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抗ノロウイルス製品・素材の評価やスクリーニングに ノロウイルス粒子測定キット

掲載日情報:2025/03/14 現在Webページ番号:72123

(株)プロテックスが独自に開発したELISA法による抗ノロウイルス試験キットです。キットには、人工ノロウイルス粒子、同粒子を認識する抗体が固相化されたプレート、および検出抗体が含まれており、抗ウイルス製品(消毒剤や除菌シートなど)で処理した人工ノロウイルス粒子をELISA法で測定することにより、抗ウイルス効果を評価できます。本製品は、ネコカリシウイルスなどの代替ウイルスを用いて行われていた従来の培養法による抗ノロウイルス試験とは異なり、簡便、安全(非増殖性・非感染性、カルタヘナ非該当)かつ短時間で抗ウイルス製品の有効性を評価できます。

ノロウイルス粒子測定キット製品外観

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ノロウイルス粒子測定キット製品外観

ノロウイルスおよび(株)プロテックスの人工ノロウイルス粒子測定キットについて

ノロウイルスについて

ノンエンベロープウイルスであるノロウイルスは、ウイルス表面がタンパク質の殻(カプシド)で被われています。そのため、脂質性の膜を有するエンベロープウイルスとは異なり、アルコールなどの消毒薬や熱に対する抵抗性が強いと言われます。このカプシドは、内部の遺伝情報を保護し、宿主細胞に侵入するための鍵となる役割を果たしています。ウイルスのカプシドが損傷を受けると、内部の遺伝物質は外部の酵素や化学物質によって分解されたり、宿主細胞への侵入が阻害されることにより、感染力を失います。つまり、ノロウイルスのカプシドの破壊/非破壊は抗ウイルス作用の指標になります。


従来の抗ノロウイルス試験について

ヒトノロウイルスについて、株化細胞や実験動物組織で増殖させる方法はこれまで確立されていません。そのため、抗ノロウイルス能評価では、ネコカリシウイルスなどの代替ウイルスを用いた培養法が主流となっています。しかし、ネコカリシウイルスはヒトノロウイルスとは感受性が異なること、培養法ではウイルス宿主細胞の準備や細胞変性に時間が必要であること、多数の検体処理が難しいこと、およびウイルス粒子の個数を測定できない(プラーク法)といった課題がありました(下図)。

ウイルス粒子数とプラーク数
ウイルス粒子数:2 培養
プラーク数:2 ウイルス粒子数:2 培養
プラーク数:1
ウイルス粒子数:2 プラーク数:2 ウイルス粒子数:4 プラーク数:1


また、ノロウイルスの検出法では、培養法とは別にリアルタイムRT-PCRが広く利用されています。しかし、この方法は微量なRNAを検出するために、カプシドが破壊されて感染性を失ったウイルス由来の残存RNAも検出する可能性があります。そのため、活性/不活性ウイルスをリアルタイムRT-PCR法で区別することは困難であり、感染性を有するウイルスを検出する培養法の検査結果とは必ずしも相関しません。

RT-PCR法の課題:誤判定の原因となるRNA
正常なカプシド=感染性あり 壊れたカプシド=感染性なし
正常なカプシド=感染性あり 壊れたカプシド=感染性なし

人工ノロウイルス粒子について

(株)プロテックスでは、ノロウイルスの遺伝情報から外殻(カプシド)のみの遺伝情報を用いて、球形構造の人工ノロウイルスを生産し、ウイルス液の模擬試料として提供しています(下図)。同ウイルス粒子は、遺伝物質(RNA)を除いているため、増殖・感染しません。また、カルタヘナ・BSL非該当なので、一般実験室で使用できます。

(株)プロテックスの人工ノロウイルス粒子電子顕微鏡

外殻(カプシド)のみで球形構造を形成

カプシド内部の遺伝物質であるRNAは除かれている


(株)プロテックスノロウイルス粒子測定キットについて

本製品は、球形構造の壊れていない人工ノロウイルス粒子と、この粒子を特異的に認識する抗体を固相化したマイクロプレート(96ウェル)を用いて、抗ウイルス製品や素材の有効性の評価を行います。具体的には、固相化された抗体は構造が保たれている人工ノロウイルス粒子のみを認識します。そのため、消毒剤などの抗ウイルス試験において、抗ウイルス材料を作用させることで人工ノロウイルス粒子の構造が壊されると、抗体に認識される粒子量が減少します。この原理に基づき、ELISA法を用いて、抗ウイルス剤の作用前/後の人工ノロウイルス粒子量を定量的に測定することで、人工ノロウイルス粒子の減少量やその活性値などを分析することができます。

破壊されていない=感染性あり 破壊/変性=感染性なし 次亜塩素酸ナトリウムに対するノロウイルス粒子の継時変化
次亜塩素酸ナトリウムに対するノロウイルス粒子の継時変化
破壊されていない=感染性あり 破壊/変性=感染性なし
破壊&未破壊/変性模式図 呈色反応

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特長

  • 扱いやすさ:人工ノロウイルス粒子はカルタヘナ・BSL非該当で、感染や増殖はしないため扱いやすくなっています。
  • 簡便かつ高スループット性:ELISA法で簡便に抗ウイルス試験を行うことができます。また、従来の代替ウイルス(ネコカリシウイルス)での培養法(プラーク法)では結果が得られるまでに数日要したのに対し、約3時間で96試料の分析が可能です。
  • 対数減少値4 Log程度まで測定:人工ノロウイルス粒子の減少率を99.99%程度まで測定可能です。
  • 測定原理:ELISA(サンドイッチ法)
  • 検出方法比色
  • 測定波長:450 nm

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製品仕様

測定範囲は1×106~1×109ノロウイルス粒子/mlを目安として下さい(検量線例参照)。

 1010ノロウイルス粒子/ml以上の検証については、測定原液を希釈するなど行ってから測定して下さい。

ノロウイルス粒子測定キットの検量線例

ノロウイルス粒子測定キットの検量線例

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使用例 次亜塩素酸による抗ノロウイルス効果

試験概要(下図)

2×1011ノロウイルス粒子/mlの模擬試料10 μlに200 ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液90 μlを加え撹拌した。30秒後および、5分後にそれぞれを中和液100 μlで中和後、本製品を用いて人工ノロウイルスの粒子量を求めた。


抗ウイルス試験例(KILL TIME試験 参考:ASTM E1052-20)
開発製品や素材を準備 模擬試料と混ぜる

一定時間静置


抗ウイルス活性を中和 ウイルス粒子量により、発色の濃さ(OD 450nm)は異なる。
ELISA法で検体を発色
発色の濃さを測定
評価を行いたい抗ウイルス製品や素材を準備する 模擬試料と混ぜる 抗ウイルス活性を中和する ELISA法で試料を発色させる 発色の濃さ(OD 450nm)を測定する



試験結果

200 ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液(A社製)を添加後、ノロウイルス粒子数は、反応時間30秒で3 Log以上、5分では4 Log以上減少した。


作用時間 0分 0.5分 5分
ウイルス粒子数/ml 1×1010 4.8×106 ≦6.4×105
抗ウイルス活性値 3.3 ≧4.2

200 ppm次亜塩素酸ナトリウムで処理した場合のノロウイルス粒子数(Log)の経時変化

200 ppm次亜塩素酸ナトリウムで処理した場合のノロウイルス粒子数(Log)の経時変化

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キット内容

  • 抗体固相マイクロプレート(96ウェルプレート*1
  • 洗浄原液
  • 検体希釈溶液
  • 標識抗体溶液
  • 発色液
  • 反応停止液
  • 希釈用マイクロプレート
  • 模擬試料(人工ノロウイルス液)*2

*1 1列(8ウェル)ごとに切り離し可能
*2 2×1011ノロウイルス粒子数/ml含有

抗体固相マイクロプレート(96ウェルプレート)

抗体固相マイクロプレート(96ウェルプレート)

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価格

ノロウイルス粒子測定キット

[在庫・価格 :2025年05月01日 00時00分現在]

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ELISA法による抗ノロウイルス試験キット。安全、簡便、短時間で抗ノロウイルス製品の有効性を評価できる。
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保存条件 室温,4℃,-20℃,暗所保存 法規備考
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説明文 ELISA法による抗ノロウイルス試験キット。安全、簡便、短時間で抗ノロウイルス製品の有効性を評価できる。
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模擬試料 (ノロウイルス粒子測定キット専用)
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人工ノロウイルス粒子。ノロウイルス粒子測定キット#010107001のキット構成品。
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模擬試料 (ノロウイルス粒子測定キット専用)

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説明文 人工ノロウイルス粒子。ノロウイルス粒子測定キット#010107001のキット構成品。
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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

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