高純度(99.999%)の金を用いた各種センサーなどに有用なパターン電極 Patterned Electrode(Platypus Technologies社)
掲載日情報:2025/05/26 現在Webページ番号:72135
電子ビーム蒸着、☞ フォトリソグラフィー(Photolithography)、☞ ウェットエッチング(Wet etching)などの技術を用いて、ガラス基板上に金薄膜で形成したパターン電極(Patterned Electrode)です。金薄膜とガラス基板の間にはチタン接着層が塗布されているため、機械的安定性が向上しています。化学センサーやバイオセンサーなどの用途に有用です。
また、Platypus Technologies社では、ご要望に応じた☞ カスタム電極の受託製造(フォトリソグラフィー)サービスも承っています。
![]() |
![]() |
![]() |
||
![]() |
![]() |
![]() |
追加しました。
Photolithography(フォトリソグラフィー)とは
フォトリソグラフィーは、基板上に塗布した感光性コーティング(フォトレジスト)に紫外線(UV)を用いてパターンを形成するプロセスです。塗布したフォトレジストの上の特定の領域にマスクを配置することで、その領域へのUV光照射を防ぎ、マスクされていない領域のみが露光されます。フォトレジスト上に作成されたパターンは、適切な有機溶媒または水性溶媒を用いてマスクを除去することで現れます。作成したフォトレジストパターンの金属または誘電体膜への転写にはメタルリフトオフまたはウェットエッチングという2つの異なる技術が用いられます。
メタルリフトオフ(Metal Lift-Off)とは
メタルリフトオフでは、まず、ステンシルのように、基板(ガラス、シリコン、セラミックなど)上にパターンを形成したフォトレジストを塗布します。次に、フォトレジストを塗布した基板上に金属または誘電体膜を堆積します。金属または誘電体膜は、フォトレジスト膜で保護されていない領域のみにおいて基板と結合します。すなわち、フォトレジストを保護されている基板の領域は、堆積した金属または誘電体膜と結合しません。最後に、フォトレジストを溶剤浴により溶解し、基板上にパターンを形成した金属または誘電体膜を露出させます。
ウェットエッチング(Wet etching)とは
ウェットエッチングでは、金属または誘電体膜の上にフォトレジストを堆積し、パターンを形成します。次に、フォトレジストで保護されていない金属領域を液体化学薬品によって除去します。最後に、フォトレジストを溶剤またはO2プラズマによって除去することにより、金属膜のパターンが露出します。表面処理の前処理および後処理方法には、O2プラズマ、シラン(例:HMDS、フッ素化シラン)の堆積、および保護コーティングなどがあります。
追加しました。
特長
- 表面の粗さが少なく、電極間の再現性に優れています。
- 高純度(99.999%)の金を用いているため、危険または有害な表面洗浄の操作は必要ありません。
- 透明なガラス基板を用いているため、電極を簡単に目視して操作できます。
追加しました。
適用
Patterned Electrodeは以下の分野などで利用されています。
- 化学センサー
- バイオセンサー
- Lab-on-a-chip(LoC)
- マイクロ流体工学
- 電界効果トランジスタ(FET)
- 2D(二次元)材料
追加しました。
製品ラインナップ
品名をクリックすると製品概要、商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
品名 | 主な適用 | 製品仕様 | 商品コード | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
基板 | 金属層 | 接着層 | チップ寸法 | ||||
![]() |
Interdigitated Electrode(IDE) | 参照電極および補助電極を有する | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 2 × 0.07 cm | AU.1000.ID |
![]() |
Interdigitated Electrode Array | 液体試料を含む複数の試料の測定 | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 1 × 0.07 cm | AU.1000.IDA |
![]() |
Interdigitated Electrode with Pad | 電気化学インピーダンス分光法(EIS) | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 2 × 0.07 cm | AU.1000.IDP |
![]() |
Three Probe Electrode | トランジスタ(FET、HEMT、BioFET)、化学センサー、バイオセンサーなど | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 2 × 0.07 cm | AU.1000.3PE |
![]() |
Four Probe Electrode | グラフェンやカーボンナノチューブなどの2D材料の試験 | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 1 × 0.07 cm | AU.1000.FPA |
![]() |
Five Probe Electrode | 生物組織または2D材料のシート抵抗測定 | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 2 × 0.07 cm | AU.1000.5PE |
![]() |
Six Probe Electrode | 生物組織または2D材料のシート抵抗測定 | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 1 × 0.07 cm | AU.1000.SPA |
![]() |
FET 4 Electrode | カスタムセンサー | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 1 × 0.07 cm | AU.1000.F4 |
![]() |
FET 20 Electrode | バイオセンサー、FETベースセンサー | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 1 × 0.07 cm | AU.1000.F20 |
![]() |
Multi-Pad Electrode | Lab-on-a-chipに用いることで複数の分析を可能にする | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 1 × 0.07 cm | AU.1000.MP1 |
![]() |
Disk Electrode | 電気化学インピーダンス分光法(EIS)、サイクリックボルタンメトリー(CV) | ボロアルミノケイ酸ガラス | 100 nm 金 (99.999%) |
5 nm チタン | 1 × 2 × 0.07 cm | AU.1000.DISK |
追加しました。
製品概要
Interdigitated Electrode(IDE)(#AU.1000.ID)
くし形電極(IDE)は、センシング用途に使用可能な基準電極と補助電極を有しています。電極幅および電極間はそれぞれ50 μmです。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Interdigitated Electrode Array(#AU.1000.IDA)
くし形電極(IDE)アレイは、抵抗と静電容量の測定を伴う、液体試料を含む複数の試料の測定に使用できます。溶液の抵抗と静電容量は、電極間の隙間で測定できます。電極幅および電極間の間隔はそれぞれ10 μmです。各チップには12対のくし形電極対が配置されています。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Interdigitated Electrode with Pad(#AU.1000.IDP)
このパッド付きくし形電極(IDE)は、センシング、電気化学、インピーダンス分光法などの用途に使用できます。電極幅および電極間の間隔はそれぞれ50 μmです。
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Three Probe Electrode(#AU.1000.3PE)
Three Probe Electrodeチップは、新しい化学センサーの設計と試験に最適です。金は高い導電性を提供し、透明な基板はセンシング層の光学的イメージングを可能にします。電極間の間隔は400 μm、電極幅は100 μmです。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Four Probe Electrode(#AU.1000.FPA)
Four Probe Electrodeアレイは、グラフェンやカーボンナノチューブなどの2D材料の試験に使用できます。電極指の数は、各電極で起こり得る反応の数と相関します。電極幅は30 μm、電極間の間隔は2 μmまたは40 μmです。1枚のチップ上にFour Probe Electrodeが12セット形成されています。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Five Probe Electrode(#AU.1000.5PE)
Five Probe Electrodeは、生体組織、2D材料、ナノ材料、ポリマー、先端材料のシート抵抗(例:ケルビン法)、インピーダンス、または導電率の測定に用いられます。電極間の間隔は400 μm、電極幅は100 μmです。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Six Probe Electrode(#AU.1000.SPA)
Six Probe Electrodeは、電極幅は30 μmで、電極間の間隔は3種類(20 μm、40 μm、60 μm)が用いられています。この電極アレイは、作用電極間の酸化還元反応のモニタリングに使用できます。電極間の間隔が狭いほど、酸化還元反応の回数が増加し、アレイによって生成される電気化学号の増幅に有用です。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
FET 4 Electrode(#AU.1000.F4)
FET 4 Electrodeは、さまざまな用途に使用できる電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)として機能します。試料溶液をゲート(G)として用いることで、液体ベースの溶液を分析できます。メインフィンガーの寸法は20 × 100 μm、間隔は20 μmです。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
FET 20 Electrode(#AU.1000.F20)
FET 20 Electrodeは、さまざまな用途に使用できる電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)として機能します。試料溶液をゲート(G)として用いることで、液体ベースの溶液を分析できます。
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Multi-Pad Electrode(#AU.1000.MP1)
Multi-Pad Electrodeは、10個の電極プローブを備えており、1つのプラットフォーム上で複数のセンシングを可能にします。タンパク質分析、DNAシークエンシング、その他の細胞ベースの研究に用いることができ、また生物学的試料の検査への利用も可能です。正方形パッドの寸法は10 × 100 μmで、正方形パッド間の間隔は130 μmです。
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
Disk Electrode(#AU.1000.DISK)
Disk Electrodeは、電気化学インピーダンス分光法(EIS)またはサイクリックボルタンメトリー(CV)による溶液および液滴の電気化学実験に最適です。中央のディスク電極は作用電極として機能し、両側の電極はそれぞれが補助電極または参照電極として機能します。作用電極の直径は2 mmです。
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
追加しました。
カスタムパターン電極受託製造(フォトリソグラフィー)サービス
Platypus Technologies社のフォトリソグラフィーサービスは、環境制御システムを備えた専用クリーンルーム(クラス1,000)で行われ、お客様に高品質な電極をお届けします。用途には、マイクロ流体デバイス用パターン形成ウェハー、くし形電極、電気化学センサー、ビーム分割光学プレート、ピクセルアレイ、インジウムスズ酸化物(ITO)電極、フレキシブル電極などがあります。ガラス、シリコン、セラミック、またはフレキシブル基板上にさまざまな金属(Au、Ag、Pt、Cu、Ti、Al)をコーティングし、パターン形成を行います。
対応可能な仕様
- 365 nm高度コリメート光を用いたUV露光システムを使用
- フォトレジストの種類:ポジ型、リフトオフ型
- 基板:ガラス、シリコン、金属、セラミック、ポリイミド
- 最小パターン解像度:5 μm
- 円形基板:最大直径6インチ
- 正方形基板:最大4インチ × 4インチ
Gallery
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
図をクリックすると拡大します(🔍)
ご注文方法/価格
詳細は、当社受託・特注品担当(e-mail:jutaku@funakoshi.co.jp、TEL:03-5684-1645)までお問い合わせ下さい。
ご注文の際はカスタム作成したい電極の設計図(DWG または DXF file)をご用意いただく必要があります。設計図作成のガイドラインは、☞ Data Prep Guidelinesをご覧下さい。
追加しました。
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。