HOME > 試薬 > 細胞培養 > 幹細胞 > iPS細胞 > ヒトiPS細胞由来運動ニューロン RealMOTO/運動ニューロンへの分化キット Moto-DM
HOME > 試薬 > 細胞培養 > 幹細胞 > 神経細胞 > ヒトiPS細胞由来運動ニューロン RealMOTO/運動ニューロンへの分化キット Moto-DM

筋萎縮性側索硬化症(ALS)や神経筋疾患のin vitroモデリングに有用です ヒトiPS細胞由来運動ニューロン RealMOTO/運動ニューロンへの分化キット Moto-DM

掲載日情報:2025/11/11 現在Webページ番号:72407

RealMOTOは、ヒトiPS細胞(hiPSC)由来運動ニューロンです。また、わずか7日間で簡便かつ効率的にhiPSCから運動ニューロンへ分化誘導できるキットもあります。分化誘導キットMoto-DMは、ALSに限らずシャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease、CMT)など神経筋疾患のin vitroモデリングに有用です。

Anatomic社のヒトiPSC由来細胞の商用利用について

Anatomic社のヒトiPSC由来細胞は、以下の用途においてはライセンスフリーでご使用いただけます。

  • Anatomic社細胞を用いた評価試験をCROなどの第三者へ委託する場合
  • CROなどの受託試験機関がAnatomic社細胞を購入し、得られた評価データをその顧客に提供する場合

その他の用途でのご使用や、ご不明な点につきましては当社テクニカルサポート(試薬担当)までお問い合わせ下さい。


ヒトiPS細胞(hiPSC、ヒト人工多能性幹細胞)から運動ニューロンへの分化について

運動ニューロンは、筋肉収縮の随意的な制御に関与する神経細胞です。運動ニューロンの異常は、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis、ALS)など神経筋疾患の発症および進行に影響を及ぼします。hiPSCから運動ニューロンを分化誘導する方法がさまざま報告されていますが、分化誘導に要する培養期間が長く、in vitroでは30日を超えることがあるため、各hiPSC系統から高収率かつ高純度な運動ニューロンを得ることが困難な状況にありました。

Anatomic社の開発した技術について

Anatomic社は、hiPSCから外胚葉へわずか24時間以内に分化誘導する技術を有しています。この知見に基づいて作製されたhiPSC由来運動ニューロンRealMOTOとわずか7日間でhiPSCから未成熟な運動ニューロンを高純度に作製できる分化誘導キットMoto-DMは、神経筋疾患研究に有用です。

  • 参考文献:Walsh, P., et al., Stem Cells, 38(11), 1400-1408 (2020). [PMID:32745311]


目次に戻る

特長

  • hiPSC由来運動ニューロンです。
  • 主要な運動ニューロンマーカーHB9、ISL1およびChATを発現します。
  • 播種後わずか7日間で成熟します。
    RealMOTOの成熟には運動ニューロン成熟化培地Moto-MM(#3030-B002)が必要です。Moto-MMを用いた成熟化のプロトコルは下記クイックガイドからご確認下さい。

クイックガイド

RealMOTOの成熟化プロトコルは、以下のクイックガイドをご確認下さい。画像をクリックすると、PDFをダウンロードをいただけます。

Realmoto Quick Guide
RealMOTO Quick Guide



目次に戻る

検証例

運動ニューロンの分化および成熟を示す運動ニューロンマーカーの発現

Rapid Maturation of Motor Neurons
RealMOTOを20,000 cells/cm2で解凍し、Moto-MM培地で1週間成熟させた。
A:位相差顕微鏡を用いた観察では、運動ニューロンに典型的な複数の樹状突起と長く単一の軸索をもつ細胞体がみられた。2週間以上、運動ニューロンは単一の細胞として維持し、クラスター形成は認められなかった。
B:運動ニューロンは、運動ニューロンの主要な特異的マーカーであるHB9、ISL1、およびChATが高発現した。
C:qPCRは初代ヒト脊髄由来の運動ニューロンのmRNAと比較して、運動ニューロン特異的遺伝子の発現量が高いことが示された。


微小電極アレイ(Microelectrode array、MEA)を用いた機能解析

MEA
hiPSC由来の運動ニューロンは機能的に活性化し、成熟後1週間以内にMEAにおいて、活動電位(スパイク)やバースト発火のパターンを示す。
A:Axion BioSystems社 CytoView MEA 24ウェルプレート上で運動ニューロンの播種密度および培養条件の再現性を得るため最適化した。運動ニューロンは24時間以内に急速に軸索を伸長した。
B:培養7日目の代表的なラスタープロットでは、20,000 cells/wellに比べ、40,000 cells/wellで播種した条件において、高頻度で活動電位(スパイク)やバースト発火のパターンが確認された。
C:活性電極比、MFR、wMFRを指標として定量評価を行った。

カルシウムイメージング

Functional Responses to Agonists via Calcium Imaging
培養14日目の運動ニューロンにカルシウム指示薬のCalbryte 520 AMを添加し、アゴニストとアンタゴニストに対する応答を評価した。
運動ニューロンは、ナトリウムチャネル活性化因子であるベラトリジン(1 μM)と高カリウム(30 mM)に同期的なカルシウム活動で応答した。
さらに、電位依存性ナトリウムチャネル阻害物質テトロドトキシン(1 μM)により、これらの応答の阻害を確認した。

骨格筋との共培養による神経筋接合部形成

Motor neurons cultured with Human Skeletal Muscle
hiPSC由来運動ニューロンRealMOTOおよび初代ヒト骨格筋をニューロンの形態観察用チャンバーXonaChip 150 μm(#XC150、Xona Microfluidics LLC)に播種した。
運動ニューロンは、長さ150 μmの微小溝を通って軸索を迅速に伸長させ、骨格筋上にシナプスのような神経筋接合部を形成した。

アプリケーションガイド

微小電極アレイ(MEA)を用いた機能解析およびやhiPSCから9日間で迅速に分化誘導させたシュワン細胞前駆体RealSCPとRealMOTOとの共培養の詳細・操作手順は、以下のクイックガイドをご確認下さい。各画像をクリックすると、PDFをダウンロードいただけます。


Axion Maestro Guide for RealMOTO

RealMOTO & RealSCP Co-culture Quick Guide
RealMOTO & RealSCP Co-culture Quick Guide



目次に戻る

価格

hiPSC由来運動ニューロン RealMOTO

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
1M RealMOTO
2~3週間 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
  • お問い合わせ
説明文
※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事
RealMOTO Male #1
2~3週間 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
  • お問い合わせ
説明文
※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事 Anatomic社 hiPSC由来細胞 最新アプリケーションのご案内

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

1M RealMOTO

文献数: 0

説明文 ※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事

RealMOTO Male #1

文献数: 0

説明文 ※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事 Anatomic社 hiPSC由来細胞 最新アプリケーションのご案内


関連製品:運動ニューロン成熟化培地 Moto-MM

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
Moto-MM
2~3週間 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
  • お問い合わせ
説明文
※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事 Anatomic社 hiPSC由来細胞 最新アプリケーションのご案内

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

Moto-MM

文献数: 0

説明文 ※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事 Anatomic社 hiPSC由来細胞 最新アプリケーションのご案内



目次に戻る

hiPSCから運動ニューロンへ分化誘導するキット Moto-DM

hiPSCから運動ニューロンへ分化誘導するキットです。Anatomic社のPrimal Ectoderm Platformは、hiPSCを24時間で「原始外胚葉」に向かって分化し、わずか7日間で簡便(基本操作は培地交換のみ)かつ効率的にHB9/ISL1/TUJ1陽性未成熟運動ニューロンへ分化誘導します。Moto-DMは、ALS、CMT、または脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy、SMA)などの神経筋疾患のモデリングに最適であり、効率的で再現性のある結果が得られます。
moto-DMを用いたヒトiPS細胞から運動ニューロンへの分化誘導の各段階におけるマーカー分子の発現
図. Moto-DMを用いてhiPSCから運動ニューロンへ分化誘導した各段階のマーカー発現
24時間でhiPSCから原始外胚葉に分化し、2日目までに脊髄外胚葉(SOX2、HOXB1)が形成される。4~6日目の間に、運動ニューロン前駆細胞への分化誘導が進み、OLIG2の発現が確認できる。その後、HB9/ISL1/TUJ1陽性の未成熟な運動ニューロンに分化する。

特長

  • わずか7日間でhiPSCからHB9/ISL1/TUJ1陽性の未成熟な運動ニューロンに分化誘導できます。
  • 基本操作は培地交換のみです。従来のプロトコルと比較して、迅速かつ簡便です。
  • 純度75%の優れた効率で最大1,000万個のHB9/ISL1/TUJ1/CHAT陽性の運動ニューロンを製造できます。

キット内容

  • Basecamp differentiation basal(基礎培地)
  • Moto-DM Supplements 1~7(サプリメント)

キットに含まれていない必要試薬、装置などは、Moto-DM Motor Neuron Differentiation Kitの「Other Reagents Needed」をご確認下さい。

操作方法概略/各段階の細胞状態

培養スキーム

基本操作は培地交換です。プロトコルの詳細については、Moto-DM Motor Neuron Differentiation Kitをご確認下さい。


Day 0:hiPSCから外胚葉に分化誘導するためにサプリメントMoto DM1を含む培地で培養を開始する

hiPSCの未分化培養の維持

Day 1:サプリメントMoto DM2を含む培地に交換する

核小体が中央に位置する特徴的な円形の細胞が見られる。
Day X

Day 2:サプリメントMoto DM3を含む培地に交換する

コロニーの顕微鏡像はより明るくなり、辺縁はより滑らかになる。
Day 2

Day 3:サプリメントMoto DM4を含む培地に交換する

コロニーの中心がより密になり、辺縁がより平坦で粗くなり始める。
Day 3

Day 4:サプリメントMoto DM5を含む培地に交換する

コロニーはより密になり、辺縁が平坦でなくなる。
Day 4

Day 5:サプリメントMoto DM6を含む培地に交換する

運動ニューロン前駆細胞のコロニーは、軸索が芽を出し始めたことで「ふわふわした」中心を形成する。時間が経つにつれ、軸索の発芽とともにコロニーの密度は増加し続ける。
Day 5

Day 6:サプリメントMoto DM7を含む培地に交換する

運動ニューロン前駆細胞のコロニーは中心の密度が更に高くなり、軸索が芽を出し続ける。
Day 6

Day 7:コロニーからの広範な軸索発芽を示す未成熟な運動ニューロンが形成される

Day 7


この運動ニューロンは未成熟な状態であり、分散して凍結保存*1することに適しています*2

*1 凍結保存方法については、Moto-DM Motor Neuron Differentiation Kitの「Dissociation of Immature Motor Neurons」をご確認下さい。
*2 この運動ニューロンを成熟化させるにはMoto-MM(#3030-B002)が必要です。成熟化についてはMoto-DM Motor Neuron Differentiation Kitの「Seeding and Characterization of Motor Neurons」をご確認下さい。


価格

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
Moto-DM
2~3週間 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
  • お問い合わせ
説明文
※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事 Anatomic社 hiPSC由来細胞 最新アプリケーションのご案内

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

Moto-DM

文献数: 0

説明文 ※輸入諸費用(90,000円)を別途いただく製品です。
法規制等
保存条件 法規備考
掲載カタログ

製品記事
関連記事 Anatomic社 hiPSC由来細胞 最新アプリケーションのご案内




目次に戻る

技術情報

Anatomic社hiPSC由来運動ニューロンのアプリケーション情報です。
画像をクリックすると、ポスター請求フォームにジャンプします。請求フォームよりご依頼いただいた方にポスターのPDFデータを送付させていただきます。

RealMOTOポスター1

ヒト多能性幹細胞の運動ニューロンへの迅速な分化誘導

RealSCPポスター1

同一ドナーのhiPSC由来シュワン前駆細胞、運動ニューロン、感覚ニューロンを用いた髄鞘形成および脱髄促進化合物のハイスループットスクリーニングプラットフォームの開発

RealSCPポスター2

健常人/ALS患者のhiPSC由来シュワン前駆細胞と運動ニューロンの共培養システムの確立と運動ニューロンの活性変化

RealSCPポスター4

同一ドナーhiPSC由来のシュワン細胞、運動ニューロン、骨格筋細胞を用いた神経筋接合部モデル構築

オンラインフォームのご利用にはログインが必要です。登録がお済みでない方は、フナコシWeb会員登録をお願いいたします。
その他のAnatomic社hiPSC由来細胞のアプリケーション情報については、こちらをご確認下さい。


目次に戻る

関連製品

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
XonaChip 150um
2~3週間 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
  • メーカーサイト
  • お問い合わせ
説明文
2つのchamberとそれらを接続する小さなmicrogrooveによって構成されている,透明性に優れたプラスチック製のデバイス。2つのchamber間の容量差により生じる静水圧により,流体的にニューロン(神経細胞:neuron)の軸索から細胞体(cell body)の分離,ライブセルイメージング,軸索輸送研究などに使用できる。軸索と樹状突起の両方を分離できる。Pre-coating solution(#XC-PreCoat)1本(2 ml)同梱。
法規制等
保存条件 室温,4℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年6月15日号 p.7
細胞培養・再生医療研究カタログ2021-2022 p.82
ニュース2024年7月15日号 p.17

製品記事 XonaChipシリーズ
神経科学特集
関連記事

[在庫・価格 :2025年11月15日 15時35分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

XonaChip 150um

文献数: 0

説明文 2つのchamberとそれらを接続する小さなmicrogrooveによって構成されている,透明性に優れたプラスチック製のデバイス。2つのchamber間の容量差により生じる静水圧により,流体的にニューロン(神経細胞:neuron)の軸索から細胞体(cell body)の分離,ライブセルイメージング,軸索輸送研究などに使用できる。軸索と樹状突起の両方を分離できる。Pre-coating solution(#XC-PreCoat)1本(2 ml)同梱。
法規制等
保存条件 室温,4℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年6月15日号 p.7
細胞培養・再生医療研究カタログ2021-2022 p.82
ニュース2024年7月15日号 p.17

製品記事 XonaChipシリーズ
神経科学特集
関連記事

目次に戻る

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。