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Zymo Research社が複数メーカーの96ウェルlysis rackの密閉性を比較検証 96ウェルでの微生物破砕時に起こる液漏れ・クロスコンタミネーションを防ぐには?

掲載日情報:2026/08/12 現在Webページ番号:73718

マイクロバイオーム解析や病原微生物の同定など、NGSを用いた微生物解析では、多数の試料を効率よく処理できる96ウェル形式の核酸抽出ワークフローが広く利用されています。一方で、ビーズ破砕などの機械的破砕では、プレートやラックの密閉性が不十分な場合、試料の液漏れやウェル間クロスコンタミネーションが発生するリスクがあります。
Zymo Research社は、複数メーカーのキットなどで用いられる96ウェルlysis rackを対象に、機械的破砕時の液漏れおよびウェル間クロスコンタミネーションの発生を比較検証しました。本記事では、その検証内容と、密閉性に優れたZymo Research社のBashingBead Lysis Rackについて紹介します。

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前処理条件が核酸抽出・解析結果に与える影響

96ウェル抽出で問題となる液漏れ・クロスコンタミネーション

NGSのコスト低下と利用拡大に伴い、臨床試料、環境試料、ヒトマイクロバイオームなど、多数の微生物試料を処理するハイスループット抽出法の重要性が高まっています。Zymo Research社による検証では、96ウェル形式のlysis rackを用いた機械的破砕において、試料の液漏れやウェル間クロスコンタミネーションがワークフロー上の課題となることが示されています。
特に低バイオマス試料では、わずかなコンタミネーションでも本来の微生物シグナルに影響し、解析結果の解釈を難しくする可能性があります。また、液漏れは試料量の損失だけでなく、ワークフロー中の他の試料や装置への汚染リスクにもつながるとされています。


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食用色素を用いた視覚的な比較試験

Zymo Research社は、食用色素を用いて96ウェルlysis rack内に赤色・青色・無色の市松模様を作成し、機械的破砕後に色移りの有無を確認する方法で、液漏れおよびウェル間クロスコンタミネーションを評価しました。1 μl程度の色素が隣接ウェルに混入した場合でも、目視で色変化を確認できる条件に設定されています。
試験には、二次元方向に振とうするBenchmark社のBeadBlaster 96 Ball Mill Homogenizerと、三次元方向の円運動を伴うBioSpec社のMini-BeadBeater-96を用いました。各ラックはメーカー推奨の方法で密閉し、5分間の振とうを最大8サイクル実施し、各サイクル間に5分間の休止時間を設けました。振とう時間は合計最大40分です。

食用色素を用いた96ウェルlysis rackの比較試験

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比較対象と密閉方法

比較対象には、複数メーカーの96ウェルlysis rackが含まれています。各ラックでは、PCRシール、ストリップチューブキャップ、シリコーンマット、スクリューキャップ、ヒートボンドされたホイルシールなど、異なる密閉方法が採用されています。

96ウェルlysis rack 付属の密閉部材 密閉方法
A社 96ウェルlysis rack 1 PCRシール 粘着式
B社 96ウェルlysis rack 2 ストリップチューブキャップ 押し込み式
C社 96ウェルlysis rack 3 シリコーンマット 押し込み式
D社 96ウェルlysis rack 4 PCRシールおよびホイルシール2枚 粘着式
E社 96ウェルlysis rack 5 シリコーンマット 押し込み式
ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded) プラスチック製クロージャー ねじ込み式スクリューキャップ
ZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm) ホイルシール ヒートシール

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2種類のホモジナイザーを用いた比較結果

Benchmark社のBeadBlaster 96 Ball Mill Homogenizerを用いた試験では、7種類中5種類で液漏れが発生し、そのうち4種類でクロスコンタミネーションも確認されました。また、BioSpec社のMini-BeadBeater-96を用いた試験では、7種類中5種類で液漏れおよびクロスコンタミネーションが確認されています。
一方、ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded)およびZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm)は、Benchmark社の装置では1,800 rpm、BioSpec社の装置では2,400 rpmで40分間処理した後も、液漏れおよびクロスコンタミネーションが確認されませんでした。


Benchmark社 BeadBlaster 96 Ball Mill Homogenizerを用いた試験結果

96ウェルlysis rack 液漏れ クロスコンタミネーション 液漏れ・クロスコンタミネーション確認までの時間
A社 96ウェルlysis rack 1 あり あり 10分以下
B社 96ウェルlysis rack 2 あり あり 5分以下
C社 96ウェルlysis rack 3 あり なし 10分以下
D社 96ウェルlysis rack 4 あり あり 2分以下
E社 96ウェルlysis rack 5 あり あり 5分以下
ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded) なし なし 40分後も確認されず
ZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm) なし なし 40分後も確認されず

BioSpec社 Mini-BeadBeater-96を用いた試験結果

96ウェルlysis rack 液漏れ クロスコンタミネーション 液漏れ・クロスコンタミネーション確認までの時間
A社 96ウェルlysis rack 1 あり あり 5分以下
B社 96ウェルlysis rack 2 あり あり 5分以下
C社 96ウェルlysis rack 3 あり あり 10分以下
D社 96ウェルlysis rack 4 あり あり 2分以下
E社 96ウェルlysis rack 5 あり あり 5分以下
ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded) なし なし 40分後も確認されず
ZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm) なし なし 40分後も確認されず

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密閉方法がコンタミネーションリスクに影響

Zymo Research社による検証では、機械的破砕における液漏れやクロスコンタミネーションには、振とう速度や処理時間も関与するものの、密閉方法の影響が特に大きいと考察されています。押し込み式のマットや粘着式PCRシールは取り扱いが容易である一方、機械的破砕条件下では十分な密閉性を維持できない場合があるとされています。
Zymo Research社のZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm)は、ヒートシーラーとホイルシールによって96ウェルラック全体を均一に密閉します。また、ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded)は、個別チューブとスクリューキャップにより各ウェルを強固に密閉する設計です。


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まとめ

96ウェル形式での微生物試料処理は、NGSやマイクロバイオーム解析のハイスループット化に有用ですが、機械的破砕時の液漏れやウェル間クロスコンタミネーションには注意が必要です。
Zymo Research社の比較試験では、ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded)およびZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm)は、Benchmark社の装置では1,800 rpm、BioSpec社の装置では2,400 rpmで40分間処理した後も、液漏れおよびクロスコンタミネーションが確認されず、試料の完全性維持に有用なラックとして紹介されています。


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ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded)

ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Barcoded)は、96ウェル形式で微生物試料のビーズ破砕に使用できるlysis rackです。糞便、土壌、汚泥、唾液、スワブなどの試料に含まれる、破砕しにくい細菌、真菌、酵母などの均質化・溶菌に適しています。ハイスループットな微生物叢解析や病原微生物の同定・解析、自動化プラットフォームを用いた核酸精製ワークフローにも有用です。

品名 商品コード
ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Single barcoded Tubes) S6002-96-4
ZR-96 BashingBead Lysis Rack(Double barcoded Tubes) S6002-96-5

ZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm)

ZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm)は、0.1 mmおよび0.5 mmのBashingBeadsを含む96ウェル形式のlysis rackです。細菌や真菌など、破砕しにくい微生物を含む試料の機械的破砕に使用できます。ヒートシールによりラック全体を密閉する設計で、ハイスループットな微生物試料処理に適しています。

品名 商品コード
ZymoBIOMICS BashingBead Lysis Rack(0.5 mm & 0.1 mm) S6002-96-3

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(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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