γ-グルタミル基転移酵素活性の測定キット γ-Glutamyl Transferase Activity Assay Kit

2023年6月、欧州肝臓学会（EASL）と米国肝臓病学会（AASLD）、ラテンアメリカ肝疾患研究協会（ALEH）は合同で、脂肪性肝疾患の病名と分類法の変更を発表しました¹。日本語での新たな病名は、日本消化器病学会のNAFLD/NASH診療ガイドライン作成委員会と日本肝臓学会の企画広報委員会が合同で検討し、2024年8月に正式に発表されました²。

変更後の病名

参照

γ-グルタミル基転移酵素（γ-Glutamyl Transaminase、GGT）は、タンパク質やグルタチオンのようなその他の対象から、アミノ酸などのアクセプターにγ-グルタミル基を転移させるグリコシル化酵素です。肝臓や腎臓および胆嚢などさまざまな組織に存在し、細胞膜に局在しています。 GGTはグルタチオンのリサイクルに関与しており、グルタチオンやグルタチオン抱合体からγ-グルタミル基を取り除き、細胞内に輸送されてグルタチオンおよびメルカプツール酸が生成されます。 血清中のGGT濃度は慢性活動性肝炎や非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）、心疾患の患者で増加します。GGT値は肝疾患のマーカーとして使用されていますが、胆汁うっ滞、膵炎、糖尿病などの非肝疾患や、COVID-19などのウイルス性疾患でも数値が上昇する可能性があります。低GGT家族性肝内胆汁うっ滞症や、胆汁酸塩排出ポンプ（bile salt export pump、BSEP）をコードする遺伝子の変異を特徴とする遺伝的疾患の患者では、血清中のGGT濃度が低下することがわかっています。