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タンパク質および抗体工学のための強力なツール ソルターゼを使ったラベリング技術

掲載日情報:2026/08/12 現在Webページ番号:73730

ソルターゼを使ったラベリング技術は、抗体やタンパク質の特定部位に、蛍光物質、医薬品化合物、ナノ粒子などを部位特異的に結合できる手法です。反応生成物の均一性が高く、抗体薬物複合体(ADC)、タンパク質工学、治療用バイオ医薬品の開発などへの応用が期待されています。
本記事では、ソルターゼを用いた抗体・タンパク質の部位特異的ラベリング技術の原理、利点、応用例と、関連キットおよびソルターゼA変異体製品について紹介します。

バイオ研究に役立つ基礎知識・技術情報を、研究テーマ別にまとめています。研究に役立つ基礎知識・技術情報まとめをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


ソルターゼによる部位特異的ラベリングについて

従来の化学的結合法では、標識部位がランダムになりやすく、抗体やタンパク質の機能に影響を及ぼす場合があります。これに対し、ソルターゼを利用したラベリング技術では、認識配列を介して目的分子を部位特異的に結合できるため、より均一で再現性の高い標識が可能となります。
ソルターゼを使ったラベリング技術の応用例としては、抗原認識能を維持するためのFc領域への標識や、生物活性を維持しつつタンパク質の半減期を延長するためのPEG化、熱安定性を向上させるための環状ポリペプチドの生成、および産業向けの酵素固定などがあります。
ソルターゼを使ったラベリング技術の主な用途は、従来法に見られる反応生成物の不均一性を回避し、部位特異的な結合が求められる抗体薬物複合体(ADC)の分野です。実際、抗体上の特定部位にソルターゼ認識配列を導入することで一定の薬物/抗体比(DAR)を実現し、再現性と治療効果を向上させることが期待できます。この反応は穏やかな条件下で進行するため、抗体の構造と機能が損なわれにくい点も利点です。


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ソルターゼAによるタンパク質結合のメカニズム

黄色ブドウ球菌由来の細菌性トランスペプチダーゼであるソルターゼAは、細菌の細胞壁タンパク質の結合に関与し、細菌の病原性において重要な役割を果たします。この酵素はLPXTG配列を特異的に認識し、スレオニン(T)とグリシン(G)の間を切断します。また、活性部位にシステイン残基を有しており、チオアシル中間体を形成します。この中間体はオリゴグリシン求核剤と直ちに反応し、タンパク質基質をオリゴグリシンに共有結合させます。
この特異性を利用することで、溶液中または細胞表面上の目的タンパク質を特異的にラベリングまたは修飾することが可能となり、生物工学、細胞治療、診断分野での応用が期待されます。

目的タンパク質を標識するには

  • クローニング時に、目的タンパク質へLPXTG配列を挿入する。
  • 精製した組換え体タンパク質に、ソルターゼAとトリグリシンを有するラベルまたはペイロードを添加する。

ソルターゼを用いたラベリング原理


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特長

  • 正確なラベリング:LPXTG配列を高い特異性で認識し、スレオニン-グリシン残基間を切断して、スレオニン残基にポリグリシンペプチドを結合させることで、タンパク質機能への影響を最小限に抑制
  • 汎用性:ポリグリシンを有するさまざまな蛍光物質、ペプチドおよび基質を目的のタンパク質または抗体に結合することが可能
  • in situまたはin vivoでタンパク質のラベリングまたは修飾が可能
  • マイルドな反応条件により、変性や分解のリスクを低減
  • 90%を超える高い反応効率により、結合した目的タンパク質を高収率で取得可能
  • 黄色ブドウ球菌ソルターゼAの変異体は、特定基質に対して効率向上が期待できるため、ソルターゼ変異体を活用すれば、手法のさらなる最適化を期待できる

改良型ソルターゼ変異体は、従来の活性と安定性の限界を克服し、治療薬、生体直交化学、バイオマテリアル、バイオセンサーなど、幅広い分野での応用を可能にします。この汎用性の高い手法は、標的送達システムとタンパク質特性の向上を可能にする、強固で再現性の高いアプローチを提供します。BPS Bioscience社は、ソルターゼを用いたタンパク質および抗体ラベリングのためのさまざまな選択肢を提供しています。


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ソルターゼを使用した抗体ラベリングキット

SiMPLe CHC Antibody Labeling Kit

SiMPLe CHC Antibody Labeling Kit

SiMPLe CHC Antibody Labeling Kit(#82155)は、重鎖C末端にLPXTG配列を有する抗体に、ポリグリシンを有する分子(蛍光色素、ビオチン、ペプチド)を均一にラベリングします。部位特異的な結合により、抗原結合部位が保持されます。このキットは、ADC(抗体薬物複合体)やフローサイトメトリー用抗体に最適です。



SiMPLe Protein Labeling Kit

SiMPLe Protein Labeling Kit

SiMPLe Protein Labeling Kit(#79392)は、LPXTG含有タンパク質を90%以上の効率で直接結合できます。高収率を実現するために高活性のSortase 5Δ Pentamutantを使用しており、精製カラム、ポジティブコントロールとしてUbiquitin-LPETGH6およびGGG-Cloverが含まれています。



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関連製品

製品ラインナップ

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品名 商品コード
Sortase Sampling Kit 79709
Sortase A, His-tag Recombinant 71086
Sortase A Pentamutant, His-tag Recombinant 71046
Sortase A, Hexamutant, His-Tag Recombinant 71047
Sortase A, Heptamutant, His-Tag Recombinant 71048
Sortase A, Octamutant, His-Tag Recombinant 72518
Ca2+ Independent Sortase, His-Tag Recombinant 100666

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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