HOME
>
試薬
>
遺伝子工学
>
核酸の分離・精製
>
核酸操作汎用試薬
>
Zymolyase Ultraによる酵母・真菌の酵素的溶解
HOME
>
試薬
>
タンパク質/酵素
>
タンパク質・酵素関連商品
>
Zymolyase Ultraによる酵母・真菌の酵素的溶解
強固な酵母細胞壁を穏やかに効率よく分解 Zymolyase Ultraによる酵母・真菌の酵素的溶解
掲載日情報:2026/07/15 現在Webページ番号:73716
|
酵母や真菌は、発酵、バイオテクノロジー、ゲノム研究、代謝工学、細胞生物学、合成生物学など幅広い分野で利用されています。一方で、酵母や真菌の細胞は強固な細胞壁を持つため、DNA、RNA、タンパク質などの細胞内成分を効率よく回収するには、細胞壁を確実に溶解する工程が重要です。 ※ バイオ研究に役立つ基礎知識・技術情報を、研究テーマ別にまとめています。研究に役立つ基礎知識・技術情報まとめをご覧下さい。 |
|
追加しました。
- 酵母・真菌試料処理で重要な「細胞壁溶解」
- 物理的破砕と酵素的溶解の違い
- 従来の酵素的溶解に残る課題
- Zymolyase Ultraによる酵母・真菌細胞壁の効率的な溶解
- DNAコンタミネーションが問題となる解析への応用
- 用途に応じた細胞壁溶解酵素の選定
- ハイスループット・自動化ワークフローにも適した酵素的溶解
- まとめ
- 関連製品
酵母・真菌試料処理で重要な「細胞壁溶解」
酵母細胞壁は、β-1,3-グルカン、β-1,6-グルカン、キチン、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質など複数の成分から構成されています。β-グルカンは細胞壁の骨格を形成し、キチンはβ-グルカンと架橋することで細胞壁全体を強固にしています。また、糖タンパク質は細胞接着、相互作用、細胞壁の透過性などにも関わります。
このような複雑で強固な構造のため、酵母や真菌から核酸やタンパク質を抽出する場合、効率的な細胞壁溶解が重要となります。特にCandida属などの病原性真菌を対象としたPCR、qPCR、NGS解析では、溶解効率が検出感度や解析結果に影響する可能性があります。
酵母細胞壁の構造
酵母細胞壁は、β-グルカン、キチン、糖タンパク質などから構成される強固な構造を持つ。
ポイント
酵母や真菌の細胞壁を十分に溶解できない場合、DNA、RNA、タンパク質などの回収量が低下し、下流解析のPCR、シークエンシング、タンパク質解析などに影響する可能性があります。
追加しました。
物理的破砕と酵素的溶解の違い
酵母細胞を破砕する方法としては、ビーズ破砕、ホモジナイズ、超音波処理などの物理的破砕が広く用いられています。物理的破砕はさまざまな試料に適用できる一方、専用装置が必要となる場合があり、スケールアップや自動化が難しいことがあります。また、せん断力や発熱により、RNA、タンパク質、酵素などの不安定な生体分子に影響を与える可能性もあります。
これに対し、ZymolyaseやLyticaseなどを用いた酵素的溶解は、酵母細胞壁を酵素反応によって穏やかに分解する方法です。物理的な強い力を加えないため、細胞内成分へのダメージを抑えやすく、自動化やハイスループット処理にも適しています。
追加しました。
従来の酵素的溶解に残る課題
酵素的溶解は穏やかで扱いやすい方法ですが、従来の細胞壁溶解酵素にも課題があります。例えば、酵母細胞壁の複数成分を十分に分解できず、溶解が不完全になる場合があります。また、多くの溶解酵素は微生物宿主で産生されるため、酵素試薬中にDNAやRNAなどの核酸が混入する可能性があります。
このような核酸の混入は、マイクロバイオーム解析、NGS、PCR、qPCRなど、外来核酸の混入が解析を乱しやすい用途で特に問題となります。試料由来ではない核酸が混入すると、病原体検出や微生物叢解析において、解析結果の正確性に影響を及ぼす可能性があります。
追加しました。
Zymolyase Ultraによる酵母・真菌細胞壁の効率的な溶解
Zymolyase Ultraは、従来の溶解酵素とは異なり、酵母細胞壁の効率的な消化に最適化された製品です。β-1,3-glucanase、β-1,6-glucanase、chitinaseなど複数の溶解活性を含み、細胞壁を構成する複数の成分を包括的に分解します。
以下のデータでは、Candida albicans細胞を用いた比較において、酵素活性1 UのZymolyase Ultraが、酵素活性50 UのLyticaseよりも効率的に溶解することが示されています。従来の溶解酵素よりも少量で高い溶解効率が期待でき、酵母・真菌試料からの核酸抽出やタンパク質抽出の前処理に有用です。
Candida albicansを用いた溶解効率の比較
酵素活性1~50 UのZymolyase UltraまたはLyticaseを用いて、8×107個のC. albicans細胞を37℃で30分間インキュベートした。酵素活性1 UのZymolyase Ultraは、酵素活性50 UのLyticaseよりも効率的に溶解することが示された。
ポイント
- 酵母や真菌の細胞壁溶解に最適化された酵素試薬です。
- β-1,3-glucanase、β-1,6-glucanase、chitinaseなど複数の活性を含みます。
- Lyticaseの50倍以上の溶解力があります。
- 約10分での溶解が可能です。
追加しました。
DNAコンタミネーションが問題となる解析への応用
Zymolyase Ultraは、独自のビーズ表面化学を用いた精製プロセスにより、DNA/RNAコンタミネーションを抑えた酵素試薬です。一般的な酵母細胞壁溶解酵素と比べて、DNAコンタミネーションを最大70分の1に低減します。酵素試薬由来の核酸混入を抑えることで、PCR、qPCR、NGS、マイクロバイオーム解析など、低バックグラウンドが求められる用途に適しています。
下記データでは、Femto Bacterial DNA Quantification Kit(#E2006)およびFemto Fungal DNA Quantification Kit(#E2007)を用いてDNAコンタミネーションの測定を行いました。Zymolyase Ultraは、他の製品よりDNAコンタミネーションが少ないことが示されています。
DNAコンタミネーションの比較
本製品は、他の酵母細胞壁溶解酵素と比較して、DNAコンタミネーションが少ないことが示された。
追加しました。
用途に応じた細胞壁溶解酵素の選定
酵母や真菌を対象とする実験では、下流解析の目的に応じて細胞壁溶解方法を選択することが重要です。特に、核酸抽出、タンパク質抽出、病原性真菌の検出、NGS・マイクロバイオーム解析では、溶解効率だけでなく、試料へのダメージや酵素試薬由来のコンタミネーションも考慮する必要があります。
Zymolyase Ultraは、酵母や真菌の細胞壁を穏やかかつ効率的に分解するため、さまざまな実験ワークフローに使用できます。特に、核酸コンタミネーションを抑えながら酵母や真菌を効率よく溶解したい場合に有用です。
| 用途 | 概要 |
|---|---|
| 病原性酵母・真菌の検出 | Candida属などの酵母・真菌の細胞壁を効率的に溶解し、PCR、qPCRなどによる検出感度の向上に寄与する。 |
| DNA/RNA抽出 | 細胞溶解効率を高めることで、酵母・真菌試料からの核酸抽出収量の向上が期待できる。 |
| タンパク質抽出 | 物理的破砕と比べて、発熱やせん断によるタンパク質への影響を抑えた抽出に適している。 |
| NGS・マイクロバイオーム解析 | 酵素試薬由来のDNA/RNAコンタミネーションを抑えた前処理により、解析結果への影響を低減する。 |
| 細胞生物学研究 | 酵母を用いた細胞周期、遺伝子発現、シグナル伝達、代謝経路などの解析に利用できる。 |
追加しました。
ハイスループット・自動化ワークフローにも適した酵素的溶解
Zymolyase Ultraは、試料に加えるだけで細胞溶解が行えます。約10分での溶解が可能で、自動化やハイスループット処理にも対応可能です。また、凍結融解を繰り返しても活性は安定しているため、日常的な酵母・真菌試料処理にも扱いやすい製品です。
追加しました。
まとめ
- 酵母や真菌は強固な細胞壁を持つため、核酸・タンパク質抽出には効率的な細胞壁溶解が重要である。
- 物理的破砕は専用装置、発熱、せん断力などが課題となる場合がある。
- 従来の酵素的溶解では、不完全な溶解や酵素試薬由来の核酸コンタミネーションが問題となることがある。
- Zymolyase Ultraは、β-グルカンやキチンなど複数の細胞壁成分を標的とする酵母細胞壁溶解酵素である。
- Lyticaseの50倍以上の溶解力があり、約10分での溶解が可能である。
- 一般的な酵母細胞壁溶解酵素と比べて、DNAコンタミネーションを最大70分の1に低減し、PCR、qPCR、NGS、マイクロバイオーム解析などに有用である。
追加しました。
関連製品
本記事で紹介したZymolyase Ultraの操作方法概略、使用例については、Zymolyase Ultra製品ページをご覧下さい。
追加しました。
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
