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ドレブリン研究のデファクトスタンダード抗体(M2F6)がさらに高品質に! Drebrin antibody (M2F6-Shirao®) Mouse mAb, clone M2F6

掲載日情報:2025/03/28 現在Webページ番号:72017

ドレブリンはアクチン結合タンパク質であり、細胞内のアクチン安定性を制御することで、細胞の運動や形態変化を介した多様な細胞機能に関与しています。
抗ドレブリン抗体(クローン:M2F6)は、神経科学分野におけるデファクトスタンダード(de facto standard)として長年にわたり広く使用され、神経細胞の分化、脳の形成、シナプス可塑性などの研究に大きく貢献してきました。特に樹状突起スパインに局在するドレブリンを鮮明に染色できるため、神経細胞の成熟度マーカーとして極めて有用です。近年では、ヒトiPS細胞由来神経細胞の成熟度評価にも活用され、iPS細胞研究の発展を力強く支えています。さらに、神経科学以外の分野でも、ドレブリン研究の重要なツールとして活用されています。
今回販売を開始した「Drebrin antibody (M2F6-Shirao®) Mouse mAb, clone M2F6」は、オリジナル株由来のハイブリドーマ培養上清から抗体を回収する手法を採用し、従来品を上回る高力価を実現しました。


ラット海馬由来培養神経細胞 ラット海馬由来培養神経細胞の超解像顕微鏡(STORM)による観察

ドレブリン(Drebrin)とは

ドレブリンは、脳の発達に依存してその発現量が変化するタンパク質(Developmentally REgulated BRain proteIN)としてニワトリ脳で発見され、命名されました(Shirao, et al., 1984)。ドレブリンはアクチン結合タンパク質であり、神経細胞骨格動態に関与するタンパク質です。単一のDBN1遺伝子から選択的スプライシングによって生成される2つの主要なアイソフォーム、ドレブリンEとドレブリンAに分類されます。アミノ酸配列はほぼ同一ですが、ドレブリンAのみがIns2配列と呼ばれる配列を持ちます。N末側はドメイン構造を持っています。ドレブリンEは胎児期・幼若期に主に発現し、ドレブリンAは成熟期に神経細胞特異的に発現します。

ヒトドレブリンの構造

図. ヒトドレブリンの構造

神経細胞では、ドレブリンEは軸索の成長円錐に多く集積し、突起伸展や軸索成長に影響を及ぼします。神経細胞の成熟に伴いドレブリンEは消失し、ドレブリンAが出現するようになります。ドレブリンAは樹状突起スパインの頭部に集積していますが、NMDAレセプターの活性によりその局在を変化させることが知られています。このドレブリンの動態が学習・記憶の基盤となるシナプス可塑性において重要な役割を果たしています。
記憶障害が見られるアルツハイマー病では、軽度認知障害(MCI)の段階からドレブリンの脳内量が減少することが、ヒト死後脳解析により報告されています。in vitro系においても、Aβオリゴマーによりドレブリンの減少が認められます。



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特長

  • ドレブリンを発見した白尾らによって確立されたクローンM2F6由来の抗体です。
  • 抗ドレブリン抗体(クローン:M2F6)は、ドレブリン研究で世界的なデファクトスタンダードとして使用されてきました。
  • 成熟神経細胞の樹状突起スパインのマーカーとして、あるいは神経細胞成熟の評価マーカーとしても有用です。

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仕様

  • 免疫動物:マウス
  • クローン名:M2F6
  • 抗原:Purified Chicken Drebrin E*1
  • 交差性:Human、Mouse、Rat、Chicken、Cat
  • 適用:IC、IHC(凍結・パラフィン切片)、IP、WB*2
  • アイソタイプ:IgG1

*1 本抗体はドレブリンEおよびドレブリンAの両アイソフォームを認識します。
*2 IC:免疫細胞染色、IHC:免疫組織染色、IP:免疫沈降、WB:ウエスタンブロット


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特異性の検証

本抗体の特異性は、ドレブリンノックアウトマウスを用いて免疫組織染色(下左図)およびウエスタンブロット(下右図)にて確認しています。
(試料:マウス大脳皮質、WT:野生型マウス、DXKO:ドレブリンノックアウトマウス)

免疫組織染色(凍結切片)
ウエスタンブロット

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使用例

細胞染色:ラット海馬由来初代培養神経細胞の発達過程におけるドレブリンの染色

ラット海馬由来培養神経細胞の発達過程におけるドレブリンの染色1

ラット初代培養海馬神経細胞におけるドレブリンの局在を細胞染色にて確認した。
本抗体を用いて発達過程における神経細胞を染色すると、神経細胞の発達過程(Stage 1~4)において、ドレブリンは突起先端部の成長円錐への集積が確認できる。
(緑色:ドレブリン、赤色:F-アクチン)


ラット海馬由来培養神経細胞の発達過程におけるドレブリンの染色2

神経細胞の成熟期(培養21日目)では、ドレブリンは樹状突起スパイン頭部への集積が確認できる。
(緑色:ドレブリン、赤色:MAP2、青色:DAPI)


細胞染色:ヒトiPS細胞由来神経細胞の染色

ヒトiPS細胞由来神経細胞の染色

ヒトiPS細胞由来神経細胞におけるドレブリンの局在を細胞染色にて確認した。ヒトiPS細胞由来神経細胞においても図のように、初代培養神経細胞同様、未成熟の発達初期(培養3週間)の段階では突起先端の成長円錐にドレブリンが集積することが分かる。
(赤色:MAP2、緑色:ドレブリン、青色:DAPI)

成熟したヒトiPS細胞由来神経細胞については下記文献を参照下さい。
参考文献:Lin, W., et al., iScience, 26(4):106285 (2023). [PMID: 37034988]


免疫組織染色:ヒト大脳皮質パラフィン切片の染色像

ヒト大脳皮質パラフィン切片の染色像

スパインへのドレブリン集積(粒状の染色像)が確認できる。(群馬大学 横尾先生ご提供)


免疫組織染色:アルツハイマー病脳におけるドレブリンの発現

免疫組織染色:アルツハイマー病脳におけるドレブリンの発現

アルツハイマー病患者と加齢対照のヒト海馬病理標本を本抗体を用いて組織染色した。
シナプス前部のマーカーであるシナプトフィジンは加齢対照と患者脳で発現量に差が見られないが、ドレブリンの発現はアルツハイマー病患者で減少していることが分かる。


ウエスタンブロット:アルツハイマー病脳におけるドレブリンの発現

ウエスタンブロット:アルツハイマー病脳におけるドレブリンの発現

アルツハイマー病患者の発現解析するとシナプス前部のマーカーであるシナプトフィジンでは発現量に差はないが、ドレブリンの発現が減少していることが分かる。
上図:ドレブリン、下図:シナプトフィジン
左の2レーン:加齢対象、右の2レーン:アルツハイマー病患者


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使用文献例

  1. Zhao, M., et al., Neural Regen. Res., 19(7):1602~1607 (2024). [PMID: 38051905]
  2. Takahashi, K., et al., Sci. Rep., 14(1):11519 (2024). [PMID: 38769131]
  3. Yamazaki, H., et al., Neurosci. Res., 199:30~35 (2024). [PMID: 37659612]
  4. Kreis, P., et al., Nat. Commun., 10(1):486 (2019). [PMID: 30700723]
  5. Counts, S.E, et al., J. Neuropathol. Exp. Neurol., 65(6):592~601 (2006). [PMID: 16783169]
  6. Shirao, T. and Obata, K., Brain Res., 394(2):233~244 (1986). [PMID: 3768727]
  7. Shirao, T. and Sekino, Y., (Eds.) (2017) Drebrin. (Advances in Experimental Medicine and Biology, vol 1006) Tokyo, Springer
  8.   

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Drebrin antibody (M2F6-Shirao) Mouse mAb, clone M2F6
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説明文
抗ドレブリン抗体(クローン:M2F6)。ドレブリン研究のデファクトスタンダード抗体。ドレブリン研究だけでなく、スパインのマーカー、神経細胞(iPS由来の神経細胞含む)の成熟度マーカーにも有用。
クローン:M2F6
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
抗原種 Chicken 免疫動物 Mouse クラス IgG 標識 Unlabeled
交差性 Human/Mouse/Rat/Cat/Chicken 適用 IC,IHC,IP,Western Blot
クロナリティ Monoclonal フォーマット 性状 Protein A/G Affinity Purified 吸収処理
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Drebrin antibody (M2F6-Shirao) Mouse mAb, clone M2F6

文献数: 0

説明文 抗ドレブリン抗体(クローン:M2F6)。ドレブリン研究のデファクトスタンダード抗体。ドレブリン研究だけでなく、スパインのマーカー、神経細胞(iPS由来の神経細胞含む)の成熟度マーカーにも有用。
クローン:M2F6
法規制等
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抗原種 Chicken 免疫動物 Mouse
交差性 Human/Mouse/Rat/Cat/Chicken 適用 IC,IHC,IP,Western Blot
標識 Unlabeled 性状 Protein A/G Affinity Purified
吸収処理 クラス IgG
クロナリティ Monoclonal フォーマット
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Rat Hippocampal Neurons : SKY Neuron
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説明文
胎生18日目のラット海馬由来初代培養神経細胞(凍結)。解凍、希釈、播種という簡便な3ステップで利用できる。神経細胞の突起伸長から極性形成、シナプスの成熟過程を再現よく観察できる。
法規制等
保存条件 液体窒素中での保存 法規備考
掲載カタログ

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Rat Hippocampal Neurons : SKY Neuron

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説明文 胎生18日目のラット海馬由来初代培養神経細胞(凍結)。解凍、希釈、播種という簡便な3ステップで利用できる。神経細胞の突起伸長から極性形成、シナプスの成熟過程を再現よく観察できる。
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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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