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選択ガイド付きで様々な官能基や標的に使用可能 ビオチン標識試薬

掲載日情報:2022/02/14 現在Webページ番号:8044

ProteoChem社の高度なスキルを有する合成化学者が製造する、様々なビオチン標識(Biotinylation)試薬です。ストレプトアビジン(streptavidin)と強力に結合する分子を作るためには、標的分子の適切なビオチン標識が不可欠です。ProteoChem社では、一級アミン(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)、カルボキシル基(-COOH)、あるいは糖類(-Cm(H2O)n)などの各種の官能基・標的と結合する多種類のビオチン標識試薬を製造・販売しています。

BiotinとAvidin(Streptavidin)との強固な結合とその応用

Bioinは、(腸内細菌によるものを除けば)ヒトの生体内では作られないビタミンの一種でVitamin B7とも呼ばれます1。卵白に含まれるAvidinとKd=10-15Mと強固に結合するという特徴を持ち2、この性質を利用して抗原抗体反応の代替や親和性標識などに広く利用されます。Streptavidinは、Streptomyces avidiniiから得られたタンパク質3で、Biotinに対してAvidinと類似した強固な結合能を持ち、またAvidinの等電点が10であるのに対してStreptavidinは5.3~6.5です。Streptavidinは糖鎖を有しないなどの利点を活かした応用例が数多く報告されています4

参考文献:

  1. Zempleni, J. et al., Biofactors, 35(1), 36~46 (2009). [PMID: 19319844] (Review)
  2. Green, N.M., Biochem. J., 89(3), 599~609 (1963). [PMID: 14101981]
  3. Tausig, F. and Wolf, F.J., Biochem. Biophys. Res. Commun., 14, 205~209 (1964). [PMID: 5319841]
  4. Jain, A. and Cheng, K.et al., J. Control Release, 245, 27~40 (2016). [PMID: 27865853] (Review)

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操作方法概略

例:NHS-Biotin(#b2101、水に不溶な試薬)の一般的なプロトコール

  1. NHS-Biotinのバイアルを室温に戻してから開封する。
  2. 標的タンパク質を1~10 mg/mlの濃度でバッファー(100 mMリン酸ナトリウム、150 mM NaCl、pH 7.2~7.5といった適切なアミン不含のもの)に溶解する。
  3. 使用直前に、無水DMF(#cr8106-25ml)またはDMSO(#cr8105-25ml)を用いて20 mg/ml NHS-Biotinストック溶液を作製する。
    注:Sulfo-NHS-Biotin(#b2100)のような水溶性試薬の場合は、使用直前に水または上記のアミン不含のバッファーを用い20 mg/mlの Sulfo-NHS-Biotinストック溶液を作る(あるいは、無水 DMFまたは DMSOで溶解しストック溶液として置くことも可能)。
  4. タンパク質溶液に、ビオチン標識試薬がタンパク質に対してモル比で10~20倍過剰となるようにNHS-Biotinストック溶液を十分量添加する。
    注:タンパク質溶液が希薄な場合(例:1~2 mg/ml)、通常のビオチン標識と同様の結果を得るためには、NHS-Biotinのモル倍率を上げることが必要な場合がある(例えば≧20倍)。
  5. ビオチン標識反応は、室温で30~60分、4℃では2時間以上行う。
  6. ビオチン標識反応を行ったタンパク質は、Desalting Resin(#g4109)等により、下流で用いる適当なバッファーなどを用いてゲルろ過あるいは透析を行い、未反応物や副生成物を除く。

文献:Hermanson, G.T. , Bioconjugate Techniques (1st Edition), Academic Press, San Diego, CA, USA. (1996)


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ビオチン標識試薬の選択ガイド

  • 水溶性の化合物(分子内にSulfo-NHSエステルを持つ)と水に不溶性(膜透過性)の化合物があります。
  • ストレプトアビジンとの結合反応の際の立体障害を避けるために、様々なスペーサーアーム長のビオチン標識試薬が選択できます。
  • 商品コード(bから始まる5桁の文字列)をクリックすると価格表をご覧いただけます。

凡例

  • 膜透過性
  • 水溶性
  •   ―該当せず
  • Thiols(or Hydroxylamine)チオール基を持つ化合物でビオチン標識を切断できる

標識試薬の略称と
構造式
標的 スペー
サー長
M.W. 切断
膜透
過性
水溶性
CAS No. 商品
コード
NHS-Biotin
NHS-Biotinの化学構造式
-NH2 13.5 Å 341.4 35013-72-0b2101
NHS-LC-Biotin
NHS-LC-Biotinの化学構造式
-NH2 22.4 Å 454.5 72040-63-2b2102
NHS-SS-Biotin
NHS-SS-Biotinの化学構造式
-NH2 24.3 Å 504.7 Thiols 142439-92-7b2105
Sulfo-NHS-Biotin
Sulfo-NHS-Biotinの化学構造式
-NH2 13.5 Å 443.4 119616-38-5b2100
Sulfo-NHS-LC-Biotin
Sulfo-NHS-LC-Biotinの化学構造式
-NH2 22.4 Å 556.6 127062-22-0b2103
Sulfo-NHS-SS-Biotin
Sulfo-NHS-SS-Biotinの化学構造式
-NH2 24.3 Å 606.7 Thiols 325143-98-4b2104
Biotin-HPDP
Biotin-HPDPの化学構造式
-SH2 29.2 Å 539.8 Thiols 129179-83-5b2107
Iodoacetyl-LC-Biotin
Iodoacetyl-LC-Biotinの化学構造式
-SH2 27.1 Å 510.4 93285-75-7b2108
Biotin-BMCC
Biotin-BMCCの化学構造式
-SH2 15.7 Å 533.7 b2112
Biotin Hydrazide
Biotin Hydrazideの化学構造式
-CHO 15.7 Å 258.3 66640-86-6b2106
D-Biotin
D-Biotinの化学構造式
-NH2 13.5 Å 244.3 58-85-5b2111

:-COOHの活性化後に反応性となる。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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