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微生物に物理的ストレスを与えない画期的な液体静置培養を実現! 静置培養バッグ OKUDAKE

掲載日情報:2025/08/04 現在Webページ番号:72520

セルフィルムケンキュウジョ /
株式会社セルフィルム研究所
[メーカー略称:CFM]

静置培養バッグ OKUDAKEは非常に高いガス透過性を持つ、微生物培養用のフィルムバッグです。培地を密封した状態でも十分なガス交換が行われ、静置状態で微生物培養が可能です。既存の培養手法で必須の機械的通気操作(振とう、通気攪拌操作など)が不要なため、物理的ストレスがない培養を実現します。


背景

微生物の液体培養では、生存に必要かつ水に溶けにくい酸素を供給するために、振とう操作あるいは通気攪拌操作といった機械的な方法で強制的にガス交換を行うことが一般的です。しかし、これらの操作は、微生物に物理的ストレスを常に与えてしまうという問題があります。この問題を解決するためには、上記のような機械的手法を用いず、培地へ酸素を供給する方法が必要ですが、これまでそのような方法は実現できませんでした。
(株)セルフィルム研究所は、上記の問題の解決策として非常に高いガス透過性を持つフィルム素材に着目し、微生物培養用のフィルムバッグ「静置培養バッグ OKUDAKE」を開発しました。静置培養バッグ OKUDAKEは非常に高いガス透過性によって、静置状態でも十分な酸素を培地へ供給することが可能で、物理的ストレスがない微生物培養を実現します。

高いガス透過性を持つフィルム


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特長

  • 非常に高いガス透過性により、静置状態でも十分なガス交換が行われます。
  • 物理的ストレスを与えることなく微生物を培養できます。
  • 静置培養でも振とう培養と同等以上の増殖およびタンパク質生産量が得られます。
  • 振とう培養では観察されない、それぞれの微生物に特有の増殖形態(例:バイオフィルム形成)を観察できます。
  • 振とう装置が不要なため、実験スペースの縮小や電力の削減につながります。
  • フィルムバッグに封入したまま、顕微鏡観察が可能です。

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アプリケーション

  • 微生物の静置培養および微生物を用いた組換えタンパク質などの生産
  • 物理的ストレスのない条件下での微生物の形態観察
  • フィールドで採集した生物の輸送

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製品ラインナップ

以下のサイズを取り揃えています。用途に応じて最適なサイズをお選び下さい。
特注サイズにも対応しています。詳細は当社受託・特注品担当(jutaku@funakoshi.co.jp)までお問い合わせ下さい。

品名 サイズ(mm) 大腸菌培養時の
推奨培地量(ml)
枚数 商品コード
短辺 長辺
静置培養バッグ OKUDAKE
50 mm×100 mm
50 100 2.5 50 FB050100
静置培養バッグ OKUDAKE
70 mm×100 mm
70 100 4.0 50 FB070100
静置培養バッグ OKUDAKE
100 mm×190 mm
100 190 10.0 25 FB100190
静置培養バッグ OKUDAKE
180 mm×270 mm
180 270 30.0 15 FB180270

培養物・培養条件・目的により至適培養量が異なるため検討が必要です。


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使用方法

  1. 本製品の開口部から試料を注入する。
    本製品は非滅菌です。滅菌が必要な場合は、事前にオートクレーブ滅菌またはUV滅菌を行って下さい。
  2. 袋止めクリップまたはインパルスシーラーを用いて口を閉じる。
    インパルスシーラーを用いる場合は、機器により圧着具合が異なるので問題なく閉じられるか事前に検討して下さい。
  3. インキュベーターに平置きして培養を行う。
    圧力を加えると破損・漏洩の恐れがありますのでご注意下さい。

使用方法


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使用例

大腸菌の培養例

本製品を用いて大腸菌を培養した結果、振とう培養と同等の増殖効率を示した。また、組換え酵素の生産量を測定したところ、本製品を用いた静置培養の方が振とう培養よりも高い生産効率を示した。

大腸菌の培養例


細菌培養時のバイオフィルム形成

本製品を用いてBacillus属細菌の培養を行った。その結果、細菌が集塊となりバイオフィルムが形成される様子が観察された。一方で、通常の振とう培養では細菌は分散し、バイオフィルムの形成は見られなかった。

細菌培養時のバイオフィルム形成


糸状菌(Epicoccum nigrum)の培養例

本製品を用いて糸状菌(Epicoccum nigrum)の培養を行った。その結果、本製品はフラスコでの振とう培養と比較してより優れた増殖効率を示した。また、振とう培養の場合は球状のペレットが形成されるが、本製品を用いて培養した場合はそのような現象は見られなかった。

糸状菌(Epicoccum nigrum)の培養例


ヒメツリガネゴケの培養とフィルムバッグを通しての顕微鏡観察例

培養中のヒメツリガネゴケを本製品に封入したまま倒立顕微鏡で観察した。本製品は高い透明度を持つため、中身を取り出さなくても鮮明な画像が取得できた。

ヒメツリガネゴケの培養とフィルムバッグを通しての顕微鏡観察例


クラミドモナスの培養例

本製品を用いてクラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)の静置培養を行った。その結果、本製品はフラスコを用いた振とう培養と比較してより高い増殖速度を示し、最終的な増殖量もより大きかった。このことから本製品は藻類の培養にも適していることが示された。

クラミドモナスの培養例


カブトエビの飼育例

水田で採集したカブトエビ4匹を水500 mlと共に本製品または市販のポリエチレンバッグに封入した。その結果、飼育2日目にはポリエチレンバッグに封入したカブトエビは全て死滅したのに対して本製品に封入したものは全て生存していた。また、溶存酸素量(DO)は本製品がポリエチレンバッグよりも2倍高い値を示し、本製品の高いガス透過性によって、封入した水に十分な酸素が供給されていることが示された。

カブトエビの飼育例


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FAQ

Q1. 滅菌して使用できますか?

A1. はい、オートクレーブ滅菌またはUV滅菌してご使用いただけます。プラスチックチューブやチップなどの消耗品と同様の滅菌方法で問題ございません。耐熱性が高い素材を利用していますが、50℃~60℃以上(60℃程度)で軟化する性質があります。滅菌や乾燥の際に何かに押し付けられたり、曲げられたりしていると その型が保持されてしまいますのでお取扱いにご注意下さい。

Q2. 低温環境で使用できますか?

A2. 本製品に使用されている素材の耐冷温度試験のデータを持ち合わせていないため、使用可能な温度の下限は設定しておりません。一般的なプラスチックフィルムと比べると耐寒性は劣るとされているため、試料を入れた状態での低温運用は推奨できません。


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価格

[在庫・価格 :2025年08月05日 13時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
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納期 文献数
静置培養バッグ OKUDAKE 50mm x 100mm
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説明文
非常に高いガス透過性を持つフィルムバッグ。培地をバッグ内に密封した状態でも十分なガス交換が行われるため、好気性微生物の静置培養に利用できる。既存の培養手法で問題となっていた、機械的通気操作(振とう、通気攪拌操作など)に伴う微生物への物理的ストレスが無い培養が可能。
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[在庫・価格 :2025年08月05日 13時35分現在]

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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