
Passage after
thawing
Tested Marker PDs
HCH-Human
chondrocytes
C-27101 10,000~20,000 P2 Differentiation
tested
>10

500,000(cells/vial) 10,000(cells/cm2  =  50 cm2

この場合、合計50 cm2なので、T25フラスコ×2本(各9 ml培地を含む)を準備する。

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2. 細胞の融解

  • バイアルを液体窒素コンテナから取り出し、直ちにドライアイス上に置く。
  • コンテナとドライアイスの位置は極力近づける。バイアルを37℃のウォーターバスに浸し、約2分間穏やかに振とうして撹拌する。

重要事項

  • バイアル内の液体窒素の除去と内圧を下げるために、層流型クリーンベンチ内で凍結バイアルのフタをいったん1/4回転ほど緩めて、再度締めて下さい。
  • 融解前の細胞はドライアイス上に置いて輸送して下さい。
  • バイアル内のいくらかの細胞は死滅していることに留意して、製品データシートに記載されている播種密度に従って下さい。
  • 通常、細胞融解後に遠心分離を行うことは、培地中に希釈したDMSOが残存することよりも細胞にとって有害です。
  • 細胞が接着して2~4時間後、または融解後翌日に培地の交換を行って下さい。


動画で見るヒト初代培養凍結細胞の融解方法


一般的な注意事項

凍結融解操作は細胞にストレスを与えます。凍結培地は凍結保護剤として細胞毒性を有するDMSOを含んでおり、培地中のDMSO濃度を1%以下に下げる必要があります。健全な増殖細胞を得るために、以下の点にもご留意下さい。

  • 細胞は液体窒素から取り出した後、できるだけ早く37℃のウォーターバスに浸して融解して下さい。
  • 液体窒素から細胞を取り出す前に、すべての準備を行って下さい。
  • 融解後はDMSO含有凍結培地をできるだけ早く希釈して下さい。
  • 遠心分離を行わないで下さい。
  • 過剰なピペッティングや混合操作は避けて下さい。

ヒト初代培養凍結細胞の融解方法(良い例)

ヒト初代培養凍結細胞の融解方法:良い例
  • バイアルをキャップの下までウォーターバスに浸す(キャップが水に触れないようにする)。
  • 細胞の融解は1バイアルずつ行う。

ヒト凍結細胞の融解方法の🅧悪い例

以下に示すような方法による凍結細胞の融解は、絶対に行わないで下さい。

ヒト初代培養凍結細胞の融解方法の悪い例:フローターの使用した凍結細胞の融解

🅧フローターを使用しての凍結細胞の融解

凍結細胞の融解方法の悪い例:手のひら(拳の中)での凍結細胞の融解

🅧手の中での凍結細胞の融解

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3. バイアルの消毒と細胞播種

コンタミネーションを防止するため、バイアル自体を70%エタノールで消毒する。エタノールをふき取り、層流型クリーンベンチ内でバイアルのふたを開ける。バイアル内の細胞を、慎重にピペットで再懸濁する。ステップ 1で準備したフラスコ内に細胞を移す。

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4. インキュベーション

  • フラスコをインキュベーター(37℃, 5% CO2)内に静置し、細胞を接着させる。
  • 16~24 時間後に培地を交換する。
  • 細胞がコンフルエント(70~90%)に達した後、継代培養を行う。

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細胞の継代培養方法

細胞の継代培養のワークフロー

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5. 試薬の調製および細胞の洗浄

  • PromoCell社の☞ DetachKitを少なくとも30分間室温に置く。
  • 培養フラスコから慎重に培地を吸引する。
  • 培養フラスコ表面にHepes BSS*3を100 μl/cm2加え、15秒間穏やかに振とうして細胞を洗浄する。

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6. 細胞の剥離

  • 培養フラスコからHepes BSSを慎重に吸引する。
  • トリプシン/EDTA溶液*3を100μl/cm2加える。
  • 蓋を閉め、顕微鏡で細胞を観察する。
  • 細胞が剥離し始めたら、培養フラスコの側面を軽く叩いて残っている細胞も剥離させる。

細胞の剥離は室温で行うことをお勧めします。

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7. トリプシンの中和と細胞の播種

  • 培養フラスコ表面にTrypsin Neutralization Solution*3を100μl/cm2加え、穏やかに振とうする。
  • 細胞懸濁液を慎重に吸引し、遠心チューブに移す。
  • 220×gで3分間遠心し、細胞を沈殿させる。

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8. 細胞のインキュベーション

  • 上清を捨て、適切なPromoCell Growth Mediumを1 ml加える。
  • ピペッティングにより、細胞を慎重に再懸濁する。
  • 新しい培養フラスコに37℃に温めたPromoCell Growth Mediumを入れる。
  • 推奨播種濃度に従って、新しい培養フラスコに細胞を播種する。
  • 培養フラスコをインキュベーター(37℃、5%CO2)内に置く。

*3印の試薬は☞ DetachKitに含まれています。

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関連製品

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PromoCell_Best-Practices-in-Cell-Culture

下の画像をクリックすると、PromoCell_Best-Practices-in-Cell-Cultureをご覧いただけます。

Best Practices for Primary Cell Culture

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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