アルツハイマー病関連因子クラステリン（Clusterin）の定量ELISAキット Human Clusterin ELISA Kit

クラステリン（Clusterin）は分子量75～80 kDaの糖タンパク質です。その内部の約30％はN結合型糖鎖ですが、核内へ移行する糖鎖切断型の存在も確認されています。
クラステリン前駆体からシグナルペプチド（22 aa）が切断分解されると、α鎖（227 aa）とβ鎖（228 aa）が生成します。これらのシステインリッチな中心部分がジスルフィド結合することにより、ヘテロ二量体を形成します。
クラステリンは幅広い動物種間で70～80％のアミノ酸相同性を有しており、ほとんどのほ乳動物組織や血漿、尿、脳脊髄液、乳汁、精液中に普遍的に存在しています。免疫グロブリンや脂質、ヘパリン、細菌、補体成分、パラオキソナーゼ、β-アミロイドタンパク質、レプチンなど、様々な因子と結合して複合体を形成します。そのため、食細胞動員、凝集誘導、補体攻撃抑制、アポトーシス阻害、膜の再形成、脂質輸送、ホルモン輸送、膜型基質メタロプロテイナーゼ（MMP）の阻害など、非常に多くの機能に関与しています。また、mRNAおよびタンパク質レベルで、がん、臓器再生、感染症、アルツハイマー病、網膜色素変性症、心筋梗塞、腎尿細管障害、自己免疫疾患などの様々な疾患に関与していると考えられています。その詳細なメカニズムは明らかになっていませんが、細胞をストレスから保護する細胞外シャペロンであるという仮説もあります。
使用文献
1. Zang, F., et al., Cell Signal., 20 (5), 844～861 (2008).
2. Zenkel, M., et al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 47 (5), 1982～1990 (2006).
3. Schlotzer-Schrehardt, U., et al., Am. J. Pathol., 173 (6), 1724～1735 (2008).

Clusterin, Human, ELISA Kit (#RD194034200R)